GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

映画『エターナルズ』感想(ネタバレ)

映画『エターナルズ』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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マーベルコミックを原作とした複数の実写映画を同一の世界観で描くクロスオーバー作品群、それが『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』。
今年からフェーズ4に突入しているMCU。去年はコロナ禍での公開延期もあり停滞していましたが、いざ始まったらまぁー早い早い。今年だけでも既に(映画、ドラマあわせて)『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンターソルジャー』『ロキ』『ブラック・ウィドウ』『シャン・チー テン・リングスの伝説』『ホワット・イフ…?』が公開されています。更に、11/24よりDisney+にて『ホークアイ』が、来年1月には劇場にて『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が公開予定となっており、怒濤のMCUラッシュに追い付くのがやっとといった感じ。

いくつか感想も書いておりますので、併せて読んでいただけるとありがたき幸せ。

blacksun.hateblo.jp

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過去作の要素はおしゃべりの中でちょろっと出てくるだけなので、見る前にコレ見といた方がいい、通称“MCUラソン”も全く必要なし。ヒーロー同士のクロスオーバーを楽しむことは出来ませんが、シリーズとしてでなく単体の作品として楽しめる作品となっております。ただあまりにも繋がりが無さすぎるので、MCU入門編としてはあまりオススメは出来ないかもしれない…。

本作の特徴は、やはり多様性なのかな、と思います。エターナルズのメンバーを演じる俳優陣は、白人、黒人、アジア系などの様々な人種が出演しているだけでなく、耳の聞こえないキャラや同性愛のキャラが出てくるなど、多様性に溢れています。『ブラックパンサー』では初の黒人系主役のヒーローを、『キャプテン・マーベル』では女性が主役のヒーローを、『シャン・チー』では初めてアジア系人種を主役にするなど、これまでも挑戦的な作品を作ってきたMCUですが、本作は今まで以上にチャレンジ精神を感じられる作品になっていると感じました。そんな本作の監督は、『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞した中国出身のクロエ・ジャオアカデミー賞を獲っているとはいえ、ドキュメンタリー色の強い作品を撮る人にスーパーヒーロー映画を任せるという、こういったところにもマーベルスタジオのチャレンジ精神を感じます。

 

観賞後の僕の率直な感想は以下インスタに投稿した通り。

 
 
 
 
 
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上述の通り本作は非常に多様性に溢れているのですが、それがただ単に時流に乗っているだけではないというか、各キャラクターの強みになっているような気がして、すごくいいなぁと思った次第です。

てな訳で、これより感想に参ります。

 

遥か太古に、宇宙を創造したとされるセレスティアルズという存在により産み出されたエターナルズという不死の種族。彼らは宿敵であるディヴィアンツから人類を守るために紀元前に地球に派遣され、様々な文明の中で人類を導きながら戦いを繰り広げていました。そうして遂にディヴィアンツを殲滅し、その後は散り散りになって人類に紛れてひっそりと暮らしていたのですが…。
現代になって再びディヴィアンツが現れ、その脅威に立ち向かうために再度メンバーを召集して戦っていく…というのがあらすじ。

エターナルズのメンバーは10人。全員新規のキャラクターです。そのため、中盤くらいまではメンバー召集という名のキャラ紹介に時間が費やされています。でも、ただキャラ紹介をするだけでなく、話が進む中で過去に時間が飛んだり程良く謎が散らばされたりするので、全く飽きることなく見れました。各キャラはソーのように神話に出てくる神様などがモチーフになっているので、元ネタが何か予想しながら見るのも楽しいです。

 

各キャラの簡単な紹介と、思ったことを書いていきたいと思います。

  • セルシ(演:ジェンマ・チャン)
    人類に対して最も愛情を持っているエターナルズのメンバー。モデルはギリシャ神話の魔女キルケ。岩を砂にしたり、何もない荒れ地から水を生成したり、手で触れた生物以外の物質をほかの物質へ変化させる能力を持っている。この能力、ちょっと『鋼の錬金術師』を連想しました。イカリスと恋仲だったものの、イカリスが突然いなくなってしまったために、現在はデイン・ウィットマン(演:キット・ハリントン)という人間の男性と交際中。遅刻癖があったり、ちょっと天然な一面があったり、性格も人間らしくて可愛らしかったです。
    ちなみに演じるジェンマ・チャンは『キャプテン・マーベル』にてミン・エルヴァという役でも出演していたんだとか。全然覚えてない…。

  • イカリス(演:リチャード・マッデン)
    エターナルズの戦術的リーダー。モデルはギリシャ神話のイカロス。超人的なパワー、目からビーム、飛行能力と、完全にスーパーマンな人。つまりチート級に強い。でもスーパーマンというよりどちらかというと『ザ・ボーイズ』のホームランダーみたいだな…と思ってたら、終盤の展開がソレっぽくなっちゃったのでちょっとビックリしました。『ザ・ボーイズ』、シーズン3まだかな…。
    エターナルズ側からすると終盤の彼は裏切り者ですが、客観的に見ると誰よりも使命に忠実なだけで、一概に悪い奴とも言えないのが切ない。最後に太陽に飛び込んでいくところとか、太陽に近づきすぎて蝋で出来た翼が溶けて墜ちてしまう、というイカロスの神話を反映してるんだなぁ、とか思ってみたり。

  • スプライト(演:リア・マクヒュー)
    12歳の少女のような容姿をしたエターナルズ。神話に出てくるエルフや妖精、ピーターパンがモデルとの事。自在に幻影を作り出す能力を持つ。役者さんの演技力のおかげで、「見た目は12歳だけど実際は何千年も生きている」という設定に何の違和感も感じませんでした。回想で、幻影を使って臨場感たっぷりに神話を語るシーン、キンゴに影響を与えるのも納得の素晴らしさでした。成長しない見た目をコンプレックスに感じているところとか、実はイカリスがずっと好きだったけどセルシがいるから我慢してたりとかも、非常に人間味があって良かったです。

  • エイジャック(演:サルマ・ハエック)
    エターナルズの精神的なリーダー。モデルはギリシャ神話の英雄アイアースや、アステカ神話の風の神ケツァルコアトル。治癒能力を持つ。唯一セレスティアルズと交信することができ、その知恵と指導力をもってメンバーや人類を導いてきた。人類が現在のような文明を築けたのは、彼女らが人類を導いてきたおかげ、という設定。まさにみんなのお母さん的存在。なので割と早い段階で死んでしまうのには驚きました。でも死んだ後もずっと存在感を放っているのがすごい。そしてセレスティアルズとの対話と精神的リーダーの役割は、セルシに引き継がれるのでした。

  • キンゴ(演:クメイル・ナンジアニ)
    インド系の容姿の陽気なエターナルズ。モデルはバビロニア神話のキングやら、日本の金剛(こんごう)やら。原作では二刀流の侍でしたが、本作ではボリウッドスターにアレンジされていました。「BTSが出演するのに!」のシーンや、ギルガメッシュの唾液ビールを吹き出すところなど、笑いに事欠かないキャラで楽しかったです。指からエネルギー光弾を放つ能力を持っており、これは『幽遊白書』が大好きな監督が霊丸(れいがん)をイメージしたんだとか。僕はどちらかというと『HUNTER×HUNTER』のフランクリンみたいだなと思ってしまいました。

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    威力が上がる“気がする”という理由で指を切り落とした人。しかもそれで本当に威力が激増するというのが念能力の面白さ。

    あと無限にカメラを生み出せる能力を持っているかのような普通の人間のマネージャー、カルーン(演:ハーリッシュ・パテル)も非常にいい味を出していましたね。地球が滅びるとかそういう話をしているときに「皆さんの幸せを祈っています」みたいなこと言うの、「お前…(泣)」という気持ちになりました。

  • ドルイグ(演:バリー・コーガン)
    ちょっと根暗な感じのエターナルズ。モデルはドルイドなどといわれていますが詳細は不明。他人の心を操る能力を持っている。回想シーンで、争いを止めるために心を操った人をぞろぞろ引き連れて去っていくところ、教徒を引き連れて歩くイエス・キリストブッダみたいだなと思いましたが、意識してるのでしょうかね。冷徹なようで実は人類に対して深い愛情を持っているところとか、マッカリとの若者っぽいじゃれ合いとか、見ていくごとに好感度が上がっていくキャラでした。

  • セナ(演:アンジェリーナ・ジョリー)
    自在に武器を作り出して使いこなす能力を持ち、非常に高い戦闘力を持つエターナルズ。モデルはローマ神話の女神ミネルヴァ。アラサー以降の人にはギリシャ神話のアテナといった方がわかりやすいかと思います(聖闘士星矢とか、KOFとか)。見た目も一番神々しい感じでした。演じるのが強い女性の代表格というべきアンジーなので、ちゃんと強いキャラに設定しつつ、精神面が不安定で本来の強さが発揮出来ない設定にしてパワーバランスを取ってるのが上手いなーと思いました。そして「暴走したときに止められるのは俺しかいない」ということで一緒にいることになったギルガメッシュとの、愛情のような友情のような関係性もとても良かったです。

  • ギルガメッシュ(演:ドン・リー)
    「気は優しくて力持ち」を具現化したようなエターナルズメンバー。シュメール神話の古代メソポタミアの王、ギルガメッシュがモデル。ソシャゲとかやってる人は良くご存じなんじゃないですかね知らんけど。外骨格を生成する能力を持ち、その防御力とそこから繰り出される超パワーのパンチで、トップクラスの強さを誇る。演じるのはドン・リーこと韓国の大スター、マ・ドンソク。温厚な性格で料理も上手という、みんなのお父さん的なキャラ。スプライトをからかった仕返しに赤ちゃんの服に変えられるとことか、劇場内に爆笑が巻き起こるほど面白かったです。

  • ファストス(演:ブライアン・タイリー・ヘンリー)
    大柄な黒人の容姿をしたエターナルズ。モデルはギリシャ神話の鍛冶の神ヘパイストス。発明の能力で、イメージするものは何でも作り出せる。その力で、人類の科学技術の発展を密かに支えてきた。しかし、その結果人類が史上最悪のあの兵器を作り出してしまったため、人類に絶望してしまう。日米最大のトラウマであるあの大惨事を、アメリカ側がああいった形で描くというのは前代未聞なのではないでしょうか。その後、なんだかんだで人類の男性とカップルになり、養子も迎えて睦まじく暮らしていました。キスシーンも出てきたりと、MCU初のゲイのスーパーヒーローとして話題になりましたね。ちなみに家の机はIKEAの秋の新作(そしてイカリスに叩き割られる)。

  • マッカリ(演:ローレン・リドレフ)
    超スピードで動くことが出来るエターナルズ。あと本読むのもめちゃくちゃ早い。モデルはギリシャ神話の旅と商売の神マーキュリーMCU初の聴覚障害を持ったスーパーヒーローで、手話で会話する。でも、そのお陰で超スピードで発生する衝撃波(ソニックブーム)の影響も受けない。戦闘時にはクロックアップからのオラオララッシュのような連続攻撃(パンチではなく体当たりか衝撃波で攻撃している感じだった気がします)を繰り出したりして、めっちゃ派手でカッコよかったです。あと彼女が耳が聞こえないのをみんなが当然のように認識してて、余計な気遣いや遠慮とか一切なく接しているのがすごくいいなぁと思いました。

 

エターナルズメンバーについてはこんな感じです。
キャラの紹介とストーリーの進行がリンクしていて、とても見やすく飽きることなく楽しめました。

 

中盤以降、この宇宙を創造したとされるセレスティアルズ、アリシェム・ザ・ジャッジ(声:デビッド・ケイ)によって、エターナルズやディヴィアンツの出生の秘密や、セレスティアルズの目的が明かされます。地球を卵に新たなセレスティアルズを誕生させるとか、誕生には大量の生命エネルギーが必要になるので、生命体を増やすために地球の繁栄を促していたとか、スケールがでかすぎてちょっと引きました(笑)
サノスの指パッチンで生命体が半分になったことでセレスティアルズの誕生が遅れたとか、それを自分達の力でひっくり返した人類にエイジャックが可能性を見出したとか、その辺のロジックはほーんなるほどなーと思いました。

最後、大きくなり過ぎたスケールにどうやってオチをつけるのかと思っていましたが、エターナルズみんなで力をセルシに集約して、生まれてくるセレスティアルズの体組織を石?氷?に変えて殺すという最後に。最終的にセレスティアル自身も力を貸す形(=ほぼ自殺)になりましたが、その理由はよくわからなかった…。地球に愛着を持っていたということなのでしょうか。
その後、地球に平和が訪れ地球に残ったエターナルズも平穏な時を過ごす…と思いきや、「やってくれるやんけお前ら、どうなるかわかっとんのやろな」とばかりに現れたアリシェムに、セルシ達何人かは連れ去られてしまいます。まだわかんないけど、もしセレスティアルズが敵になったらどうやって勝つんだろ…。無理ゲ―過ぎない?

毎度おなじみエンドクレジット後のおまけは、創造主のもとへ向かうセナ、ドルイグ、マッカリのところへ、サノスの弟だというエロス/スターフォックス(演:ハリー・スタイルズ)とその家臣のピップ(声:パットン・オズワルト)が現れ、「他のエターナルズに危機が迫っているからその場所教えたる」と言うシーン。原作知らないのでサノスに弟がいたことにも驚きましたが、危機が迫っているというのはセルシ達の事なのか、別宇宙(マルチバース)のエターナルズの事だったりするのかとか、妄想が膨らみましたぐへへ。

それから、複雑な家系であることを明かしていたセルシの今彼デインが、目の前で連れ去られたセルシをなんとかしようと、家に保管されていたエボニーブレイドなる呪われた剣を手に取ろうとするところで映画は終わります。原作知らないのでよくわかりませんが、彼も今後スーパーヒーローになっていくのか?楽しみは尽きないですな。

 

とまぁ、こんな感じです。
他のヒーローたちとの繋がりはあまりないけど、全くないとも言い切れないバランスがとても良かったです。死んでしまったメンバーも記憶は保管されているようなので、違った役割とかで再登場してくれると嬉しいなぁ。

上述の通り他のMCU作品との繋がりはほとんどないので、どれ見ればいいのかわからない、という人も十分に楽しめる作品になっております。最新最高のスーパーヒーロー映画をいろんな人に楽しんでもらえたらなと、1ファンとして思っております。

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惑星を超えるサイズのセレスティアルズ。こんなのに勝てるわけない。

ということで、映画『エターナルズ』の感想でした。

ではまた。

映画『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』感想(ネタバレ)

映画『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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G.I.ジョー」とはそもそも、「兵士A」のような“アメリカ兵”を指す一般的な呼称なんだとか。
また、モノポリートランスフォーマーの海外展開で知られるハズブロが、1960年代より展開している男児向け着せ替えアクションフィギュアシリーズの事でもあります。

そのフィギュアシリーズをベースに、1980年代に『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』というアニメが放送されました。
で、そのアニメをベースに、2009年に実写映画『G.I.ジョー』が、更に2013年には続編の『G.I.ジョー バック2リベンジ』が公開されました。
んでんで、本作はその実写映画をベースに、映画に登場したスネークアイズというキャラクターのオリジンを描く、前日譚およびリブート作となります。

なんかややこしいですが、特に繋がりとかはないので、過去のアニメや映画を見る必要はないかと思います。というかこれまでの作品もただ悪いヤツを懲らしめるってだけなので、繋がりがあったとしても問題ない気がします。僕は過去の実写映画2作も見てますが、1作目はなんかパワードスーツ着て暴れてたなー、2作目はウィリスとか出てきて暴れてたなー、くらいの印象しかないですし。(※誉め言葉です)
本作も、なんにも考えずに楽しめる僕好みの痛快娯楽アクション映画となっておりました。

今回の舞台は、東京。
そのため、敵役の平岳大や、アキコ役の安部春香、セン役の石田えりなど、日本から多くの役者が出演しています。撮影も、つくばみらい、大阪、姫路などで長期ロケが行われたそうです。更に、本作のアクション監督には『るろうに剣心』などでおなじみの谷垣健治が抜擢されるという、日本と非常に縁の深い作品となっております。

 

てな訳で、なんとなくふんわりとした感想をさらりと書いていきたいと思います。

アバンは、過去の話。
とある父子が山小屋で暮らしているところに、謎の男達が襲ってきます。サイコロを2つ振って出た目によっては生かしてやると言われるも、出た目は1のゾロ目(スネークアイズ)だったために(演:ティーヴン・アレリック)は殺され、家も焼かれてしまいます。小さい息子はなんとか逃げることに成功するも、父を殺された恨みをずっと抱えて生きていく事に。

それから時は経ち、現代。
成長した青年(演:ヘンリー・ゴールディング)は自らをスネークアイズと名乗り、いろんな闘技場を渡り歩いて賞金稼ぎをしておりました。そこへ、ケンタ・タカムラ(演:平岳大)という男が訪ねてきて、「父親を殺したヤツを見つけてやるから、俺んとこで働け」と言われ、渋々ながら働くことに。

腹を開いた魚の中に銃を詰めるヤバい仕事に従事していると、ある日同僚?のトミーという男がスパイだとして吊るし上げられ、ケンタはスネークアイズに銃を渡し、「(忠誠の証として)コイツを殺せ」と命じます。しかし、スネークアイズはこれを拒否。トミーと共にゴロツキをぶっ倒し、追われる身になってしまうのでした。

トミーの本名はトミサブロウ・アラシカゲ(演:アンドリュー・小路)といい、日本の嵐影一族というニンジャの家系の末裔との事。「ドイタシマシテ」などの時折繰り出されるカタコトの日本語が微笑ましい。ケンタとトミーはいとこ同士だったものの、一族の後継者争いでケンタがトミーを殺そうとしたために一族を追放され、その後ケンタは金と暴力に固執し、悪の限りを尽くすようになってしまったらしい。早い話が893ですね。トミーはそんなケンタを止めるために、銃の出所を探ろうと潜入調査をしていたのでした。余裕で顔バレしてるトミー本人が潜入しても意味ないだろ、というツッコミは野暮。次期党首がわざわざ出張らずともアキコとか家臣に行かせりゃいいのに、とか言ってはいけない

命を救ってくれたスネークアイズを信頼し、トミーは日本にある自分の家に招き入れます。従者のアキコ(演:安部春香)や、トミーの祖母であり現頭領のセン(演:石田えり)に怒られたりなんやかんやありつつも、スネークアイズは嵐影一族のニンジャとなるべく、修行に励んでいく…というのがあらすじ。

 

まず、上記の通り本作の主な舞台はTOKYOなのですが、海外の人が考える日本の風景=コレジャナイジャパンが炸裂しまくっていて最高でした。
辺り一面何もない、遠くに富士山っぽい山だけが見える空港に降り立って「TOKYO」って出てきて…ってこんな場所東京にねぇし!

その後、車に乗り込み、さながら東京観光のように各所を通り過ぎていきます。
新宿。うん、わかる。
秋葉原。わかる。
浅草。わかるわかる。
渋谷。あーはいはい。
巨大なお城。…いやどこやねんココ!(※大阪の岸和田城らしい)
最初皇居かと思いましたわ。なぜかお城の周辺もそこだけタイムスリップしたような城下町だし。

まさか本当の舞台は“東京”ではなく“凍狂”だったのか…?

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突吉こむ平が降り立った地…それが凍狂。

パシフィック・リム:アップライジング』でも最終決戦の舞台が東京でしたが、高円寺と書かれた場所から、巨大ロボとはいえ数歩歩いただけでお台場のユニコーンガンダム立像があって、更にそこから目と鼻の先に富士山があるという、ああいう「頑張って再現しようとしてるけどなんか違う日本の風景」、大好きなんですよね。富士山を出せばとりあえず日本っぽくなると考えてるとこも、オイラは好きダゼ。

中盤以降も、アメリカ映画で日本が出てくるときにありがちなネオンが輝きまくってる夜の街(もちろん光を更に強調するために雨が降ってる)や、デカデカと壁に「熱」と書かれたやたらだだっ広い銭湯など、珍妙な景色がたくさん見られてとても楽しかったです。

 

ストーリーは…まぁそれなりに面白かったのではないでしょうか。
主人公が実は敵側についていて、嵐影一族に伝わる「太陽の石」のありかを探るために潜入していた…という展開はちょっと驚きました。しかしニンジャの家のくせに警備がザル過ぎなのには笑いました。

本作の大部分が「3つの試練」とかいうスネークアイズの修行シーンなのですが、まぁ楽しかったけど、求めてたのはコレじゃないんだよなぁ…と思ってしまいました。いかんせん地味だったので、終盤のワチャワチャとしたバトルを全編で見たかったなぁ、という思い。あと肝心のアクションシーンも、スタントを多用しているのかなんかアップの画が多くて、ちょっと見辛さを感じてしまいました。ただそれは僕が夜勤明けの疲れ切った目で見たせいってだけかもしれない。

嵐影の指導者としてハードマスター(演:イコ・ウワイス)とブラインドマスター(演:ピーター・メンサー)という人達が出てくるのですが、せっかくイコ・ウワイス出てくるならもっとアクション見たかったなぁ。てかスネークアイズ役イコ・ウワイスで良かったんじゃ…。いやでもそうすると最初から強すぎるからダメか。ピーター・メンサーは、ものすごく黒光っておりました。盲目キャラも、厨二心をくすぐられて良かったです。

また、G.I.ジョーという地球防衛軍的な組織のエージェントであるスカーレット/シャナ・オハラ少佐(演:サマラ・ウィーヴィング)と、敵組織であるコブラバロネス/アナ・ディコブレイ(演:ウルスラ・コルベロ)という2人の女性が出てきますが、続編作る気満々なのか、タイトルにもなっているG.I.ジョーや、メインヴィランともいえるコブラがほとんど出てこなかったのはちょっと不満。利害が一致したらさらっと手を組むとこは無駄が無くて良かったですけど。バロネス役の人は「BEYONETTA」というゲームの主人公ベヨ姉さんにそっくりだったので、もし実写化されるときはこの人にやってほしい(という至極無駄な文章)。

公式の煽り文句、「未曽有の忍者テロ」や「忍者大戦」は、そんなものなかったような。起こっていたのはせいぜい大きめの家族喧嘩。てか「忍者テロ」ってなんじゃそのパワーワードは…。そんな言葉ねぇわ(笑)
最終決戦で、ケンタが羽織袴来て「この紋所が目に入らぬか~!」って感じで太陽の石を見せびらかして相手を倒すところ、絵面がめっちゃ面白くて心の中で爆笑してました。
あとラスト、感情に任せて太陽の石を使ってしまったトミーが(しかも逃げられる)、「そんな奴に一族を継ぐ資格は無い」とか言われてブチ切れて散々コケにしてたケンタと全く同じ道に走るの、ウケるwと思いながら見てました。スネークアイズのオリジンであると同時に、実はライバルであるストームシャドーのオリジンでもあった、というのは良かったです。でも“ストームシャドー”って、“嵐影”をまんま英語にしただけじゃんwwwてな感じで、やっぱり笑いどころには事欠かないのでした。

最後はトミーを連れ戻すために、ポスターとかに出ている超カッコいい衣装に身を包んだスネークアイズがバイクで走り去って、映画は終わります。あの衣装はここでしか出てこないので、これはもはやポスター詐欺。これも続編で活躍させる気なんでしょうが、出し惜しみは良くないと思います。続編の企画は既に進行中らしいですが、本作は興行的に大失敗しているらしいので、下手すりゃ企画立ち消えになってしまうのでは…。
とまぁ色々言ってますが思いのほか楽しめたので、個人的には続編あるといいなぁとは思っています。

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書くことないと思ってたけど、意外と長くなってしまいました。
始めの方で言ったとおり、何も考えずに楽しめる娯楽作となっておりますので、午後ローとかでやってたら見てみてはいかがでしょうか。ツッコミ入れながら見るのも楽しいですよ。

ということで、映画『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』の感想でした。

ではまた。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』感想(ネタバレ)

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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Dune(デューン)」の原作は、1965年に第1作が出版されたSF小説シリーズ。SFというジャンルの古典的名作であり、『スターウォーズ』等の多大な作品に影響を与えたとされる歴史的な作品との事です。ちなみに僕は読んだことないです。
個人的に『るろ剣』と肩を並べるほど大好きな漫画『トライガン』も、この作品の影響受けまくってるなーと(本作を見た後に)思いました。砂だらけの惑星が舞台とか、砂虫(サンドワーム)とか。

これまで映像化の企画は何度も上がっていたそうですが、あまりにも壮大な物語の為に制作は頓挫の連続。中でも『エル・トポ』で知られるアレハンドロ・ホドロフスキー監督の話は有名なようで、制作中止までの顛末をまとめた『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリー映画が公開されるほど。僕はずっと見たいと思いつつもまだ見れてない…。
1984年にデイヴィッド・リンチ監督の下でようやく映画化されたそうですが、ファンを満足させるには至らなかったようで…。僕はずっと見たいと(ry
また、2000年代初頭にはTVドラマシリーズも放映されていたんだとか。これは知らなかった。

そんな映像化のハードルが異常に高いこの作品。このたび再度映画化と相成りました。
監督は『メッセージ』や『ブレードランナー2049』等で知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ブレードランナー』も相当ハードルの高い作品でしたが、それをちゃんと超えてくる手腕を魅せてくれた監督なので、本作にも非常に期待しておりました。言うて僕は「Dune」にこれまで触れてきていないので、原作の偉大さや過去作と比べてどうとかは言えないんですけどね…。

 

そんなに書くこともないので、さっさと感想に参ります。
見た後の率直な感想は、以下インスタに投稿した通り。

 
 
 
 
 
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A post shared by ブラックさん (@blackson3110)

よくわからんってのは半分冗談です…。
でも、専門用語が結構あるので、理解の追い付かないところがいくつかあったのは事実。あとはまだ明らかになっていないこともたくさんありそうなので、続きを早く見せろー!という気分になりました。


そーいや最初に「DUNE Part.1」って出てきて「あ、まだ終わらないんだ…」と初めて知りました。2部作の予定で、もしかするとさらに続くかも、との事。

そういえば今作だけでは終わらないんですよね。3部作の予定だとか。「続くのかよ!」とちょっと思いました

映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』感想(ネタバレ) - GORGOM NO SHIWAZAKA

↑と同じパターン。
ネタバレを極力回避するために事前に情報を入れない弊害…。

あ、上映時間が『シンエヴァ』くらい長い(155分)ので、鑑賞の際は事前にお手洗いに行っておくことをおススメします。

 

舞台は西暦1万年以上の遥か未来。
AIの反乱だかで既存の文明は崩壊しており、人類は中世風の特異な精神世界を作り出していました。地球以外の惑星にも盛んに進出しており、惑星レベルの壮大な権力争いが繰り広げられている、そんな世界。

惑星カラダンを統治するアトレイデス家は、宇宙帝国より惑星アラキスの管理を命ぜられます。そこはデューンと呼ばれる砂の惑星で、なんかよくわからんけど宇宙で最も価値のある物質であるメランジというスパイスが採れる唯一の場所なのだとか。つまりこの星の管理を任されるという事は、宇宙で最も力を持つという事に等しい。当主のレト・アトレイデス公爵(演:オスカー・アイザック)は、何らかの陰謀を感じつつも、その命に従うのでした。

案の定、それは宇宙帝国の皇帝と前管理者のハルコンネン家の罠であり、アトレイデス家は皇帝直属の親衛隊、サーダカーの襲撃に遭います。レト公爵はウラディミール・ハルコンネン男爵(演:ステラン・スカルスガルド)と刺し違えようとするも、失敗。死亡してしまいます。
どうにか生き延びた息子のポール・アトレイデス(演:ティモシー・シャラメ)は、アラキスの原住民族であるフレメンに導かれ、巨大な陰謀と戦っていく…というのがあらすじ。

純粋に、全体的な雰囲気がとても良いと思いました。どこか神秘的というか、幻想的というか。ブレードランナーでも似たような感じだったので、監督の作風なのかなと思います。ゲームとかも『ICO』等の雰囲気重視の作品を好んでやったりするので、個人的にとても好みの作風でした。
ポールの母、レディ・ジェシ(演:レベッカ・ファーガソン)が過剰に怖がったりするところも、雰囲気の演出に一役買っていた気がします。基本はみんな英語で話をしてますが、ところどころよくわからない言語で話したり手話も使ったりするのも、うまく言えないですがなんというか壮大な感じを出していたように思いました。

ジェシカが所属してるベネ・ゲゼリットとかいう組織の事はイマイチよくわからなかったですが、ボスのガイウス・ヘレン・モヒアム(演:シャーロット・ランプリング)がポールを試すとこ、ただの箱に手を突っ込んで苦しんで外では母がガタガタ震えてるってだけで、まるでB級映画のようなチープさなのに、演技力と雰囲気で押し切っていてなんか面白かったです。ボイスの能力もただボイスチェンジャー使ってるだけなのに、雰囲気でそれっぽくなってて良かったです。雰囲気って大事。

アクションシーンで、シールドで攻撃を防いでるときは青く光って、シールドが破られて致命傷になるときとかには赤く光るのも、格闘ゲームみたいで良かったです。ガードしたときは青、ガード出来なかったときは赤、みたいな感じで視覚的にわかりやすかったです。

あと、ポールが未来のビジョンを見る場面が結構あるんですが、あんまりその通りにならないのが面白いなーと思いました。いくつもある可能性のひとつを見ているに過ぎず、その後の行動で都度変わっていってる、という事なんでしょうかね。まぁ、そのおかげで今起こってるのが予知したビジョンなのか現実なのか混乱するとこがあったような気もしますが…。スティルガー(演:ハビエル・バルデム)達と合流する前、死んだはずのダンカン・アイダホ(演:ジェイソン・モモア)がフレメンに混じってポール達を見ていた描写とか。

あとはもう、キャスティングが完全に僕のツボを突いてきてるのが最高でした。ポー・ダメロンアクアマンサノスMJドラックスポルカドットマンなどなど、アメコミ映画に出ている俳優陣が多数出演していて、ヒーロー達のクロスオーバー作品を見ているのかと錯覚しそうになります。

シャン・チー』の時も同じような事言ってましたが、最後にポールがフレメンの戦士と決闘になり、どちらかが死ぬまで終わらない決まりだと聞かされた際、ちゃんと相手を殺すところも好感を持ちました。

殺せなくて父に顔向けできなくて家に帰らなかったのではなく、手を汚してしまって母に顔向けできなくて家に戻れなかったのでした。優しい人間には違いないけど、完全無欠のヒーローではないところをうまく表しているというか、キャラクター作りに誠実というか。

映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』感想(ネタバレ) - GORGOM NO SHIWAZAKA

ここで「どうして殺しあわなきゃならないんだぁぁ!僕は殺したくなんてないのにぃぃぃ!」とかどっかのスーパーコーディネーターみたいに言われても興醒めするだけですしね。

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僕の嫌いな主人公ナンバーワン。

本作の場合は、人を殺したことが無いのにこういった場面で冷静に判断を下せる能力の高さとか、メンタルの強さとかをうまく表現しているなーと感じました。

ポールとジェシカ、あとはフレメンの人達以外ほとんど死亡している中、今後どうなっていくのか。原作を読んでいないので全くわからないですが、むしろ知らない方が楽しみが膨らんでワクワクするので今後も読まないぞ(ただ小説読むのが苦手なだけ)。
2023年にPart.2が公開予定との事で、今から非常に楽しみです。

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ということで、映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の感想でした。

ではまた。

映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』感想(ネタバレ)

映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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スパイ映画の金字塔として、おそらく知らない人はいないであろう大人気シリーズ、007
テーマソングも、聞かない日は無いってくらいに有名ですよね。

007といえば、僕はニンテンドー64の『ゴールデン・アイ』にハマっていた世代。あえて銃を持たずにチョップで戦ってたりして、友達とワイワイ楽しんだ若かりし日々。その後も何作か友達とプレイして、そのたびに素手で相手を撲殺しておりました。
未だにそうなんですが、FPSで狙いをつけるのがどうにも苦手で、だったら近づいて直接殴った方が早い、というタイプ。なので流行りのバトロワ系も苦手。

かれこれ60年ほど続く長寿シリーズのため、その主人公、ジェームズ・ボンドを演じる俳優も幾度かの交代をしています。5代目ボンドを演じていたピアース・ブロスナンの引退を受けて、6代目ボンドとして大抜擢されたのが、ダニエル・クレイグ
確かキャスティングが発表された当初、「金髪のボンドなんてありえない!」といった声がすごかったように記憶しています。ただでさえ大役を演じるプレッシャーがあるのに、更にバッシングにも耐えなきゃならないなんて、さぞ大変だったことでしょう…。でも本作のパンフとか読むと、今は「歴代最高のボンド」みたいに言われているとか。手のひら返しがすげぇや…。
ダニエル・クレイグがボンドを演じた15年を振り返るドキュメンタリー『ジェームス・ボンドとして』では、キャスティングが発表された時の非難の声や、海から出てくるところをパパラッチされたたった1枚の写真で評価が一変した模様などが赤裸々に語られていて、こちらもすごく面白かったです。

そんなダニエル・クレイグ版ボンドも、早や15年。なんかずっとやめたいやめたい言ってたそうですが、遂に本作を以てジェームズ・ボンド役を引退することとなりました。出演作品数では初代のショーン・コネリーや3代目のロジャー・ムーアの方が多いけど、年数としては歴代最長記録っぽい。

恥ずかしながら僕はこれまで007の映画をほとんど見ていなかったので、とりあえずダニエル・クレイグのシリーズをアマプラで一気見してから本作に臨みました。『スカイフォール』に関しては前に飛行機の中で見た記憶がありますが、画面小さいし暗いしでほとんど内容が頭に入ってこなかったので、改めて見直した形。

全体的な感想としては、007ってルパンみたいなひとつひとつの作品のつながりが緩いシリーズかと勝手に思っていたのですが、ダニエル・クレイグ版は完全に地続きになっていて驚きました。あと、必ずボンドガールとのロマンスがあるもんだと思っていたので、思ったよりベッドシーンが少なかった印象。特に『慰めの報酬』では、元カノをゴリゴリに引きずっていたとはいえカミーユと一切そういう関係にならなくてちょっとビックリしました。まぁボスの嫁をNTRしてたりしたけど。
そういや『カジノ・ロワイヤル』で「君は独身だから僕のタイプじゃない」みたいなこと言っていましたが、その後の作品でも(情報収集が主な目的とはいえ)やたら人妻とヤリまくってたので、あの発言マジだったのか…と思いました。

確かピアース・ブロスナン版のを過去に何作かTVで見たような気がしますが、なんとなくボンドカーカッコよかったーとか、スパイのくせに常に女性とイチャついてるなーくらいの印象しかなく、どんな話だったのか全く覚えていないので、シリーズ全体としてどうとかは何も言えないんですが、少なくともダニエル・クレイグ版007に関しては、いい意味で奇をてらわず、しっかりといい映画を作ってやろうという気概を感じました。あとこれもシリーズの伝統なのかわかりませんが、ちゃんとオープニングがあるのがなんかいいなと思いました。しかも本作でオープニングテーマを歌うのは世界的歌手のビリー・アイリッシュ。なんとも豪華な顔ぶれとなっております。

 

本作は過去のダニエル・クレイグ作品に出てきた人物名やイベントが話の中にちょいちょい挟まれるので、その辺がわかるようにものすごいざっくりと過去作のおさらいをしていきたいと思います。

007 カジノ・ロワイヤル』 2006年公開
ボンドが007になって初めての任務を描いた作品。
ル・シッフル(演:マッツ・ミケルセン)とカジノでポーカー対決したり金玉を殴られたりする。監視役の金融活動部(FATF)職員、ヴェスパー・リンド(演:エヴァ・グリーン)と本気で愛し合うも、ミスター・ホワイト(演:イェスパー・クリステンセン)に利用されていた彼女は最終的に裏切ってしまう。しかし最期は罪の意識からか、助けようとするボンドの手を放し、水死。ボンドの心に深い傷を残す。ラストはミスター・ホワイトの居場所を掴んで襲撃するところで映画は終わるのでした。

007 慰めの報酬』 2008年公開
前作『カジノ・ロワイヤル』の直後から始まります。
ミスター・ホワイトを連行するも、まんまと逃げられる。手がかりを追っていると、ドミニク・グリーン(演:マチュー・アマルリック)という男に辿り着く。表の顔は実業家だが、裏の顔はクアンタムという組織の幹部であり、ボリビアメドラーノ将軍(演:ホアキン・コシオ)のクーデターを支援しようとしていた。メドラーノに家族をなぶり殺しにされたカミーユ(演:オルガ・キュリレンコ)と共に、奴らのアジトをぶっ潰したボンド。ラストはヴェスパーを罠にハメた元恋人の男をギャフンと言わせて映画は終わってました。

007 スカイフォール』 2012年公開
列車の上で敵と格闘するボンド。新人エージェントのイヴマネーペニー(演:ナオミ・ハリス)が放った銃弾がボンドに当たってしまい、橋の上から落下。しかし流れ着いた海辺にいた女性とヤッたりしながら生きていた。MI6本部が爆破されたというニュースを見て、エージェントに復帰。新任の兵器開発課長、Q(演:ベン・ウィショー)と協力しながら、色々あって首謀者が元MI6エージェントのラウル・シルヴァ(演:ハビエル・バルデム)だと突き止める。シルヴァの彼女?っぽいセヴリン(演:ベレニス・マーロウ)とヤッたり殺られたりしながら、最後はボンドが幼少期を過ごしたスカイフォールという施設にて、MI6のボスであるM(演:ジュディ・デンチ)と共にシルヴァを迎撃、殺害。しかし、ボンドが母のように慕っていたMも銃弾を受けて死亡する、という衝撃的な展開で幕を閉じます。

007 スペクター』 2015年公開
好き勝手に暴れ回るボンドは、新たにMとなったギャレス・マロリー(演:レイフ・ファインズ)によって無期限の任務停止を言い渡される。しかし言う事を聞かないボンドは、これまで自分が対峙してきた敵はすべてスペクターという組織が裏で手を引いており(『慰めの報酬』に出てきたクアンタムはスペクターの下部組織)、そのボスがボンドの義理の兄であるフランツ・オーベルハウザー、またの名をエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(演:クリストフ・ヴァルツ)であることを突き止める。
ミスター・ホワイトの娘であるマドレーヌ・スワン(演:レア・セドゥ)と協力しながらアジトを爆破。前作で爆破されたMI6本部の跡地にマドレーヌが幽閉されたりなんやかんやありつつも、最後は追い詰めたブロフェルドに敢えてとどめを刺さずにMI6へ引き渡し、マドレーヌと共にロンドンの町へ消えていくボンドでした。

とまぁ、思ったより長くなってしまったけど、こんな感じでした。
どれもクールでスタイリッシュなスパイアクションで、非常に楽しめました。

 

余談ですが、以下の通り、いつの時代だよって感じのやらかしをしてしまいました。。

2回見ても楽しかったのでよかったんですが、時間とお金を無駄にしてしまった感。
昔から遅刻癖があるんですが、どうにも治らないなぁ…。気をつけねば。

 

はい、前置きが非常に長くなりましたが、本作の感想に参りたいと思います。
幾度かの延期を経てようやく公開された本作。これまでのダニエル・クレイグ作品の中ではハチャメチャ度が最も高いですが、裏を返すと興奮度も最も高い作品になっていると感じました。

 

始まりは、少し過去の話から。マドレーヌの過去が少し明かされます。
能面を被った謎の男、銃で撃たれて絶命したかと思いきや息を吹き返すさま、氷に塞がれて湖から出られなくなるなど、ホラー感が強くてやたらと怖いシーンの連続でした。マドレーヌのトラウマをうまく表現しているということでしょうか。

舞台は現代へ戻り、イタリア、マテーラのシーン。
ヴェスパーのお墓参りをするボンドですが、いきなりお墓が大爆発。率直に、お墓を爆破するなんてなんと罰当たりな…と思いました。こういうこと思うの日本人だけなんでしょうか?
それと、この場面で予告編で印象的だった橋から飛び降りるとこ、バイクで大ジャンプするとこ、ボンドカーの機関銃掃射などが見れます。見応え抜群でテンション爆上がりです。でも、マドレーヌの裏切りを疑ったボンドは彼女と別れちゃうのでテンション急降下。別れ際に意味ありげにお腹に手を当てるマドレーヌ。この意味は後半わかります(いやもう大体わかるけど)。

そこからいきなり5年後に飛び、ジャマイカで悠々自適な生活を送っていたボンド。僕もこんな朝から晩まで酒飲んで、昼はのんびり釣りしたり夜はクラブではしゃいだりする生活を送りたい。
そこへ、『カジノ・ロワイヤル』等で登場したCIA捜査官のフィリックス・ライター(演:ジェフリー・ライト)と、こちらは初登場のアメリ国防省ローガン・アッシュ(演:ビリー・マグヌッセン)が接触してきて、誘拐されたというロシアの細菌学者ヴァルド・オブルチェフ(演:デヴィッド・デンシック)を救出するのを手伝ってほしいと依頼してきます。フィリックス、とてもいいキャラだったのでまた出てくれてうれしい。でも死んじゃう。悲しい。あとアッシュという名前、これまでの敵キャラはホワイト、グリーン、シルヴァなど、名前に色が入っている奴が多かったのでもしや…と思ったらやっぱりそうだった。
ほどなくして、MI6のエージェントであるノーミ(演:ラシャーナ・リンチ)も接触してきます。要件はフィリックス達と同じ。でもCIAとMI6は協力関係にはないらしい。しかも彼女は現007だとか。「ただの数字だ」とか言いつつもなんか気にくわないボンドはCIAに協力することに。ノーミ、予告編見た限りでは事あるごとにドヤってて気色悪いな、と思ってたのですが、本編見たらボンドに対して見栄張ってただけだったので、かわいいヤツやん…と思いました。

キューバへ移動したボンドは、CIAのパロマ(演:アナ・デ・アルマス)という女性と合流。このパロマがとにかく滅茶苦茶かわいかったです。緊張して合言葉忘れちゃったり、「この日の為に3ヵ月訓練したのよ!」とニコニコ顔で話したり、緊張を紛らすためにカクテルを一気飲みしたり、なんやねん、かわいすぎか…となりました。それでいて「本当に(訓練期間)3ヵ月?」と言われるほど戦うと強いというね。最高かよ…。出番がここだけだったので、もっと活躍してほしかった。

スペクターの幹部たちが集まるパーティにて明らかになる細菌兵器、ヘラクレスの存在。コレによって手っ取り早くスペクターの幹部がブロフェルド以外全員死亡。正体はなかなかのトンデモ兵器でしたが、ウィルス的なものを扱うというのはなんというか時流に乗ってるなーと感じます。
ヘラクレスの開発者であるオブルチェフの身柄をCIAが確保することに成功しますが、アッシュの裏切りもあり結局逃げられ、さらにフィリックスが銃で撃たれ死亡。おのれアッシュめコンチクショウ。

お次はロンドン。
マドレーヌと再会してもどかしい感じになってる二人がなんだが微笑ましかったです。そして拘留中のブロフェルドと面会し、「マドレーヌは全然悪いことしとらんのやで。全部オレの仕業やで」と教えてもらう。あれ?コイツいい奴だったっけ?と一瞬錯覚しました。結局はブロフェルドもヘラクレスに感染して死亡。重要キャラがどんどん退場していくところも、物語が収束していく感じがしますね。
しっかしまぁ、今回事態を悪化させているのがことごとくMI6なのが笑えます。CIAと協力しないのは国際的な色々があると思うので仕方ないにしても、「ヘラクレス計画」はそもそも、犯罪者だけを確実に殺すことが出来る夢のシステムとしてMが進めていたもの。悪用される危険性とか考えなかったのか…。また、ブロフェルドは牢屋の中でも幹部の義眼を通して余裕で外とコンタクトを取れており、身体検査とかやってるのか?と疑ってしまいます。しまいにはまんまと死なせちゃうし…。管理体制がずさんにもほどがある。
Mがヘラクレス計画に関与していると知って裏切りを疑っていたボンドでしたが、ただアホなだけだったことがわかり、MI6へ戻ることに。ボンドを00エージェントに復帰させるとなったときにノーミが「00…何?」って何回も聞いてたのがすごい面白かったです。めっちゃ意識してるやん。

続いて、舞台はノルウェーへ。
マドレーヌが現在暮らしている家を訪れるボンド。そこには、彼女の娘マチルド(演:リサ=ドラ・ソネット)もいました。この子もまぁーかわいい。天使。
「え、まさか僕の…?」と驚くボンドに「あなたの子じゃない」とすぐさま否定するマドレーヌ。「いやでも、目青いけど?」「でもあなたの子じゃないの」と頑なに否定されます。真偽は結局最後まで明言はされませんでしたが、ボンドの弱点にしたくなかった、ということでしょう。これ以上の詮索は野暮ってもんですぜ。
ここで、ボンドとマドレーヌは無事に和解。本当ならイタリアで語るはずだった彼女の過去について全て明かされます。

今回の黒幕は、リューツィファー・サフィン(演:ラミ・マレック)という男。オブルチェフやアッシュを裏で操っている人物であり、マドレーヌの母を殺した能面の男でもあります。スペクターのメンバーだったホワイトに家族を殺された過去があり、それゆえにスペクターに関わっている人間全員絶対殺すマンになっていました。しかしなぜかマドレーヌだけは別。湖に落ちたところを助けて以来、よくわからない愛着の様なものを持っている様子。
マドレーヌを狙ってアッシュたちが家に向かってきていることを知らされ、霧の深い森に誘い込んで罠にハメまくるボンド。アッシュの車も盛大にひっくり返り、動けなくなって「助けてくれよ、フレンド」と胡散臭い笑顔で言うアッシュに、「僕の友達は、フィリックス・ライターだ」と言い捨てて車の下敷きにして殺害。溜飲が下がるとはまさにこの事。しかし、結局マドレーヌとマチルドは連れ去られてしまいます。

最終決戦の舞台は、とある島。
明確な言及は無いけど、場所は北方領土のどこかっぽい。元々ロシアだかの軍事基地だったのを、サフィンヘラクレスを培養する工場として使っている。日本庭園っぽい毒草の庭とか、畳敷いてたりとか、サフィンちゃんちゃんこみたいな服着てたりとか、和の要素がそこかしこにあって面白かったです。

ボンドはノーミと協力して、オブルチェフをぶん殴ったり爆薬を仕掛けたりするも、大量に培養されているヘラクレスを消し飛ばすには量が足りない。そこで、ボンドはMに潜水艦からミサイルで島を吹っ飛ばすように依頼。んな事したら国際的な大問題なので、最初は「無理に決まっとるやろ」って感じだったMも、最後は「ええぃもうどうにでもなれ」って感じでミサイルを発射。この後Mはどうするんすかね…クビでは済まされない気が…。
サフィンは最後の仕返しとばかりに、マドレーヌとその血族=マチルドだけに効くヘラクレスをボンドへ感染させる。これでは彼女に触れただけで命を奪ってしまう。しかもサフィンに撃たれて満足に動けず、脱出も間に合わなそう。きっちりとサフィンにとどめを刺した後、ボンドは屋上へ上がり、最期はマドレーヌと無線で話をしながら、ミサイルの爆撃によって死亡するのでした…。
ラスト、マチルドという“希望”を残してくれたことに感謝するボンド。「でも、青い目よ」と言うマドレーヌに対し、原語では「I know...I know.(わかってる…わかってるよ)」と言っているのですが、字幕では「わかってる…僕の目だ」となっていて、もしかすると蛇足と捉える人がいるかもしれませんが、僕はこの意訳すごくいいな、と思いました。上で書いた通り2回見たんですが、2回ともすごく感動しました。

エピローグではM達MI6の面々がボンドに献杯を捧げ、マドレーヌはマチルドと共にボンドカーに乗って走り去って、映画は終わるのでした。

 

ダニエル・クレイグの有終の美に相応しい、壮大でとても良い映画だったと思います。あんなに明確に死なせないと引退させられないのかとちょっと思ったけど、感動したのでヨシ。最初は非難轟々だった金髪碧眼を最後は讃えるようなラストになっているのもグッときました。エンドロール後「ジェームス・ボンドは帰ってくる」の文字が出てきて、次のボンド役は誰になるのかも大いに期待させる終わり方となっておりました。

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ダニエル・クレイグ、本当にお疲れさまでした。

非常に長い&読みづらい文章で申し訳ありません。もっと伝えたい事を端的に文章化出来るよう精進します…。

 

ということで、映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の感想でした。

ではまた。

映画『レミニセンス』感想(ネタバレ)

映画『レミニセンス』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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ダークナイト』3部作や『インセプション』『TENNET』などで知られるクリストファー・ノーランの弟であり、ノーラン監督作の脚本を多く手掛けるジョナサン・ノーランが製作に携わっている本作。
クリストファー・ノーラン監督作はかなり好きでよく見ていて、中でも特に好きな『メメント』(2000)の脚本を書いていたのがジョナサン氏ということで、そんな彼が製作に携わる本作は公開前から期待しておりました。『メメント』、ほんとすごい脚本なのでぜひ見てほしいです。

そんな本作の脚本および監督は、本作で長編映画監督デビューとなるリサ・ジョイ。大ヒットドラマ『エストワールド』を手掛けた人物であり、ジョナサン・ノーランの妻でもあるそうです。『ウエストワールド』、ずっと見たいとは思っているんだけど、海外ドラマって何シーズンもあって長いのでなかなか手が出せずにいる…。

 

公開初日に見に行ったのに、『シャン・チー』の記事を書いてたらあれよあれよと時間が経ってしまい、今に至ります。

 
 
 
 
 
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あまり書くこともないので、ものすごく簡単に感想を書いていきたいと思います。

 

舞台は近未来のアメリカ、マイアミ
地球温暖化の影響で海面が上昇し、世界中の都市が水没している世界。人々は堤防を作ってどうにか居住区を確保していました。また、富裕層の人達は更に巨大な堤防を作ってその中で優雅に暮らし、その周りに住む一般の人達は、巨大な堤防に押し返された海水に飲み込まれる恐怖に耐えながら暮らしています。そんな人々は未来への希望を見出すことが出来ず、過去の幸せだった頃の記憶を見ることが唯一の娯楽となっていました。

本作の主人公、ニック・バニスター(演:ヒュー・ジャックマン)は、軍にいたときに尋問で使用していた装置を応用し、クライアントの記憶に潜入(レミニセンス)して、過去の記憶を追体験させる仕事をしていました。
ある日、閉店直後に一人の女性が訪ねてきます。メイ(演:レベッカ・ファーガソン)と名乗るその女性の依頼は、家の鍵探し。彼女の記憶へ潜入し、鍵はすぐに見つかりますが、ニックはクラブで歌う記憶の中の彼女の姿にすっかり魅了されてしまうのでした。忘れたイヤリングを届けに行く名目で、彼女が働くクラブを訪れるニック。その後も交流を深め、親密な関係となっていくのですが…。

装置の中で目を覚ますニック。これまでの話は全て彼の記憶の中の出来事でした。メイは現在行方不明となっており、ニックは彼女の手掛かりを掴むために何度も自身の記憶を探っていました。

メイの行方を捜していくうち、知られざる彼女の人間性とその目的が明らかになっていく…というのが本作のあらすじ。

 

鑑賞後率直に思ったのが、インスタでも書いてますが思ったよりシンプルな話だったな、と。
ノーラン的な小難しい雰囲気を醸し出しているけど、結局のところ「行方不明の彼女を捜す」、それ以上でも以下でもないですもんね。彼女がニックに近づいた目的とか、そこに隠された陰謀的なのとかありましたけど、ニックはひたすらにメイを捜してるだけですし。
シンプルなのが悪いというわけではないです。むしろゴチャゴチャしているよりよっぽどいいと思っています。

また、海面上昇により都市が海に沈んでいるとか、昼間は暑すぎるから夜に活動するとか、移動は主に船だとか、貧富の格差が激しくなっていて一般市民は暴動を起こしかけてるとか、設定 しっかりしているな、と思いました。そのおかげで、「人々が未来に希望を見出せず、過去の記憶にすがるしかなくなっている」というのにも説得力を感じました。

ただ、それが映画としての面白さに繋がっているかというと、ちょっと首をかしげてしまうかなぁ。終始地味な展開が続き、見せ場的な場面がないまま終わると言いますか。もうちょっとスペクタクルな場面があってもよかったのでは、という思い。記憶に潜入する装置以外にSF的要素を感じなかったのも、残念なところ。

あ、でも、同じ記憶を何度も見続けることで記憶と現実の区別がつかなくなる“燃焼<バーン>”という状態に陥った、大富豪の奥さんの廃人っぷりが不気味でゾッとしました。

あと、「装置の中で彼女との思い出に浸りながら生涯を終える」というニックの最期も、物悲しくてよかったんですが、アシスタントのワッツ(演:タンディ・ニュートン)がおばあちゃんになってもまだ生きてるってのにはちょっと疑問を感じました。恐らく何十年も経っていると思うのですが、飲まず食わずでどうやって生きているのだろう…。もしかして装置の中の液体はフリーザ様の宇宙船の回復ポッドみたいなヤツなのだろうか…。

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これ。1回入ってみたい。

よく考えられた設定とか、海に沈んだ大都市のビジュアルとか、良い点もあるんだけど、いかんせん全体的に地味で盛り上がりに欠ける、というのが僕の全体的な感想。とはいえ、そうした地味目な映画も嫌いではないんですけどね。

重厚なSF映画を期待して見ると肩透かしを食らうかもしれませんが、ピュアなラブロマンスとして見れば楽しめるかもしれません。まぁ、ゴリゴリのSF映画である『インターステラー』の脚本も書いてるジョナサン氏が製作の映画でSFを期待するな、ってのもどうかと思いますが…。

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ということで、映画『レミニセンス』の感想でした。

ではまた。

映画『シャン・チー テン・リングスの伝説』感想(ネタバレ)

映画『シャン・チー  テン・リングスの伝説』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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マーベルコミックを原作とした複数の実写映画を同一の世界観で描くクロスオーバー作品群、それが『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』。
アベンジャーズ/エンドゲーム』にて大ボス、サノスを倒し、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をエピローグとしてフェーズ3が一区切りし、フェーズ4へ突入しました。

そのフェーズ4の劇場公開第1弾が『ブラック・ウィドウ』で、第2弾が本作、『シャン・チー  テン・リングスの伝説』となります。Disney+のドラマ含むこれまでのフェーズ4の作品は、既存のキャラの掘り下げや、新しい展開への種蒔きみたいな感じでした。『ブラック・ウィドウ』も一見さんに比較的優しい作品ではありましたが、MCU初期からいるキャラだし、時系列的にも過去作とのつながりが深い作品でした。
しかし本作はMCUとしては完全新規のヒーローなので、過去作とのつながりはほぼ無し。なので、見る前にコレ見といたほうがいい、通称“MCUラソン”も本作には不要。強いて言うなら『アイアンマン』1~3を見ておくとより楽しめる程度。なんだかいよいよ本格的に次のフェーズが始まってきたぞ、という感じがしてワクワクしますね。
この作品を機に、MCUデビューしてみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに『ブラック・ウィドウ』に関しては以下にて感想を記しておりますので、良かったら読んでみてください。

blacksun.hateblo.jp

既に至る所で言われていますが、本作のすごいところは、ハリウッドの超大作映画でアジア系俳優を主役に起用している点。
これまでMCU作品に登場したアジア系といえば、メインキャラだとドクターストレンジの兄弟子であるウォンくらいしかいません。20作品を超える映画を公開していてコレなんですから、アジア人がハリウッド進出するために越えるべき壁はまだまだ高いんだなぁ…という気分にもなります。

しかし、それももう過去の話。
本作では、シャン・チー役に大抜擢されたアジア系カナダ人のシム・リウのほか、香港映画界では大スターであるトニー・レオンミシェル・ヨーなど、アジア系俳優が多く出演しています。具体的にどこがどうすごいとか細かいところは僕には知識が全然ないので書きません(書けません)が、とりあえず同じアジア系人種として大変喜ばしいというか、誇らしいというか。
メインビジュアルが解禁されたとき、なんかシャン・チーの見た目が地味ということで、公開前から見ない宣言してる人がちらほらいたらしいですが、僕は見た目とかどうでもよくて、MCUのスーパーヒーローアクションとアジアン映画のカンフーアクションが融合することでどんな化学反応を起こすのか、楽しみで仕方ありませんでした。

見て率直に感じたことは、序盤~中盤はカンフー映画の良さが色濃く出ていて、後半はスーパーヒーロー映画らしい感じになってたなーと。見た目がどうとかで見ないのは非常にもったいない作品であることは間違いないです。

 

さて、本編の感想に入りますかね。

本作のあらすじは、家を飛び出してアメリカで楽しくやっていた主人公が、裏社会の犯罪組織のボスである父親がヤバいことをしようとしていると知り、それを止めるためにがんばる。というもの。

僕もストーリー丸ごと文字に起こさずに感想だけ書けるようにがんばる。

 

序盤。
場所はアメリカ、サンフランシスコ。
ショーン(演:シム・リウ)という名の青年は、ホテルマンとして働きながら、同僚であり親友のケイティ(演:オークワフィナ)と、仕事終わりに飲みに行ったり朝までカラオケで騒いだりと、楽しい生活を送っていました。

ある日、バスに乗って出勤していると、レーザー・フィスト(演:ロリアンムンテアヌ)ら見知らぬ男たちから「首にかけてるペンダントをよこせ」と言われ、襲われます。ショーンは、そんな暴漢たちを見事なカンフーで撃退。喧嘩も出来ない優しい人物だと思っていたケイティを驚かせます。

このバス内での格闘シーン、ジャッキー・チェンを彷彿とさせる大変見応えのあるバトルでした。狭い車内をスルスルと移動しながら、車内の小物を活用したりしてちょいちょいコミカルなシーンも挟んでくるとことか、モロですよね。ガッチリとこちらの心を鷲掴みにする非常に楽しいバトルでした。予告編とかでよく流れるポーズ決めるとこもメチャクチャカッコいい。日本の特撮に慣れ親しんでいる身としては、ああいう見栄を切るシーンがテンション上がるんですよ。「○○レッド!(ドカーン!)」みたいな。

あと、何と言ってもショーン(シャン・チー)とケイティのキャラクターがいい。2人とも何不自由ない暮らしというわけではないけれど、性格も明るくて、とても楽しく毎日を送っているのが伝わってきて、羨ましいなぁ…と思いました(意味深)。特にケイティは底抜けに明るくて存在感抜群でした。こういうキャラが作品内に一人でもいると、作品全体の空気も明るくなって良いですね。2人は男女だけど恋愛感情とかは一切なく、本当にただただ仲のいい親友、って感じだったのもよかった。別に恋人同士とかでも問題なかったと思うけど、それだとなんかありきたりになっちゃう気がしますし。

 

場所は変わり、中国、マカオ
行きの飛行機の中でショーンは自分の過去や、本当の名前はシャン・チーであることをケイティに明かします。
この移動の飛行機の中で話すっていうのが、なんか絶妙ですごい良かった。しっとりとしたバーで雰囲気たっぷりに話すとか、重要キャラに「実はお前は○○なのだ!(デデーン)」みたいな感じで明かされるのではなく、割とあっさりめな感じ。

ともあれ、妹を助けにマカオに来てみたら、妹のシャーリン(演:メンガー・チャン)は、刃牙の地下闘技場やらHUNTER×HUNTERの天空闘技場みたいな(ビルの上層階なので後者の方が近いかも)、ヤバ目の人達が金を賭けて戦い合うナイトクラブ「ゴールデン・ダガー」のオーナー兼最強のファイターとなっていました。しかも自分を置いていった兄シャン・チーに対して、恨み骨髄に徹すって感じでスゲー怒っています。

ここではMCUファンへのサービスが満載で、前述したウォン(演:ベネディクト・ウォン)と『インクレディブル・ハルク』のヴィランだったアボミネーション(声:ティム・ロス※クレジット無し)が戦っていてめっちゃ興奮したんですが、その他にも『ブラック・ウィドウ』に出てきたウィドウの一人や『アイアンマン3』に出てきたエクストリミスの被験者が戦ってたりしていたようで。なんか見たことある人いる気がするな…くらいの感じであまり気に留めていなかっただけに、後で知って驚きました。

ここでの見どころはやはり超高層ビルの側面で戦うシーン。ここもジャッキー映画とかの影響を色濃く受けているところですね。若干高所恐怖症気味の僕は心の中で「ひぃぃぃっ!」と叫びながら見ていました。

しばらく戦っていると、かつてシャン・チーの師だったデス・ディーラー(演:アンディ・リー)が登場。シャン・チーと激しいバトルを繰り広げます。まさに目にも止まらぬ超スピードでのアクションが最高。でも結局この人が何考えてるのか最後までイマイチわかりませんでした。喋んないし、死に様もめっちゃあっさりやられちゃうし。見た目は最高にカッコいいんですけどね。

そんなこんなで、最後はシャン・チー及びシャーリンの父親であり組織のボスであるシュー・ウェンウー(演:トニー・レオン)が登場し、3人はアジトへ拉致されます。

 

シュー・ウェンウー。
世界的犯罪組織「テン・リングス」のリーダー。組織名の由来でもある伝説の武器“テン・リングス”を所有し、世界の覇者となるべく、ひたすらに権力を追い求めている。
10個の腕輪からなる“テン・リングス”は彼に絶大なパワーと不老不死をもたらしており、1000年の時を生きているとされる。
彼には数多くの異名がある。“ウォーリアー・キング”、“マスター・カーン”、“世界一危険な男”、そして、“マンダリン”。

この「テン・リングス」という組織は、MCU1作目『アイアンマン』にてトニー・スタークを拉致した組織。また、マンダリンという名前は原作でもアイアンマンの最大のヴィランとして立ちはだかる存在ですし、『アイアンマン3』のメインヴィランでもあります(まぁ偽物でしたが)。
こんな風に、過去作を見なくても全く問題ないけど、見てると更に楽しむことが出来るつくりは本当に見事。

彼の武器であるテン・リングスは、原作では10個の指輪でしたが、映画では10本の腕輪にアレンジされています。2004年公開の『カンフーハッスル』に出てきた洪家鐵線拳(ほんけてっせんけん)の影響を受けているのだとか。こうしたアジア映画へのリスペクトを随所に感じられるところが素晴らしい。ロケットパンチのように飛ばしたり鞭のように振り回して矢を弾いたり、使い方も非常にカッコいい。

それにしても、トニー・レオンがカッコよすぎる…。激マブですよ…(年齢を感じさせるワード)
間違いなく悪者なんだけど、ただの純粋悪ではなく、優しさや家族への深い愛情も持ち合わせてるところがたまらない。その深い愛ゆえに、それを失ってしまったときに堕ちるとこまで堕ちてしまうという、『北斗の拳』のサウザーの愛を拒んでないバージョンみたいなキャラでしたね。

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「退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!」の人。

ウェンウーの目的は、妻でありシャン・チー及びシャーリンの母であるイン・リー(演:ファラ・チャン)が生まれ育った村へ行き、そこに閉じ込められているという彼女を助け出すこと。既に亡くなっているのは明らかなんだけど、ウェンウーは助けを求める声が聞こえてくると譲らない。深い悲しみを利用され、闇に心を囚われてしまっていたのでした。憂いを帯びたトニー・レオンの表情がたまらない。

その村への道は不思議な力で守られており、通常の方法では辿り着くことが出来ない。シャン・チーとシャーリンが幼いころに母にプレゼントされたペンダントを龍の像の目の部分にはめ込むことで、村へ行くための道筋が示される仕組み。ここの水がバシャ―!と出てきて道を示してくれるとこ、すごいきれいでよかったです。VFX万歳。

もし村の人たちが歓迎してくれないときはどうすると聞かれ、「その時は村ごと焼き払う」と答えるウェンウーに、反発するシャン・チー。なら仕方ないと、牢獄に閉じ込められてしまいます。牢獄の奥には、トレヴァー・スラッタリー(演:ベン・キングズレー)がいました。彼こそ、『アイアンマン3』でマンダリンを演じていた男。僕は見たい映画は出来る限り予告編も見ないようにして前情報を入れないようにしているので、出てくることを全く知らなくてビックリしました。
彼は友達としてモーリスという不思議な生き物(顔が無いのにめちゃくちゃ可愛い!)を連れており、この生き物が村への行き方を知っているというので、一行は脱獄してレーザー・フィストの車を奪って村へ向かいます。車体に自分の名前をデカデカと入れてたり、レーザー・フィストが意外とギャグキャラだとわかるナイスなシーン。

 

村へ行く道は不思議な竹林に守られているのですが、この意志を持っているかの如く動く竹林、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』だかの迷路のシーンを連想しました。植木が勝手に動いて道がどんどん変わっていくヤツ。
なぜかモーリスと正確に意思疎通できるトレヴァーの案内で、辿り着いた神秘の村、ター・ロー九尾麒麟鳳凰獅子など、東洋神話の生物がたくさんいて村人と共生している、不思議な村。これまでリアル寄りのカンフーアクション映画だったのが、ここに来て急にファンタジック満載な映画になりました。村人たちは最初はシャン・チー達を拒絶して追い返そうとしますが、イン・リーの姉、つまりシャン・チー達の伯母であるイン・ナン(演:ミシェル・ヨー)によって、温かく迎え入れられます。彼女はこの後来るウェンウーに対抗すべく、竜の鱗(ドラゴンスケイル)を使用した戦闘服を用意してくれたり、シャン・チーに修行をつけたりと、とても良くしてくれます。

イン・ナンの戦闘シーンはこの修行の場面くらいなんだけど、太極拳のような流麗な動きを見せてくれてとてもカッコよかったです。固く握りしめたシャン・チーの拳を開いて柔らかい構えにしてくれるところとか、目指すべき方向へ導いてくれているようでグッときました。

シャーリンも、これまでは武道を習うことを禁じられていたけど「ここではそんなこと言うやつは誰もいない」と言われ、元々得意武器だった縄鏢を極めるべく修行に励む。

(実はこれまでずっとついてきていた)ケイティも、村の住人であり弓の名手であるグアン・ボー(演:ユン・ワー)に、成り行きとはいえを教わることに。

個人的に村のシーンで一番良かったと思ったのは、シャン・チーがケイティに真実を告げるシーン。かつて父のもとで暗殺拳を叩きこまれていた時に、最初の任務として母を殺した犯人を探し出して仇をとれと言われ、家を出ます。その後、犯人を見つけ出すことは出来たものの、殺すことが出来なかったと言っていました。ですが、実はしっかり殺していたことをここで打ち明けます。殺せなくて父に顔向けできなくて家に帰らなかったのではなく、手を汚してしまって母に顔向けできなくて家に戻れなかったのでした。優しい人間には違いないけど、完全無欠のヒーローではないところをうまく表しているというか、キャラクター作りに誠実というか。短いけどすごく意味のあるシーンでした。
とまぁ、そんな感じでウェンウーが来るのに備えて準備を進めていきます。

 

ウェンウーたちテン・リングスの面々とのラストバトルは、さながらドラ○ンボールのようなド派手バトルでした。特にテン・リングスを自分のものにしてウェンウーにとどめを刺そうとするシャン・チー、完全にかめはめ波やんけ!と誰もが思うところ。そのあと「やっぱやーめた」とばかりにポイっと捨てるシャン・チーもなんかすごい良かった。いっそのこと龍拳爆発やってくれと思ったけど、さすがにそこまでは無かったですね。それに近しいとどめではあったけど。

このラストバトル、というか村に着いてからの展開、不思議とちょっと乗れない自分がいました。なんだろう、急にリアリティラインが下がったから荒唐無稽に感じたのかな。緑の巨人とか雷出す神様とかは特に何とも思わなかったんですけどね。自分でもよくわからない。。
あとデス・ディーラーとかグアンとかさらっと死んだのもなんだかなぁと思った感はあります。

ウェンウー、というかトニー・レオンはずっと最高でした。村についてまず妻に線香あげるとことか、最期は息子をかばってテン・リングスを託して逝くとことか、ずっと良かった。
テン・リングスがどうしてシャン・チーを選んだ(?)のかはイマイチわかりませんでしたが、今後明かされたりするのかな。

 

MCU恒例のエンドクレジット後のおまけは、ウォンが再び登場し、キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース(演:ブリ―・ラーソン)とハルク/ブルース・バナー(演:マーク・ラファロ)と共にテン・リングスについて話すシーン。ブルースが腕をケガしてたのはインフィニティ・ガントレットを使った後遺症なんだろうと思ったけど、ブルースの姿に戻ってたのが気になりました。ハルクと融合したのでは?…うーん、今後の展開が気になりますね。
最後はシャン・チーとケイティとウォンも交えて3人で『ホテル・カリフォルニア』を熱唱して、映画は終わってました。僕もピンチの時やクタクタな時に歌いたいと思いました(笑)

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書いたり消したりを繰り返してたらすっかり記事を上げるのが遅くなってしまった…。
非常に楽しい映画であることは間違いないので、まだやっている劇場があれば、ぜひ見てほしいです。

 

ということで、映画『シャン・チー  テン・リングスの伝説』の感想でした。

ではまた。

Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』感想(ネタバレ)

Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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仮面ライダーゼロワン』は、2019年~2020年に放送された仮面ライダーシリーズの1作。
元号が令和になってから初めてのライダーということで、通称“令和ライダー”の1作目という位置づけ。平成最期の怪物仮面ライダージオウの次ということもあり、ライダーファンからの注目度も高かったように思います。

そんなゼロワンのテーマは“AI”。飛電インテリジェンスという会社が開発した人型AIロボットヒューマギアが様々な分野で活躍している社会を描いています。
特に前半~中盤にかけて、これまで人間がやってきたことをヒューマギアが代わりにやることで社会にどんな影響を及ぼすのか、みたいなところを(ちょっとやりすぎなくらい)丁寧に描いていたように思います。よく非難の的になる“お仕事5番勝負”も、個人的にはそこまで悪いものでもないと思っています。平成1期の中だるみは有名ですし、2期でも仮面ライダーゴーストとかマジでいつまでガンマイザーと戦ってんだよと思いましたしおすし。
そして後半からはコロナ禍に見舞われ、撮影が思うように出来なくなってしまう事態に。それゆえに途中で総集編を挟むしかなくなり本編の話数が減ってしまったり、最強フォームである仮面ライダーゼロツーの活躍が極端に少なくなってしまったり、制作側はさぞ大変だったろうなぁと。
そんな中で、「人間もヒューマギアも共に進化していく」といった決着を割としっかり描き切っていたので、トータルでとても良い作品だったと思っています。

今では夏と冬に毎年やっている劇場版。
夏映画は仮面ライダーディケイド以降、TVシリーズが終盤のタイミングで公開されることから作品全体の総決算といった意味合いが強く、冬映画は過去作とのクロスオーバーを描く作風で割と定着しています。
しかしゼロワンに関しては、コロナ禍によって夏映画の公開は叶わず。代わりに冬映画の枠にて、TVシリーズの総決算的な作品である『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』が公開されました。
これが本当に素晴らしい出来で、ゼロワンが1年かけて描いてきたテーマを1時間ちょいに凝縮した脚本、スタイリッシュなアクション、熱すぎるクライマックスなど、これまでの鬱憤を吹き飛ばすかのような作品になっておりました。

 

ここで脱線タイム。

僕は仮面ライダー電王辺りまでは毎年劇場版を映画館で見ていたのですが、それ以降はTVシリーズだけでいいやみたいになっちゃって全然見てなかったんですよね。
ですが、『平成ジェネレーションズFINAL』で僕が平成2期でトップクラスに大好きな仮面ライダーオーズ仮面ライダーフォーゼが客演で出てくる(しかも当時人気絶頂な福士蒼汰ほか、出演するライダーは全員オリジナルキャスト!)ということで久々に映画館へ見に行き、それが大変素晴らしい作品だったこともあってまた熱が再燃し、以降の劇場版はほぼ映画館へ見に行ってる感じです。

これまで見てこなかった劇場版もアマプラとかで大体見た…はず。あ、でも最新作『スーパーヒーロー戦記』は見てない…。仮面ライダーセイバーを全然見てなかったもので…(つい先日ようやく全話一気見した)。

あと余談もいいところなんですが、仮面ライダーWは当時録画環境が無くて最初の3話辺りまでしか見れてないんですよね。なので、劇場版やVシネも未見。絶対に僕好みなのはわかっているので早く見なければ…。

出来れば僕が今日まで特撮を見続けるに至った経緯や個人的好きな仮面ライダーランキングとかも書きたいところですが、需要なぞあろうはずもないのでやめときます。

はい、脱線タイム終わり。

 

これも近年定番化してきたVシネマ
Vシネクス”という名でシリーズ化されており、主役以外のライダーにスポットを当てて、本編で描き切れなかったストーリーなどを映像化しています。劇場で期間限定で先行公開され、その少し後にDVDが発売される、というのが最近の風潮。
全作見ているわけではないですが、こちらに関しては一部のコアなマニア向けといった趣で、子供置いてけぼりなハードな展開があったりするのが特徴な気がします。『仮面ライダースペクター』とか…。

本作はゼロワンのVシネクストの1作で、先に公開された『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』の続編となります。というか『滅亡迅雷』が前編、本作が後編って感じですね。
『滅亡迅雷』ではTVシリーズにて敵として立ちはだかった“滅亡迅雷.net”のメンバー4人にスポットを当て、本作ではシリーズ通して活躍した“仮面ライダーバルカン”と“仮面ライダーバルキリー”を主役に据え、TVシリーズや劇場版の後日談を描いています。
前作『滅亡迅雷』は、劇場版でブチ上がったテンションをまたどん底まで突き落とすような話になっており、しかも終わり方もこれハッピーエンドは不可能なんじゃ…という展開を見せ、続きは『バルカン&バルキリーで!』てな感じで幕を閉じました。面白かったのは間違いないんですが、「続きを早よ見せろー!」という気分になりました。

 

そんなこんなで、本作。

ざっくりと、前作のあらすじという名の本作の導入。
かつて、“滅亡迅雷.net”としてヒューマギアの自由のために人類を滅ぼそうとしていた(演:砂川脩弥)、(演:中川大輔)、(演:山口大地)、(演:中山咲月)だったが、仮面ライダーゼロワン/飛電或人(演:高橋文哉)らとの闘いを通じて「人類全てが悪ではない」とラーニングし、以降は人類やヒューマギアの中に悪が芽生えないよう監視していた。

そんな中、ZAIAエンタープライズの社長であるリオン=アークランド(演:ジェイ・ウェスト)が、ソルドと呼ばれる兵士型ヒューマギアを兵器運用しようとしていることがわかる。ヒューマギアを道具として利用していることが許せない“滅亡迅雷.net”はソルドたちを解放しようとするも、リオンの策略によって再び人類の敵として仕立て上げられてしまう。

彼らはソルドシステムの中枢である集合知(マスブレインシステム)へアクセスし、その中で滅亡迅雷ドライバーを生成。それを使用して4人の集合知ともいえる仮面ライダー滅亡迅雷を生み出す。ソルド達をマスブレインシステムから切り離し、仮面ライダーザイアへ変身したリオンを圧倒、最終的に殺害してしまう。更に本体であるはずの自分たちの肉体(ヒューマギアなので筐体?)をも破壊し、どこかへ消えてしまう。滅亡迅雷は再び人類の敵となってしまったのか。彼らの真の目的とは――。

と、この直後から本作は始まります。

 

冒頭。
仮面ライダーバルキリー/刃唯阿(演:井桁弘恵)は、“滅亡迅雷.net”をかばう発言をしたことから、責任を追及される。また、現在の上司である国防庁長官の大文字茂(演:相島一之)より仮面ライダー滅亡迅雷の破壊を命じられ、厳しい判断を迫られる。そんな中、自らが開発したAIを用いた照準システムによって民間人に犠牲を出してしまったことで大学を去った、かつての恩師のことを思い出す刃。

仮面ライダーバルカン/不破諫(演:岡田龍太郎)と共に仮面ライダー滅亡迅雷を止めようと変身して立ち向かうも、圧倒的な強さの前に不破のショットライザーは破壊され、撤退を余儀なくされる。

とりあえず言えるのは、全体的に戦闘シーンが少ない。あっても、ほとんどやられてるシーン。
この時点で、子供は置いてけぼりでしょうな…。
ただ、回想で大学生時代の刃が出てくるのですが、これがまぁー可愛い。普段のクールな唯阿ちゃんも可愛いですが、地味眼鏡女子の唯阿ちゃんの破壊力たるや。僕含む大きな子供たちは大喜びでしょうな…(大変下品な文章)。正直この回想シーンや犠牲になった子供の幻とか全く不要な要素だったと思いますが、JD唯阿ちゃんが見れただけで万事OKです。

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かわいすぎるかよ…。

不破さんはTVシリーズでは「俺は正義の味方だー!」とか「俺がルールだー!」とか言ってた気がしますが、いつの間にかずいぶん達観しておられて、正義とか軽々しく口にしなくなっていたし、「誰に何と言われようと自分が正しいと思うことを貫き通す」みたいな考え方になっていて、すごいかっこよかったです。
キャプテンアメリカがソコヴィア協定に反対したのと同じような心境なのかなーと。
あとはるろ剣の師匠があえてどこの派閥にも属さずに自由の剣を貫く、みたいな。
多分そんな感じなんじゃないかと思いました。

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これ。師匠カッコいい。

一方、前作でマスブレインシステムから解放されたソルドたちは、各々が個人の判断で行動を始める。
ソルド404(演:阿見201)率いる大多数のソルドは、“滅亡迅雷.net”が人類を敵とみなすのであればそれに従うべきだと判断し、A.I.M.S.を襲撃していく。
ソルド9(演:菅原健)も、自分達を解放してくれた“滅亡迅雷.net”の意志を尊重しようとするが、“正義”とは何か、疑問を持つように。
ソルド20(演:鳴海唯)は、自分達を産んでくれた人類につく判断をし、A.I.M.S.本部にて刃と合流。

その後、A.I.M.S.本部へ襲撃してきた滅亡迅雷を迎え撃つ刃とソルド20。刃とのやり取りで「命を守ること」をラーニングしたソルド20は、刃をかばって攻撃を受け、サーバルタイガーゼツメライズキーを託して機能を停止。それを使用して刃は仮面ライダーバルキリー ジャスティサーバルへ変身して立ち向かう。最後は必殺技を撃ち合い、バルキリーも重傷を負うものの、滅亡迅雷もダメージを受け、撤退。

待望のバルキリーの新フォーム。しかし前述のとおり終始やられてるので、見せ場としてはイマイチ。デザインはめっちゃカッコいいのに…。

滅亡迅雷の真意に気付いた不破は、ショットライザーを修理してもらうために飛電インテリジェンスを訪れる。しかし社長秘書のイズ(演:鶴嶋乃愛)より、「ショットライザーはZAIAの技術で作られているため、飛電ではどうすることも出来ない」と言われてしまう。
そこへ、現在宇宙にいる社長の飛電或人(演:高橋文哉)から通信が。或人は「不破さんも社長になればいいんじゃない?」みたいなことを言って、不破さんに“あるもの”を託す。

この辺、なんかよくわかんなかったです。社長を名乗りさえすればドライバー使えるの?じゃあ1000%の人含む全世界のシャッチョサンが変身出来てしまうじゃん。条件ザル過ぎない?とか思ってしまいました。
まぁきっと社長うんぬんは或人の方便で、不破さんもドライバー使えるように以前から調整してたってことで脳内補完しました。

ソルド9は、ソルド404達が“滅亡迅雷.net”の意志として人類を襲っていることに違和感を感じ、やめるよう促す。しかし、彼らはソルド9を裏切り者だと断罪、破壊しようとする。そこへ駆けつける不破。不破は仮面ライダー滅亡迅雷の真意を語る。

行き過ぎた正義は、悪にもなりうる。そしてその暴走した正義は、自らの身を滅ぼす

それを自ら演じ自分を破壊させることで、ソルド達にラーニングさせようとしている。それが、滅亡迅雷の真の目的。バルキリーをターゲットにしたのは、そうすれば不破さんが自分を止めてくれると確信していたから。

とても崇高な考えだとは思いますが、そこまでしなきゃならんか?と率直に思いました。あと、TVシリーズや劇場版でせっかくいい感じに収まった人気キャラの滅亡迅雷にその役目を与えるのはいかがなものか、とも思いました。

仲間たちによってボロボロにされたソルド9は、不破にダイアウルフゼツメライズキーを託し、機能停止。不破は、滅亡迅雷との最終決戦に挑む。

「覚悟を決めた奴を相手にするなら、こっちも覚悟決めねぇとな!」

不破はソルド9に託されたキーと亡が残したアサルトグリップ、或人に託された飛電ゼロワンドライバーを使用し、仮面ライダーバルカン ローンウルフへと変身。
死闘の末、滅亡迅雷は爆発四散。不破も斃れる。

最後は、滅亡迅雷の脅威が去ったことを記者会見で発表する大文字の所へ、修理されたソルド9とソルド20を連れた刃が現れ、ヒューマギアと向き合い、話し合っていくことの必要性を訴え、その後ろで“滅亡迅雷.net”の4人が見守っているシーンが流れて、映画は終わります。

エンディングで、明らかに不破さんが死んでいるような描写が出てきます。これについては、ちょっと納得できないかな…。あんまり死なせる必要性を感じないというか、実は生きてたで良かったんじゃないかと。滅亡迅雷もだけど人気キャラ死なせるのやめてよ…という気分。というか、このゼロワンOthers自体にもあまり必要性を感じなかったかなーというのが正直なところ。こんな暗いテーマをゼロワンでやらなくてもいいじゃん、といいますか。劇場版がきれいに終わってくれただけに余計にそう思ってしまう。

うーん、なんか気になる点があるとそればっか書いちゃって、良い点をうまく書けないのがよくないなぁ。
良かった点としては、まず新ライダーや新フォームのデザインはどれもめちゃくちゃカッコよかったです。ゼロワンのライダーはどれもカッコよくて外れ無しでした。
それと、ゼロワンでやる意義は別として、「正義とは、悪とは何か」「そうした善悪をAIが正しく判断できるのか」といったテーマ自体はとても深いもので良かったのではないかと思います。古くはキカイダーとかでも描かれてきたので、永遠のテーマなのかな、と思いました。
あとは不破さんがカッコよかったのと、唯阿ちゃんが可愛かったのがとにかく最高。

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なんかこれまで以上にまとまりのない文章になってしまったけど…まぁ僕の文章力なんてこんなもんでしょう。

ということで、『ゼロワンOthers 仮面ライダーバルカン&バルキリー』の感想でした。

ではまた。

映画『フリー・ガイ』感想(ネタバレ)

映画『フリー・ガイ』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。 

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今や『デッドプール』等で大人気のライアン・レイノルズ。そんな彼が主演と製作に携わった作品が、本作『フリー・ガイ』になります。

いきなり話が逸れますが、レイノルズはデップーやら何やらでやたらと『グリーンランタン』をイジってますが、アレあんま好きじゃないんですよね。
ちなみに『グリーンランタン』はDCコミックを原作にするスーパーヒーロー映画で、ライアン・レイノルズ主演で2011年に公開されました。本来はDCEUの1作目を予定していたらしいのですが、あまりに大コケしたためにDCEU入りを無かったことにされたとか…なんとも不遇の作品です。
確かに褒められた出来では無いと思いますが、僕はアレはアレでそこまで悪くないと思っているし、何よりも自分の作品なんだから愛してやれよと思ってしまうんですよね。まぁ敢えてイジることで存在を認知してもらう、要は愛ゆえのイジリなんだとは思うのですが…あんまり笑いものにしないでやってくれよというか…なんだかなぁ、という思い。

あとデップーが本作の予告映像を見るみたいな動画もありましたけど、アレもちょっとうーん…となったクチです。
デップーは大好きですし、彼がそういうキャラクターであることも重々承知しているんですが、なんかこう楽しく見れなくて、特に何の感情も湧かず“無”になってしまったんですよね…。もうこういうノリについていけなくなってるのかな…(でも新スースクは楽しく見れたけどなぁ…)。

 

とまぁ余談はこの辺にして、本作。
本作の舞台は、「フリー・シティ」というオンラインゲームの中の世界。他人をボコったり、車を奪ったり、強盗したりといった行為が評価される、某オープンワールドゲームのような世界観。

ゲームなどの仮想世界が舞台の作品というと、古くはコンピューターグラフィックを世界で初めて導入した『TRON』や、最近リブートした『ジュマンジ』、あとはスティーブン・スピルバーグ監督作の『レディ・プレイヤー1』などがありますが、本作が変わってるなーと思う点は、主人公がプレイヤー(人間)ではなく、ゲーム内のモブキャラクター(NPC)だという点です。そんな主人公が自我を持ち出しちゃって、自分がいる場所はゲームの中の世界であり、自分はモブであると気付いちゃったからさぁ大変!というのが本作の大枠になります。

 

そんな本作の主人公は、ごく普通の銀行員である、ガイ(演:ライアン・レイノルズ)。
このガイというキャラ、明るくて生き生きしていて、それでいてコミカルなのがとても良かったです。まんま世間が思うライアン・レイノルズって感じのキャラでした(違う?)。自分が現実には存在しないゲーム内のモブキャラだということがわかっても、いつまでも落ち込んだりせず、前向きに自分に出来ることをしようとする、そんなキャラクター。なので作品全体も暗くならず、常に明るい雰囲気で非常に見やすかったです。

 基本的に本作はガイの視点で描かれているので、あからさまに「ここはゲームの中の世界ですよー」とは明言しておらず、導入部分とかなんかはまるで日々のルーチンワークをこなしている普通の人のように描いているのが面白かったです。サングラス族=プレイヤーの存在や、あまりにも現実離れしている世界観から、「あぁそういうことね」とすぐにわかるようになってるのがうまいなーと。まぁ予告編とかポスターとかでゲームの中の話だってのは見る前から分かってるんですけど。
あとどうでもいいけど、コーヒーショップで警官の名前を呼ぶとき異常にデカい声で言うガイが個人的にツボでした。

ヒロインのモロトフ・ガール/ミリー・ラスク(演:ジョディ・カマー)。
ゲーム内ではクールでミステリアスなカッコいい女性、リアルではいかにもオタクっぽいけど非常に可愛らしい女性で最高でした。
僕はニチアサ等の特撮作品において、「女の子が可愛い作品は名作」という法則を勝手に提唱しているのですが、これは案外特撮だけじゃなくどんな作品にも当てはまるんじゃないかと思ってきました(そういやひとつ前のスースクの記事でもラットキャッチャーカワイイとか言ってたし)。ゲーム内でガイとキスする場面で、なんとも言えない絶妙な表情で固まってるのが可愛いかつ笑いを誘ってくるし、ガイがNPCであることを聞いた際、「え!?私キスしちゃったんだけど!?」とうろたえまくる姿がかわい過ぎて萌え死にしそうになりました。

かつてミリーと共にゲームの開発をしていたが、現在はスナミ社でプログラマーをしているキーズ(演:ジョー・キーリー)。
彼はミリーと共にリアル側のドラマを引っ張っていくとても魅力的なキャラクターでした。最初はいろいろと諦めている無気力な感じでしたが、最後はもう立派なヒーローでしたね。あとは最後の最後に、ガイの元となったAIは、開発コード段階からミリーへの想いを込めてプログラミングされた=超奥手なミリーへのラブレターであることがわかるくだり。ロマンチックが過ぎて、「コイツ、コイツぅ!(満面の笑み)」となりました(伝われ)

それから、ガイの親友であり、銀行の警備員のモブキャラであるバディ(演:リル・レル・ハウリー)。
「サングラス族は俺たちの相手なんかしない」とか世界観の説明をしてくれたり、自分がモブキャラだとわかってショックを受けているガイに「今この瞬間はリアルだろ」的な事を言って立ち直るきっかけをくれたり、とても重要(便利)なキャラクターになっていました。クライマックスで「俺のことは気にせず先に行け」的な展開になった際に、ストリーミングを見ていたリアルの警備員が「彼こそ最高の警備員だ」とか言って泣いてるとこ、スゲー面白かったです(笑)

あとは、「フリー・シティ」の開発・運営元であるスナミ社の社長であるアントワン(演:タイカ・ワイティティ)。
どこまで演技でどこからアドリブなのかわからんくらいはっちゃけたキャラでしたね。自社のサーバを物理的に破壊するって、イチ企業としてどーなんだ?と思いましたが、破天荒な人物なのでそれくらいやりかねない…のかな。ま、細かいことは気にしない。
そーいやワイティティ氏は新スースクでもラットキャッチャー2の父親を演じてましたね。『マイティ・ソー バトルロイヤル』では監督兼コーグという岩男役もやっちゃうんだから、ホント多才な人だよなぁ。

他にも、凄腕プレイヤーのアバター役でチャニング・テイタムが出てきたり(最初にチラッと出てきたときなんか似てるなーと思ったら後半でも出てきて本人だった)、全然気付かなかったけど裏路地でモロトフ・ガールに情報を渡すマスク男の声をヒュー・ジャックマン、銀行強盗の声をドウェイン・ジョンソンがやってたり、あとはデュードとのバトルで“あの盾”の持ち主(まさかの本人)がチラッと出てきたりと、カメオ出演も非常に豪華。盾もだけど“あのセーバー”が出てくるとこでも“あのテーマ曲”がちゃんと流れるのには爆笑しました。20世紀がディズニーに買収されたからこそ出来たパロディですね。

とまぁ、そうした魅力的なキャラクターたちが物語を進めていってくれます。

 

本作の面白いところは、ゲーム内とリアルでそれぞれにしっかりとしたドラマがあり、その二つが密接に関わり合いながら話が進んでいく点だと思いました。
ゲーム内では、ガイが本来プレイヤーしか付けることが出来ないサングラスを手にし、どんどんモブの枠を超えて成長していく。リアルでは、「フリー・シティ」がかつてキーズとミリーが開発していたゲームのシステムを盗用して作られたことを暴こうと、ゲーム内に隠された証拠を探していく。その中で、ガイがプレイヤーではなく、二人が開発していた“成長するAI”であることがわかり、更に決定的な証拠として、本来行くことの出来ない水平線の向こうに開発していたゲームの世界があることを突き止める。そこに絶対に行かせたくないアントワンは、ゲームの内外から邪魔をしてくる。ガイはミリーの為にもこれまでの自分から脱却する為にもがんばる。みたいな流れ。非常に納得度の高い脚本だと思いました。

ゲーム世界だからこその演出も楽しかったです。
腕を下ろせないモブとか、ジャンプシューズとか、中盤のガイが死にまくりながらレベルアップしていくとことか(まぁアレ一見いい事してるように見えるけど他のプレイヤーからしたら迷惑行為だろうし、劇中ではヒーローみたいになってたけど実際はめっちゃ叩かれるだろうなと思った)、ポータルガン等の別ゲームからのオマージュとか、煽り屈伸とか、チャニングの踊りとか、上述した“あの盾や武器”等のアイテムとか、他にもたくさん。ゲーム世界であることを逆手に取って、完全に笑わせにきてます。僕はさほど最近のゲームには詳しくないので、わかってないのもいっぱいあると思います。
あと、最後に出てきためっちゃ強いけど未完成でオツムの弱いデュード(演:顔だけライアン・レイノルズ)のキャラクターも、steamのクソゲーみたいで面白かったです。キメ台詞が「キメ台詞!」って(笑)

それから、本作のテーマについてもとても秀逸だと思いました。ゲームを題材にした作品にありがちな「ゲームもいいけど、現実もね」みたいなのから更に踏み込んでいて、「どんな人、どんな場所であろうと、決められたレールに沿って生きるだけじゃなく、自分の好きなように生きていいんだ」といったメッセージを感じました。ガイがモブのみんなを集めて発破をかけるシーンとかまさにそうですよね。非常に普遍的な、どんな時代でも通用するテーマなのではないかと思います。

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ユナイテッドシネマとしまえんにはデカいポスターがありました。

おかげさまで本作は大ヒット。ディズニーは続編の制作を切望しているのだとか。でもかなりキレイに終わっているし、続編作るとしてもどうするんだろ?とは思います。
ガイが現実世界に来ちゃうとか?
なんにせよ、続編あるなら絶対に見たい!と思わせてくれる、非常に楽しい映画でした。

 

ということで、映画『フリー・ガイ』の感想でした。

ではまた。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』感想(ネタバレ)

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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DCコミックを原作とした実写映画のシネマティック・ユニバース、それが「DC・エクステンデッド・ユニバース(DCEU)」。マーベルのMCUに対抗して始めたはいいものの、いかんせんひとつひとつの映画の完成度があまりよくなく、興行収入は高いけど評価は散々といった状態でした。そこで最近は、「映画の完成度を優先する」といった方針となり(当たり前でしょ、って話ですが…)、映画同士のつながりを緩くし、それが功を奏してかだんだんと評価を上げていっている印象。

その低評価時代のDCEUの作品のひとつに、2016年に公開されたデヴィッド・エアー監督作の『スーサイド・スクワッド』がありました。死刑や終身刑を求刑された悪党達が、減刑と引き換えに「自殺部隊(スーサイド・スクワッド)」を結成し、超危険なミッションに挑む、といったお話。公開前は非常に期待されていたのですが、これがまぁ見事に大爆死しまして、上記のような方針転換のきっかけになった作品となってしまったわけです。僕も当時映画館へ見に行き、鑑賞直後はそれなりに面白かったと思っていて、今でもそんなに嫌いではないのですが、改めて思い返してみると、ハーレイとカタナは良かったけど、ここはテンション上がった!ってシーンがなかったような気がします。てかどんな話だったか全然思い出せないや。後から知ったのですが、なんかワーナー(配給会社)側のテコ入れがあったとかで、監督としても不本意な作品になってしまったとか。なんだか大人の事情を感じますね…。で、ワーナーは現在そうした黒歴史を全力で無かったことにしようとしており、『ジョーカー』は役者を変更して単体作を作り見事アカデミー賞にノミネート、『ジャスティスリーグ』は『ザック・スナイダーカット』としてほぼ作り直し、『スーサイド・スクワッド』は続編ともリメイクとも取れる本作で仕切り直しを図っています。

 

 『ザック・スナイダーカット』に関しては過去に記事を書いていますので、大変拙い文章ですが良かったら読んでみてください。

blacksun.hateblo.jp

 そんな本作。監督および脚本は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(以降GotG)などでおなじみのジェームズ・ガン。ちなみに同じDCEU作品である『アクアマン』はジェームズ・ワン。紛らわしい…。GotGでハチャメチャでノリノリな楽しい作風を見せてくれただけに、本作も非常に期待が高まっておりました。結果、ハチャメチャでノリノリな非常に楽しい作品となっておりました。

あ、本作はR15+でゴア描写モリモリなので、苦手な人はご注意ください。

 

てな訳で、前置きは以上。本編の感想を書いていきます。

あらすじは前作と大体同じ。投獄された悪党たちが、政府の役人であるアマンダ・ウォラー(演:ヴィオラデイビス)の手引きで、減刑と引き換えに「タスクフォースX」、通称「自殺部隊(スーサイド・スクワッド)」を結成し、超危険なミッションに挑む、というもの。今回のミッションは、とある島国で進められている「スターフィッシュ計画」と呼ばれるプロジェクトの壊滅。

まず島へ上陸したのは、サバント/ブライアン・ダーリン(演:マイケル・ルーカ―)、ブラックガード/リチャード・“ディック”・ハーツ(演:ピート・デイヴィットソン)、ジャベリン/ガンター・ブラウン(演:フルーラ・ボルク)、T.D.K./コリー・ピッツナー(演:ネイサン・フィリオン)、ウィーゼル(演:ショーン・ガン)、モンガル(演:メイリン・ウン)、キャプテン・ブーメラン/ジョージ・“ディガー”・ハークネス(演:ジェイ・コートニー)、そして、ハーレイ・クイン/ハーリーン・クインゼル(演:マーゴット・ロビー)。そんな彼らをまとめるのはエリート軍人のリック・フラッグ大佐(演:ジョエル・キナマン)。しかし、上陸していきなりブラックガードがさも当然のように裏切り、彼を通じて情報を得ていた敵から一斉砲火を浴びることに。

まー初っ端からキャラが死ぬ死ぬ。しかもゴア描写全開でどんどん肉塊になっていきます。上に敢えていっぱいキャラ名書きましたが、ものの数分でハーレイとリック以外全員死にます。もう笑っちゃうくらい酷い。悪趣味丸出しで最高です。キャプテン・ブーメランは前作にも出演しているのですが(ハーレイが「ブーミー」と愛称で呼んでて一応繋がりがあることを匂わせてるのが偉い)、そんな彼もここで瞬殺されるのにはちょっと驚き。

一方その頃、別のチームも島へ上陸。こちらのメンバーは、ピースメイカ/クリストファー・スミス(演:ジョン・シナ)、ポルカドットマン/アブナー・クリル(演:デヴィット・ダストマルチャン)、ラットキャッチャー2/クレオ・カゾ(演:ダニエラ・メルシオール)、キング・シャーク/ナナウエ(声:シルベスター・スタローン)、そしてアマンダよりスーサイド・スクワッドのリーダーに(強制的に)任命されたブラッドスポート/ロバート・デュボア(演:イドリス・エルバ)。先に上陸したチームが陽動になったおかげで、こちらはとても静か。彼らはまず捕まったリックを救出するために動きます。敵らしき奴らをブラッドスポートとピースメイカーがどちらが鮮やかに殺せるか競ったり、ナナウエが食べたりしながら殲滅し、リックの捕まっているテントへ行くと、手当てを受けて談笑しているリックの姿が。さっき殺したのは敵ではなく、反政府組織の人達だった…。ともあれ、リーダーのソル・ソリア(演:アリシー・ブラガ)ら反政府組織とも協力することに。

 こんな感じで終始進んでいきます。
おバカで、下品で、ポップな作風が、スーサイド・スクワッドというワルモノ集団にピッタリハマっていてめちゃくちゃ楽しいです。ガン監督は「愛おしくて笑えるイカレたキャラ」を描くのが抜群に上手い印象なので、本作にこれほどふさわしい人はいないんじゃないですかね。

 

各キャラクターも非常に魅力的。

大人気の悪カワヒロイン、ハーレイ・クイン
ほぼほぼ鼻血垂らしてるんですが、それでもずっとカワイイのはなぜなのか。神か?神聖存在なのか?

武器と戦闘のエキスパートである、ブラッドスポート
とにかくシブい。激シブ。全身のアーマーがカチャカチャ変形して武器がアップグレードされるのとか滅茶苦茶カッコいい。それでいてネズミ恐怖症とかいう弱点もあってカワイイ。

同じく武器と戦闘のエキスパート、ピースメイカ
なかなかいい感じにサイコパス。平和維持の為なら女子供も容赦なく殺すといった偏屈した正義感は、非常にガン監督らしいキャラなのかも。ブラッドスポートとのキャラ被り天丼も笑った。あと寝るとき白ブリーフ一丁なのもウケる。

宇宙ウィルスに感染したことで水玉を飛ばす能力を得た、ポルカドットマン
ポップな衣装やひ弱そうな見た目とは裏腹にエゲつない能力でビビりました。彼の視点だと人の顔がみんなママの顔に見えるところ、怖っ!爆笑!が同居していて不思議な感覚でした。ゲロ吐くみたいに水玉出すのやめーや(笑)

父から受け継いだ道具でネズミを操ることのできる、ラットキャッチャー2
ハーレイとはまた違ったタイプで超絶カワイかったです。特にバーに潜入する時に私服に着替えたときとか、「えっ、カワイイ…」って声出そうになりました(いや出てたかもしれない)。ネズミのセバスチャンもめっちゃカワイイ。

あとはもう、サメ人間のナナウエカワイイが過ぎる超癒しキャラ。それでいて戦闘時は素手で人間を真っ二つに引きちぎったり丸呑みにしたり銃は効かなかったりクソ強いから、いろんな意味で最強キャラでした。

なんかカワイイしか言ってない気が…でもホントの事だから仕方ない。

 

敵に捕まったハーレイは、きれいなドレスに着替えさせられ、敵のボスであるシルヴィオ・ルナ将軍(演:フアン・ディエゴ・ボト)のもとへ案内される。アメリカに敵対心を持つ彼は、アメリカに従わず自由奔放なハーレイの大ファンだった。結婚を申し出る彼に一度はOKするハーレイだったが、彼が「自分に従わないものは女子供だろうが容赦しない」と口にした瞬間、「いや子供はダメだろ」と一切の躊躇なく射殺。逃げ出したハーレイは、ちょうど救出作戦をするところだったリックらと合流する。

スターフィッシュ計画」の中心メンバーであるシンカー/ガイウス・グリーヴス(演:ピーター・カパルディ)を脅して、「ヨトゥンヘイム」と呼ばれる秘密の実験を行っているとされる施設へ潜入。そこにはスターロという地球外生物がおり、それを兵器として利用しようというのが「スターフィッシュ計画」の全貌。大量の人間が実験台にされ、なんともおぞましい光景が広がっていました。しかもそれは元々はNASAが宇宙で発見したものであり、アメリカでは倫理的に研究が出来ないのでこの島国の政府と極秘裏に協定を組んで研究をしていたことが判明。政権がルナ将軍率いる軍に奪われたため、計画の発覚を恐れたアメリカ政府はスースクを使って証拠を隠滅しようとしていたのでした。

 

色々あってヨトゥンヘイムは倒壊。そしてスターロが街に解き放たれます。スターロは中心に目玉のついた超巨大なヒトデの化け物のような出で立ち。ちょっとウルトラマンガイアのガンQを連想しました。

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ガンQ。ちょっとカワイイとことかが似てる。

スターロは小さな分身を大量にばら撒き、軍隊や民間人らの顔に貼りついて精神を乗っ取ります。本体もまさに怪獣といった巨大さで、銃などの攻撃も効かず、手も足も出ないような状況。ゾンビものやら怪獣特撮やら、いろんな要素が混ざり合っててとても楽しかったです。
勝敗を決する切り札となったのは、まさかのネズミ。ラットキャッチャーが超大量のネズミを操り、ハーレイが開けた目玉の穴からネズミが入り込んで中から外からスターロを食い破り、遂に倒してしまいます。と、とんでもねぇ強さだ…。

スースクが軍隊を引き付けている間にソリアら反政府組織が軍を掌握。ブラッドスポートはリックが残したアメリカ政府が計画に関与していた証拠映像をアマンダへ突き付け、これを公にしない代わりに生き残ったスースクメンバーの自由を保障させます。

 

最後はなぜかウィーゼルが蘇生して逃げ出し、死んだと思われていたピースメイカーが実は生きてて病院で治療を受けている場面が流れて、映画は終わってました。

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いやー、ホントにずっと楽しい映画でした。
前作はなんというか監督がやりたいこととワーナーがやりたいことが噛み合っていない印象でしたが、本作は監督が好き勝手やりたいことをやっている感じで、見ている側もとても楽しい気分になりました。
他のDCEU作品との繋がりはほとんどないので、これまでDC映画を見たことなくても全く問題ありません。ハチャメチャで楽しい映画が好きな方、バイオレンス描写が大丈夫な方にはぜひ見てほしい一作です。
今後ピースメイカーの単体作も作られるようで、とても良いキャラクターだったので楽しみです。

 

ということで、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の感想でした。

ではまた。

ドラマ『ロキ シーズン1』感想(ネタバレ)

Disney+にて配信中のドラマ『ロキ シーズン1』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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マーベルコミックを原作とした複数の実写映画を同一の世界観で描くクロスオーバー作品群、それが『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』。最近は映画だけでなく、Disney+にてドラマシリーズも展開されています。ドラマだから映画よりもスケールダウンしているかというとそんなことは全くなく、映画と全く遜色のないスケールになっております。ドラマというと既に『エージェント・オブ・シールド』や『エージェント・カーター』など、あとはNetflixで『デアデビル』や『アイアンフィスト』などがありますが、これらはあくまで外伝的なお話であって、MCUの本筋と絡むことはないらしいです(Netflixのドラマも一応世界観は共通なんですね知らなかった)。なので僕はいずれ見たいとは思いつつも、恥ずかしながら現状全くノータッチです。しかし、Disney+で展開中のドラマはガッツリと本流に乗っている、つまり正真正銘MCUのドラマシリーズとなるため、ファンとして見ないわけにはいくまい。

2021年8月現在、アベンジャーズのメンバーであるスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモヴィジョンが主役の『ワンダヴィジョン』、ファルコン/サム・ウィルソンウインター・ソルジャー/ジェームス・"バッキー"・バーンズが主役の『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』、そして今から感想を書く『ロキ シーズン1』の3作が配信されています。前2作に関してはいずれ記事を書きたいと思っているので詳細は割愛。とりあえず言えるのは、どちらも超面白いです。

本作の主人公は、アベンジャーズのメンバーである雷神ソーの弟であり、悪戯の神の異名を持つロキ
傲慢でプライドが高く、他人を見下し、自信過剰。平気で嘘をつき、人を騙すのが得意。『アベンジャーズ』1作目のメインヴィランであり、狡猾な手口でヒーローを追い詰めるも、団結したヒーローたちを前に惨敗。その後、なんだかんだあってソーと共に戦ったりと、ドラゴンボールでいうベジータ的な立ち位置のキャラです(ベジータほど完全に仲間になったって感じでもないけど)。
上記の通り割とクソ野郎なんですが、どこか抜けていたりと絶妙な小物感が漂っており、演じるトム・ヒドルストンのセクシーかつ愛嬌のある演技も相まって、なんとも憎めない愛されキャラになっています。かくいう僕も大好きなキャラです。

そんなロキですが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の冒頭で、ソーをかばってサノスに殺されてしまいます。しかしその続編『アベンジャーズ/エンドゲーム』にて、タイム泥棒作戦で『アベンジャーズ』1作目の舞台である2012年のニューヨークへ飛んだ際に、連行されるところだった2012年のロキはどさくさに紛れて四次元キューブを奪って逃走。
本作は、その逃走したロキのその後を描くお話となっております。

僕は好きなものは最後まで取っとくタイプで、そのせいで楽しみにしてる作品ほど後回しにしてしまう悪い癖があるのですが、本作がまさにそれで、楽しみであるがゆえにしばらく見れずにおりました(というかMCUのドラマ全部そのパターン)。で、いざ見始めたら毎回先が気になりすぎる終わり方をするもんだから、朝までノンストップで全話一気見してしまいました。

 

と、前置きはこのくらいにして、感想を書いていきたいと思います。
全6話とそれほど多くないので、1話ずつ簡単なあらすじと感想を書いていくスタイルで。

  1. ”大いなる目的”
    四次元キューブを奪って逃走したロキ(演:トム・ヒドルストン)。ゴビ砂漠へテレポートしたはいいものの、時間変動機関(Time Variance Authority、通称TVA)の職員がすぐさま現れ、TVA本部へ連行されてしまう。流れ作業のような裁判で存在を消されそうになるも、メビウス・M・メビウス(演:オーウェン・ウィルソン)の計らいで、時間軸を乱す変異体という存在をTVAと共に探し出すことに。そしてその変異体の正体は、別宇宙のロキ=自分自身であることが明かされる――。

    この第1話は、主に世界観の説明に時間を割いていました。マスコットキャラのミス・ミニッツ(声:タラ・ストロング)によってTVAの成り立ちや業務内容を説明される中で、神聖時間軸タイムキーパーマルチバースなどについてもわかりやすく解説してくれます。ついに出てきましたねマルチバース。あんな展開やこんな展開、想像が無限に広がってワクワクします。にしても、アメコミといえばマルチバース、みたいな印象がありましたが、これまでのMCU世界では逆にマルチバースが発生しないようにしていた、というのは面白いですね。まぁこれまで出てこなかったことに辻褄を合わせるにはこうするしかなかったのかもですが。枝分かれした時間軸を元に戻すために変異体の存在を抹消することを”剪定”と呼んでいるのも、ワードセンスいいなーと思いました(小並感)。あと、TVAの使っている機械やら何やらがやたらレトロなデザインなのが個人的にツボでした。
    あとは何と言ってもロキの魅力たるや。
    冒頭、ゴビ砂漠でTVAに連行される際、時間の流れを遅くする(でも感覚は元の時間のまま=ずっと痛い)謎の棒で殴られて、面白い顔をスーパースローで見せてくれるロキ。カワイイ。
    TVA本部にて、アズガルドの高級レザー製の服を自慢した瞬間、一瞬で服を消滅させられるロキ。カワイイ。そしてマッスルがすごい。
    こっそり自分にこれから起こりうる運命(兄との共闘や自分の最期など)を見てしまい、ベソかいちゃうロキ。カワイイ。カワイイが過ぎる。
    やっぱロキっていいキャラクターだなぁと改めて実感。

  2. ”変異体”
    TVAにて変異体の手がかりを探すロキ。生存者がひとりも出ないほど大きな災害が起きるタイミングでは、痕跡などが全て消えてしまうため分岐が起こらないことを突き止め、そこに変異体がいると推測。捜査の末、暴風雨で全壊する直前のスーパーマーケットに辿り着く。しかし、変異体の目的はTVAの壊滅であり、そこには罠が張り巡らされていた。そしていよいよ姿を現した変異体=別宇宙のロキは、女性の姿だった。奪った端末でどこかへ消える変異体。それを追って、ロキもタイムドアの向こうへ消えていく――。

    物語が動きだす第2話。楽しい捜査パート、不気味なスーパーでの攻防、そして変異体の正体と目的。変異体は”ロキ”だと言われていたので、その姿が女性だというのは全然発想に無くてビックリしました。でも、ロキがバイセクシャルであることを明かしていたりと、女性の姿でも不思議ではない感じを出しているのがなんとも上手い。また、マインドジャックの能力や狡猾な性格など、しっかり”ロキ”なのもすごく良かったです。

  3. ”ラメンティス”
    TVA本部へ乗り込んできた変異体。ロキを後も追い、争っているうちにどこかへテレポートしてしまう。そこは、巨大隕石が衝突して星ごと消滅してしまう直前のラメンティスという惑星だった。変異体は、自分はシルヴィ(演:ソフィア・ディ・マルティー)だと名乗る。端末が使えなくなってしまったので、何とか自力で脱出しようとする二人。シャトルで脱出を試みるも、あと少しのところで隕石がぶつかって爆発してしまう。このまま惑星と共に消えてしまうのだろうか――。

    比較的内容の薄い第3話。ラメンティスからの脱出方法を探しながら、少しずつ距離を縮めていくロキとシルヴィ。シルヴィが普通にカワイイ。しかも見てるうちにどんどんかわいくなっていく。基本的にずっと面白かったんですが、酔っぱらって暴れたりする、列車の中のくだりは正直なくても良かった気が…。酔っぱらうのもよくわからんし、なんで変装解いてるのかとかもよくわからんし…。何か策があってやってるのかと思いきや、特にそういうわけでもないようだし。お互いの魔法について教え合うとことかは良かったですけど。

  4. ”分岐イベント”
    死を悟った二人は、本音で語り合う。その中で、だんだんと惹かれ合っていく二人。しかし元々同一人物であるため、それはイレギュラー中のイレギュラー。災害の起きるタイミングでは時間軸の分岐は発生しないはずが、急激に分岐していく時間軸を測定したTVA。思いがけず二人の居場所を特定し、すんでのところで本部へ連行する。再び尋問を受ける二人だったが、その中で、シルヴィはあくまで操る人間の記憶をもとに幻影を見せている、つまり操ったハンターたちの中にはハンターではない別の記憶があることがわかる。そこから、TVAの職員はタイムキーパーによって作られたとされていたが、実は全員元々変異体だったことが明らかになる。真実に近づいていくメビウスだったが、上司であるラヴォーナ・レクサス・レンスレイヤー(演:ググ・バサ=ロー)によって剪定されてしまう。シルヴィとロキはついにタイムキーパーのもとへ辿り着くが、その正体はただのアンドロイドだった。では一体誰が何の目的でTVAを作ったのか?TVAという組織が根底から覆されていく。その時、レンスレイヤーによって剪定されてしまうロキ。存在を抹消されたかと思われたが、見知らぬ場所で目を覚ます。そこには、ロキに似た格好をした複数の人物が――。

    怒涛の勢いで真実が明らかになっていく第4話。サスペンスっぽくてとても見応えがありました。ロキとシルヴィが惹かれ合うというのは、ナルシストであるロキだからこその必然性を感じました。また、ハンターB15(演:ウンミ・モサク)が、話が進むごとにどんどんカッコよくなっていくのがすごく良かったです。最初はロキに出し抜かれるだけのキャラと思っていただけに、メインキャラに昇格していくのはとてもイカス展開。

  5. ”未知への旅”
    ロキが目覚めたのは、ヴォイドと呼ばれる虚無世界。TVAの剪定とは存在を抹消するのではなく、時空のゴミ捨て場のようなこの世界に転送することだった。そこにはアライオスという時空をも呑み込む怪物がいるのだが、かつて剪定された別宇宙のロキ達はどうにか生き延びていた。ソーを殺害した時間軸のキッド・ロキ(演:ジャック・ヴィール)。幻術でサノスをも騙して逃げ延びた時間軸のクラシック・ロキ(演:リチャード・E・グラント)。ハンマーを持った黒人ロキ(演:デオビア・オパレイ)。そして、なぜかワニの姿のロキ。などなど。一方、TVA本部では、剪定棒を自分に当てて自らヴォイドに飛ばされるシルヴィ。メビウスと合流し、その後ロキ達とも合流する。シルヴィは、アライオスをマインドジャックする策を立てる。TVAが何者かに作られたものであれば、アライオスがその黒幕の居場所を知っていると考えたのだった。クラシック・ロキが犠牲になりながらも、ロキと二人がかりでどうにかマインドジャックに成功。そして遂に、黒幕のいるどの宇宙とも異なる時空へとたどり着く――。

    見応えの塊のような第5話。特に良かったのは、クラシック・ロキの意外な活躍。アライオスの気を引くために、幻術でアズガルドの街ごと作り出すというとんでもない能力を披露します。こんなすごい力を持っていたのかと驚きました。あと、ワニロキがカワイイ。ロキとシルヴィとのやり取りでは、かつての自己中心的で傲慢なロキはもうおらず、彼の精神的成長が見えてとても良かったです。

  6. ”とわに時を いつでも”
    ついに黒幕のいる洋館へと辿り着くロキとシルヴィ。そこに現れたのは、ミス・ミニッツ。彼女は黒幕を”在り続ける者”と呼び、彼のもとへ案内する。”在り続ける者”(演:ジョナサン・メジャース)は飄々とした態度で、自分が30世紀の科学者であること、これまで起こった全ての出来事は全て自分のシナリオ通りであったことなどを明かす。戸惑う二人に彼は「疲れた」と言い、自分を殺すよう促す。しかし彼を殺すことは、彼が管理していた多元宇宙を解放し、宇宙に混沌をもたらすことになる。彼を殺すか生かすか、思い悩むロキ。しかしシルヴィは、自分の人生を滅茶苦茶にした彼を許すことが出来ず、迷いなく殺そうとする。まずは落ち着いてよく考えるよう促すロキ。しかし彼女の思いは変わらず、ロキをTVA本部へと飛ばし、”在り続ける者”を殺害。その瞬間、無限に分岐していく時間軸。どうにかしなければとメビウスのもとへ向かうロキだが、彼らはロキに「誰だ君は」と言う。更に、TVA本部にあったタイムキーパーの像が、”在り続ける者”の像へと置き換わっていた。一体何が起こっているのか。真相は<シーズン2>へ――。

    ほぼ会話劇だった最終話。とはいえ、次々と明かされる真実に全く飽きることなく見れました。”在り続ける者”は要は本作のラスボスな訳ですが、やたらと明るい性格なのもなんだか新鮮。原作には詳しくないのですが、彼(正確には別宇宙の彼)は、今後サノスに代わるスーパーヴィランになるんだとか。楽しみだなぁ。あとは、これまで手を握る程度だったロキとシルヴィが、遂にキスをする場面。もったいつけていた分、感動もひとしお。にしても、落ち着いて考えようとするロキに対し、絶ってぇ許さねぇ状態なシルヴィ。置かれた境遇が違えば同一人物でもこれほど考え方が違ってくるのかと、複雑な気持ちになりました。あと個人的には終わり方がホラーとかサスペンスチックで割りと好みでした。なので、「ロキはシーズン2で帰ってくる」の部分は無くても良かったのでは、という思いが。いやシーズン2やってくれるのは大変ありがたいんですけど、それを先に伝えちゃうと「続くのかよ!」と思っちゃうというか、終わりを先延ばしにしただけに見えてしまうというか…って伝わりますかね。

とまぁ、こんなところにしておきます。
マルチバースの誕生を描いた、今後のMCUにとって非常に大事な作品になっております。本作で起こったことが『ドクターストレンジ2』や『アントマン3』に繋がっていくようなので、ファンであれば必見の一作です。って、そんな大事な話をロキが主役のドラマでやっちゃうところがMCUのすごいところだよなぁ。シーズン2もですが、MCU全体の今後が非常に楽しみです。 

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ということで、ドラマ『ロキ シーズン1』の感想でした。

ではまた。