GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

映画『シン・仮面ライダー』感想(ネタバレ)

映画『シン・仮面ライダー』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

1971年に特撮TVドラマ『仮面ライダー』が放送開始されてから半世紀が経った、2021年。
仮面ライダー生誕50周年記念作品”として、様々な企画が発表されました。
TVシリーズでは『仮面ライダーバイス』が、Web配信ドラマとして『仮面ライダーBLACK SUN』が、アニメでは『仮面ライダーW』の正統続編である『風都探偵』が、そして映画という媒体では、本作『シン・仮面ライダー』の製作がそれぞれ発表されました。

エヴァンゲリオン』シリーズでおなじみの庵野秀明が監督を務めるということで、発表当時から非常に注目され、ビジュアルやキャスト、予告編などが公開されるたびに、オタクたちの熱がどんどん高まっていった本作。そんな話題作が、今年いよいよ公開となりました。
僕は公開初日の鑑賞とはいきませんでしたが、早く見たい気持ちを抑えられず、夜勤明けの体調最悪な状態で見に行くという暴挙に。寝落ちしないかと心配でしたが、鑑賞中に眠気を感じることも無く、ずっと映画に集中することが出来ました。それくらいに面白い映画だったと思います。

 

もくじ

 

概要

2016年の『シン・ゴジラ』、2021年の『シン・エヴァンゲリオン』、2022年の『シン・ウルトラマン』、そして本作『シン・仮面ライダー』。庵野秀明が参加している『シン・~』を冠するこれらの作品群を、“シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース(S.J.H.U.)”と名義し、フランチャイズ展開されています。
日本でユニバース展開をするには庵野さんほどのネームバリューがないとダメなのか…とも思いますが、東宝スタジオカラー、円谷、東映と、全く異なる会社同士が手を組むって、実際相当すごいことですよね。ネームバリュー万歳。

そんなSJHU最後の作品となる本作は、初代『仮面ライダー』のリブート作となっており、TVシリーズや漫画版をベースとしながらも、全く新しい物語が描かれています。

 

監督・脚本は上記の通り、庵野秀明

仮面ライダーのマスクデザインなどに、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の原画、最近では『シン・エヴァンゲリオン』などの監督を務めている、前田真宏

ライダーベルトやサイクロン号などのデザインに、数々の庵野作品でメカデザインを務める、山下いくと

敵怪人のマスクデザインに、ガンダムパトレイバーなどのロボデザインや、仮面ライダーシリーズの怪人デザインを務めた、出淵裕

音楽は、『天元突破グレンラガン』などの、岩崎琢

こうした“庵野組”ともいえる豪華なメンバーが、スタッフとして参加しています。

 

キャスト陣も超豪華。

主人公、本郷猛役に、『デスノート Light up the NEW world』や『宮本から君へ』などの、池松壮亮

ヒロイン、緑川ルリ子役に、『君の膵臓を食べたい』や『賭ケグルイ』などの、浜辺美波

一文字隼人役に、数々の大河ドラマや、映画『 犬王』では声優も務めた、柄本佑

そのほか、西野七瀬本郷奏多森山未來など、有名俳優たちが出演しています。

 

予告編


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あらすじ

バイク好きの青年、本郷猛(演:池松壮亮)は、緑川ルリ子(演:浜辺美波)とともに、悪の秘密結社SHOCKERから逃走していました。本郷はバッタの能力を宿したバッタオーグへと変身し、とてつもない戦闘力で追手を殺害。どうして自分にこんな力があるのか、戸惑いを隠せない本郷。

逃げ込んだセーフハウスにて、ルリ子の父、緑川弘(演:塚本晋也)より、人間と昆虫を合成したオーグメンテーションプロジェクトの最高傑作として、本郷の身体をアップグレードしたと明かされます。大気中に含まれるプラーナという生命エネルギーを体内に取り込むことで、超人的な力を発揮出来るのだとか。

心優しい性格の本郷は始めは戦うことを拒んでいたものの、弘の「その力を人のために使ってほしい」との言葉に従い、仮面ライダーを名乗ってSHOCKERと戦うことを決意する――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

変わるモノ。

各キャラクターに関しては、元のTV版(オリジナル)とはまた違ったものになっていました。

本郷のルックスは、藤岡弘、氏が作り上げた、太眉で男らしいものとは異なりますが、常にブルブル震えてるところとか、心優しい性格や人と戦うことへの恐怖を体現しているようで、なんかすごいグッときました。個人的に、池松壮亮すごい好きなんですよね。悪く言うとちょっと棒読みっぽいんだけど、あまり感情を表に出さない演技がなんかクセになるというか。雰囲気とか佇まいとかで魅せる役者さんなのかなーと。

ルリ子のルックスも、演じてるのがあの超人気俳優の浜辺美波なだけあって、まぁー可愛いのなんの。オリジナルと比べるとだいぶ幼くなったように見えますが、可愛いので万事OKです。最初に公開されたポスターとかではテカテカの赤いコートを着てましたが、クランクイン直前に普通の茶色いコートに変更されたんだとか。赤コートも良かったですが、二次元っぽさが強くなりすぎちゃうような気もするので、良い判断だったのではないかと。

一文字隼人第2バッタオーグ仮面ライダー第2号(演:柄本佑)も、軽口でお調子者に見えるけど、芯に強いものを持っているというキャラがよく出ていたと思います。そーいや、池松さんも柄本さんも、アクションシーンのスタントをほぼ自身でやっているそうで、驚きました。「スーツアクター誰やろ」とか思っていた自分が恥ずかしい…。マジで特オタの悪い癖や…。

 

ライダーデザインは、オリジナルに現代的なディテールを追加した程度に留められており、『仮面ライダー THE FIRST/NEXT』ともまた違うアレンジになっていたのが面白かったです。スーツの上からコート着てるのもオシャレだなーと。サイクロン号やベルトのデザインはエヴァ感を強く感じるアレンジでしたが、普通のバイクから装甲がガションガション展開していくとことかスゲーカッコ良かったです。あと、普通のヘルメットがライダーマスクに変形するとことかもめっちゃ良かったですね。

対して敵怪人のデザインはかなりアレンジされており、非常にスタイリッシュになっていました。特にクモオーグ(声:大森南朋)のデザインは、「これが今回のショッカーです!」という名刺代わりのキャラということもあり、非常に素晴らしかったです。素顔は出てこないので、声が大森南朋だってパンフ見て初めて知りました…。スタッフロールで「えっ、どこに出てた?」と思いましたもん。

 

ストーリーもオリジナルとは全く異なるものとなっており、SHOCKERの黒幕が人工知能である点など、非常に現代的になっておりました。どちらかというと漫画版に準拠しているところが多いらしいですね。恥ずかしながら未だ未読…。
プラーナだのオーグメントだの、よくわからん横文字がセリフの中にたくさん出てきて、「ファルシのルシがコクーンでパージ」的なものを感じましたが(笑)、まぁ庵野さんらしいなと。
シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』のように、政府の人間がメインで活躍することはなかったですが、2作共に出演している竹野内豊斎藤工が政府側の人間として本作にも登場し、別人なんだろうけどあながちそうとも言い切れないような絶妙な演技で、存在感を発揮してくれています。

アクションも、ブレが酷くてちょっと見にくいところもありましたが(敢えてそうしている気もします)、CGを駆使したスピーディ且つダイナミックなアクションが満載で、非常に見応えがありました。ラスボスのさながら踊るように戦うところも、不気味さを演出していて良かったです。ただ、敵を倒すと泡になって消えていくところは、ちょっとカタルシスに欠ける部分があったなーと思ってしまいました。爆発と共に散っていくあの演出は、やはり欠かせないものなんだなぁと実感。ショッカーライダーは重機と共に大爆発していたので、爽快感がありました。

 

変わらないモノ。

あまり良くない意味で、庵野さんらしさが色濃く出ているように思いました。

上でも書いた横文字の羅列とか、線路、電柱、水辺の夕焼けなどの画づくりとかに関しては、「ホント好きなんだなぁ」くらいにしか思わず、むしろ作家性が出ていて良かったと思っているんですが。

しかし、ルリ子が典型的な“悲劇のヒロイン”の域を出ていない、という点は気になりました。結局は“男の役に立つだけの存在”というか。パーカーにスウェットという寝巻みたいな服着せるのも、いかにもな“男が好きな恰好”でしたし(まんまと「ウギャア カ"ワ"イ"イ"ィィ」と思ってしまいましたけどw)。ビデオメッセージ残すのとかももうね…。

それと、ルリ子とヒロミハチオーグ(演:西野七瀬)との関係性は、もっと踏み込めたのではないかと思いました。“女の子同士の友情”で終わってしまっているように見えたので、同性愛的なものを匂わせるなど、もっと現代的に描けたのではないかなと。あと「あららぁ」という口癖は、良くも悪くもアニメ的なキャラ付けに思えました(可愛かったけどw)。キャラ付けに関しては、『シン・ウルトラマン』の時も同じこと思ったっけ。
とまぁ、こうした主に女性キャラの扱いといった部分に関しては、まだまだ前時代的だったように思いました。

サソリオーグ(演:長澤まさみ)とかは、『シン・ウルトラマン』で性的搾取が問題視されたのを悪い方向に振り切っていて、なんかもう逆に清々しいなと思いましたけどね。一周回ってすごい好きなキャラでした。出番が少ないのがもったいない。長澤まさみにあんな役させられるの、世界でも庵野さんだけなのでは…。

 

そして、変えたくないモノ。

上手く言えないんですが、仮面ライダーとは”という根幹の部分に関しては、とても良く出来ていたのではないかと思います。

冒頭のSHOCKERから逃走するシークエンスで、本郷が追手の戦闘員を容赦なく撲殺するシーンはインパクト抜群で、「うぉっ、マジか!」という新鮮な驚きがありました。いきなり血がバッシャバシャ出てくるのでビビりましたが、「パンチ一発で人体を容易に破壊出来るほどのパワーを持っている」というのが一目でわかる描写で、好感が持てました。子供向けヒーロー番組である以上、現行のライダーでは決して出来ない描写だと思いますが、ヒーローの持つ二面性とか、望まぬ力を手にしてしまった主人公の悲哀とか、これこそが“仮面ライダー”だと思わせてくれる、説得力のある描写なのではないかと思いました。

本郷が、最初から最後まで「戦うことや他人を傷つけることを躊躇する優しい人間」であり続けたのも、とても良かったです。『仮面ライダークウガ』に衝撃を受けて以降、「戦うことに葛藤し、心身ともに傷つきながらも、それでも誰かのために体を張れる人間」が僕の理想のライダー像なので、本作の本郷はまさにそれにぴったり当てはまる人物で、非常に僕好みでした。

 

また、本作の面白い点として、原作者である石ノ森章太郎作品のオマージュがかなりあったように思います。

ラスボスである緑川イチローチョウオーグ仮面ライダー第0号(演:森山未來)の変身後(というか変身前に顔に浮かぶ模様)のデザインは『イナズマン』、イチローという名前は(野球選手の方ではなく)キカイダー01』のオマージュですよね。ベルトのデザインは『仮面ライダーV3』のダブルタイフーンみたいでした。
ケイ(声:松坂桃李)という人工知能ロボットは、モロに『ロボット刑事K』ですね。ちなみに、ケイの声を松坂桃李がやってたのもパンフ見て初めて知りました…。スタッフロールで(以下略)。
あとこれは真偽不明ですが、ハチオーグが和風な衣装だったり刀を武器にしていたのは、怪人のスーツに東映時代劇の衣装を流用していたことのオマージュ…とかなんとか。
たぶん今挙げたもの以外にもまだまだあるのではないかと。

キャラだけでなく、当時と同じロケ地で撮影していたり、アングルや演出を当時と近づけてみたり、愛に溢れるオマージュが満載でした。いずれも「わかってないと楽しめない」というものではなく、「わかってるとより楽しめる」くらいの絶妙なラインなのが上手いなーと。さすがは生粋のオタク、庵野さんやでぇ。

 

おわりに

こんなところにしといてやるます。

なんとなくキャッチコピーの「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」にちなんだ構成にしてみましたが、いかがでしょうか。こういう小細工が上手くいった試しが無いので、ただ自分の首を絞めただけのような気がします。もうちょっとうまく出来るよう、精進します。

ここまでかなりのハイペースで製作されてきたSJHU。一応本作で最後となり、庵野さんはちょっと休むらしいですが、今後『シン・ウルトラセブン』とか、『シン・仮面ライダーV3』とか、作ってくれたら嬉しいなぁ。『シン・ゴレンジャー』とかも、期待しちゃおっかな…しちゃおっかな…シチャオッカナ…

ということで、映画『シン・仮面ライダー』の感想でした。
ではまた。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想(ネタバレ)

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

もくじ

 

概要

ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』『LAMB/ラム』など、ここ最近ヒット作に恵まれている映画配給会社、A24の最新作となるのが本作、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』です。やたら長いタイトルなので、日本では『エブエブ』と略されています。

MCUなどでも取り扱っているマルチバース(パラレルワールドのようなものと思ってください)を舞台とし、壮大でカオスな世界観が描かれているのが特徴となっています。アクションにも力が入っており、中国武術のカンフーなどを駆使した激しいアクションが楽しめます。
本国アメリカでも非常に高く評価されており、ゴールデン・グローブ賞4部門ノミネート2部門受賞、そしてアカデミー賞10部門ノミネート7部門受賞という快挙を成し遂げました。

 

監督・脚本は、ダニエル・クワンダニエル・シャイナートの、“ダニエルズ”と呼ばれるコンビ。
ミュージック・ビデオ出身の監督で、長編映画としては、2016年公開の『スイス・アーミー・マン』に続いて2作目。『スイス~』は、ハリー・ポッター役で一世を風靡したダニエル・ラドクリフが死体役で出演しているという非常にインパクトのある映画で、とても面白かったのを覚えています。

それから、アンソニー・ルッソジョー・ルッソが製作のひとりとして名を連ねています。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』を監督し、MCUの地位を不動のものとした立役者の、あのルッソ兄弟です。本作の脚本に惚れ込み、製作に携わることを決めたのだとか。なんかこのお二方の名前があるだけで、とてつもない超大作に感じてしまうから恐ろしい…。

 

キャスト陣は、香港映画界の大スター、ミシェル・ヨーを主演として、ベトナム出身の中国系俳優キー・ホイ・クァン、母方が中国系のステファニー・スー、両親が香港からの移民であるジェームズ・ホンなど、アジア系の俳優が多数出演しています。

特にキー・ホイ・クァンは、子役時代に『インディー・ジョーンズ』や『グーニーズ』などに出演していましたが、長らく武術指導などの制作側に回っていたようで、本作で約20年ぶりに俳優としてカムバックを果たし、話題になりました。また、ステファニー・スーは、本来オークワフィナが演じる予定だったのがスケジュールの都合で難しくなり、代わりにキャスティングされたそうです。渡辺直美に見えるところが結構ありましたが、高い演技力でスターの片鱗を見せてくれました。

詳細はwikiなどを参照していただければ…ということで、さっさと感想に参ります。

 

予告編


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あらすじ

アメリカでコインランドリーを経営しているエブリン・ワン(演:ミシェル・ヨー)は、日々の暮らしに疲れ切っていました。

店は常に自転車操業で、日々領収書の山とにらめっこする毎日。夫のウェイモンド・ワン(演:キー・ホイ・クァン)は優しい性格ではあるものの、イマイチ頼りがいがありません。また、娘のジョイ・ワン(演:ステファニー・スー)にはガールフレンドのベッキー・スリガー(演:タリー・メデル)がおり、頭の固い父、ゴンゴン(演:ジェームズ・ホン)にどう説明すればよいのか、頭を悩ませていました。

ある日、IRS(税務署のようなとこ)へ向かうエレベータの中で、突如ウェイモンドが豹変。「自分は“別宇宙のウェイモンド”だ」と言う彼は、全てのマルチバースを脅かす強大な悪、ジョブ・トゥパキという存在を倒せるのは君だけだと、エブリンに宇宙の命運を託してきます。突然そんなこと言われても無理無理…といった感じのエブリンですが、悪の刺客は次々と彼女に襲い掛かってきます。

しかもジョブ・トゥパキの正体はなんと、娘のジョイだったのでした――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

いやー、すごい映画でした。本当に見てよかった。

ハチャメチャが押し寄せてくるようなカオスな映像のオンパレードで、非常に楽しい鑑賞体験でした。マルチバースを舞台にしてるということは相当複雑な作りになっているのかと思いきや、特にそんなことも無く。恐らくそれは、マルチバースという壮大な風呂敷を広げてはいるものの、エブリンたちの「家族の物語」が大きな軸になっていて、そこからあまりブレることなく最後までストーリーが展開されるからなんだと思います。

日々の生活に忙殺され、やりたいことがあっても全て諦め、切り捨ててきたエブリン。「話がある」と言っても全く相手にせず、自分は必要とされていないんじゃないかと、離婚を切り出そうとするウェイモンド。自分のことを全く理解しようとしない両親に対し、反抗心を抑えられないジョイ。
そんな一家が再生していくまでの過程が描かれており、根っこにあるのがすごく普遍的なテーマなこともあって、わかりにくさはさほど感じず、映画に没入することが出来ました。

 

それともうひとつのテーマとして、「人には優しくしよう」みたいなのがあると思いました。

ジョブ・トゥパキの手引きで“真理”に触れたエブリンは、諦観の境地に至り、何もかもがどうでもよくなってしまいます。ある宇宙では凄腕料理人の秘密を公衆の面前で暴き、またある宇宙では店が差し押さえになり、元の宇宙でも離婚届にサインし…。

これで全て終わり…と思いきや、ウェイモンドの優しさが窮地を救ってくれます。そして、夫の優しさに触れたエブリンが再び娘を救うために奮起する展開は、とても感動的なものでした。そしてクライマックスでは、その優しさでもって敵として向かってくる人たちをどんどん救っていく、というのも本当に素晴らしいと思いました。

 

マルチバースへアクセスする際、別宇宙の自分自身と意識を繋げる“バース・ジャンプ”というものを駆使するのですが、ちょっと『ドクター・ストレンジ/MoM』のドリームウォークっぽいなと思ってしまいました。しかし、あっちが別次元の自分の意識を乗っ取るのに対し、本作では意識を乗っ取る場面もありましたが、どちらかというと「カンフーマスターとなった別宇宙の自分と繋がることで、こっちの宇宙の自分もカンフーを使えるようになる」といった、能力だけこっちに持ってくるようなものになっていたのが面白いなーと。各俳優の演じ分けも素晴らしかったですし、視覚的な演出もとても良くて、めちゃめちゃ引き込まれてしまいました。

バース・ジャンプをするためには、靴をわざと左右逆に履いたり、リップクリームを食べたりといった、「普段やらないような突飛な行動をする」必要がある、というのも、非常に斬新で面白かったです。そーいや、尻にトロフィー突っ込んで戦う人(ハゲじゃない方)を演じたのは、『シャン・チー テン・リングスの伝説』でデス・ディーラーを演じた人なんですよね。本作でもキレッキレのアクションを魅せてくれて最高でした。

 

で、ラスボスを倒すために別宇宙と繋がりまくってどんどん能力を持ってきた結果、ラスボスと同等の存在になってしまうという展開は、『仮面ライダー剣』のクライマックスを彷彿とさせて、なんかすごいグッときました。

『剣』をリアタイで見ていた当時は「これはこれでアリだな」くらいにしか思っていませんでしたが、「最強フォームが登場すると以降はそればっかりでしか戦わなくなる」という作劇上の都合みたいなのを、「アンデッド13体同時融合という無茶苦茶なことを繰り返すことで自身もジョーカーと同等の存在となり、敢えて決着を付けない事で人類滅亡を防ぐ」というラストに結び付けるの、今思うと本当によく出来てたなぁ。

 

そんなこんなで、これまで言葉を濁す事しか出来なかったエブリンは、ジョイにしっかりと向き合って自分の思いを告げます。ジョイもそれを受け止めて、家族の絆を取り戻すというラストには、思わず涙腺が緩んでしまいました。一番最初の家族でカラオケしてるカットは、もしかしてこの後だったのかな…と考えると、余計に感動してしまいました。

 

おわりに

感想は以上になります。

今年のアカデミー賞を総ナメにするほどの話題作ですので、気になった方はすぐに映画館へ行くことをおススメします。マルチバースに混乱せず、軸となる家族の物語に没入することが出来れば、きっと満足できると思いますよ。

ということで、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の感想でした。

ではまた。

映画『かがみの孤城』感想(ネタバレ)

映画『かがみの孤城』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

もくじ

 

概要

本作『かがみの孤城』は、辻村深月のベストセラー小説をアニメ映画化したものになります。

小説はハードカバー版や文庫版などを含め、累計発行部数170万部以上を記録している、大人気作品。辻村作品の最高傑作と呼ばれているとかいないとか。

他にも数多くのヒット作を発表しており、過去に『ツナグ』や『ハケンアニメ!』なども映画化されていますね。『ツナグ』は昔見た記憶がありますが、お涙頂戴な演出が露骨過ぎる気がして、正直あまり面白いとは思えなかったような。(あくまで映画版の話です)

 

確かしばらく前に王様のブランチかなんかで小説を紹介していて、面白そうだなーと思ってはいたものの、小説を読むのが苦手な僕はこれまで読めずにおりました。どれくらい苦手かというと、かなり読みやすい部類であろう『ハリーポッター』シリーズも、『炎のゴブレット』で挫折したほどです。なんというか、活字の羅列を見てると眠くなってくるんですよね…。数千字程度のブログであればまだ大丈夫なんですが、何万字もある小説となるとまた話が変わってくると言いますか。

なので、映画化するのであれば見ない手は無いと思っていて。
ただ、タイミングが合わなかったというのと、一時期日テレがやたらゴリ押ししててちょっと引いてしまったというのもあってなかなか見に行けず(『金の国水の国』も同じパターン)、2月初めに『バイオレント・ナイト』とあわせて見てきました。

ちょこちょこと感想を書き進めてはいたのですが、他の映画の感想を優先させていたというのと、僕如きの感想なんぞ記事にするまでもないなーという思いがあって、これまで投稿は控えていました。でもま、せっかくなんで上げとくかーという気分になってきたので、今更ながら投稿させていただいた次第でございます。

 

本作の監督を務めるのは、原恵一
クレヨンしんちゃん』シリーズの劇場版の監督を多く手掛けたことでも知られています。特に『嵐を呼ぶ モーレツ!大人帝国の逆襲』と『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』は各方面で絶賛され、数多くの賞を受賞しました。その後はフリーランスとして、『カラフル』『百日紅』『バースデー・ワンダーランド』などのアニメ映画を手掛けています。『はじまりのみち』という実写映画の監督も務めたんだとか。これは知らなんだ。

脚本は、原監督の作品の多くで脚本を務めている、丸尾みほ

キャラクターデザイン及び総作画監督には、『劇場版 青の祓魔師』や『劇場版 七つの大罪』などでも作画監督を務めた、佐々木啓悟

音楽は、NHK連続テレビ小説舞い上がれ!』などの、富貴晴美

アニメ制作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などで知られるA-1 Pinturesが手掛けているなど、豪華なスタッフが軒を連ねています。

 

声優には、俳優陣が多く参加しています。
めんどくさいので詳細は割愛しますが、最近アニメの声優を俳優がやるパターン、すごい増えてる気がしますね。まぁ、某女優さんの吹替みたいに全然キャラに合ってないのに話題性だけで起用されるアレではなく、ちゃんとキャラに合った人を選んでくれているので、全く不満は無いです。

メインキャストの中には高山みなみ梶裕貴といった有名声優も起用されており、「真実はいつもひとつ!」といったメタ的なネタも放り込まれるなど、なかなか楽しかったです。

 

公開開始は去年の12月で、もう劇場での公開が終わってしまっているところがほとんどだと思うので、簡単に感想を書いていきたいと思います。

 

予告編


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あらすじ

中学1年生のこころ(声:當真あみ)は、クラスの女子からいじめを受けたことが原因で、学校に通えなくなっていました。ある日、突然部屋の鏡が光り出し、こころはその中へ引きずり込まれてしまいます。

気が付くと、目の前には大きな孤城が。
城の中では、6人の男女が待っていました。どうやらこころと同年代で、ここへ来た境遇も同じようです。

案内人のオオカミさま(声:芦田愛菜)曰く、この城のどこかに“願いの鍵”があり、それを見つけた者は“願いの部屋”へと入り、願いをひとつだけ叶える権利が与えられる、とのこと。期限は来年3月末まで、それまでに見つけられなくてもペナルティがあるわけでもなく、城には日本時間で午前9時から午後5時までの間であればいつでも出入り自由、とのこと。

突然の出来事に戸惑う7人ですが、同じ空間で過ごす中で、交流を深めていきます。

そして、彼女らの胸の内に秘められた思い、そして隠された共通点が明らかになっていく――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

とても良いお話でした。

本作の登場人物は、いじめなどが理由で学校に通えなくなってしまった子供たちが主軸となっていて、見ていてすごくつらい気持ちになりました。自分の身になって考えてみると、本当に心が痛くなります。“孤城”というのは“敵に囲まれて身動きが取れなくなっている城”を指すそうで、彼らの心情はまさしくそういう状態なんでしょうね。

 

7人の男女には千差万別の思いがあって、いじめに遭ったり、ピアノが上達せずに挫折したり、姉と死別したり、親戚から○されそうになったりと、抱えている心の闇もそれぞれ違います。そして、そうした問題を打開しようとしてみたり、折り合いを付けたり、殻に閉じこもってみたり、向き合い方も人それぞれなのが、すごくリアリティがあって良いと思いました。

それと、オオカミさまは彼らに明確な答えをあげるわけでもなく、というかほぼ放置プレイ状態で、7人が交流を深めていく中で、自分たちで考え、自分たちが進みたい道を選んでいく、というのがまた良かったですね。

映画では尺の都合からこころにスポットを当てていましたが、恐らく小説ではひとりひとりをもっと深掘りしているんだろうなぁ。で、各々のドラマをもっと深く知ることで、この作品の感じ方もまた違ったものになるんだろうなぁ、と思いました。つい帰り道に本屋に寄って、小説買おうか小一時間悩んでしまいました。結局買いませんでしたが、気が向いたら電子版で買うかも。

 

個人的には、こころの母(声:麻生久美子)が、いじめのことを打ち明けた後に全力でこころの味方になってくれたのが、すごく胸に沁みました。
「お前にも非があるんじゃないのか」とか言いそうなもんですが、そうしたことは一切言わず、何ならこころがたじろぐほどに先生に食って掛かったりして、ああいうのが何よりの救いになるんじゃないかなぁ、と思いました。現実はなかなかこう上手くは運ばないとも思いますが、作者の願いというか、こうあって欲しいみたいな願望が込められているんじゃないかなーと。そして僕も、そういう大人でありたいと強く思いました。

担任の先生(声:藤森慎吾)の無能っぷりもまた絶妙でしたね。悪い人ではないんだろうけど、こころのような境遇の人の気持ちが1mmもわかんないんだろうなー、という、絶妙な塩梅。

 

ストーリー的な部分で言うと、「みんな学校行ってないんだろうけど、気まずくなるから言えない」とか、「自分達のことを話さないから知らなかったけど、話してみたら実は意外な共通点があった」とか、そういうのが物語上重要な伏線になっていたりするんですが、たぶん日本以外の国の人だったら最初からみんな普通に話しそうだなーと思いました。どっちが良い悪いという話ではないんですが、なんというか日本でしか成立しないというか、非常に日本らしいストーリーだなーと。

あと、鍵探しのルールを聞いた時点で、「あぁ、これは鍵を探させることが本来の目的ではなく、何か別の意図があるんだな」とすぐに予想がつきました。また、喜多嶋先生(声:宮崎あおい)の正体についても、割と早い段階で察しがつきました。でも、それらが完全に明らかになるのはかなり最後の方でしたし、それまであーでもないこーでもないと考えながら見るのがとても楽しかったです。オオカミさまの正体については、明かされなくてもいいと思っていたのであまり考えていなかったですが、ちゃんとラストで明らかになるのでちょっと驚きました。

ただ、最後まで「こころとその他大勢」みたいなキャラ付けだったのに、クライマックスで急にリオン(声:北村匠海)が準主役級に躍り出たので、若干の戸惑いがありました。恐らく、この辺も小説は上手いことやってるんだろうなぁ。やっぱ読むか…。

 

クライマックスの鍵の在処への道を出現させるプロセスは、本来ならみんなで×印のある場所に立ってうんぬん、とかだったんですかね。映画版特有なのか小説でもそうなのかはわかりませんが、泣かせようという製作側の思惑が先行し過ぎたのか、勢い重視でちゃんとした説明が無く、よくわからんことになっていたような…。叶える願いに関しては、すごく純粋で真っ直ぐな、子供ならではの願いですごく良かったと思うんですけども。僕ならどんな状況でも「一生遊んで暮らせるだけのお金をください」とか願っちゃいそうですし…。

ラストシーン、リオンだけは城での一連の出来事を覚えたままなのか、どうなのか。
僕はリオンも記憶を失っているけど、それでもこころを見て何かを感じ、声をかけた説を推したい。とにかく、敢えて含みを持たせた締め方で、とても良いと思いました。

 

おわりに

こんなもんにしときます。思ったよりもいっぱい書けました。

周りに言えない悩みを抱えてる学生さんとかに、ぜひ見て欲しい作品だと思いました。映画でも小説でも良いですが、この作品に触れることで、少しでも背中を押してもらえたような気分になってくれたら嬉しく思います。(何の関係も無い只の一視聴者のくせに)


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ということで、映画『かがみの孤城』の感想でした。

ではまた。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』感想(ネタバレ)

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

マーベルコミックを原作とした複数の実写映画を同一の世界観で描くクロスオーバー作品群、それが『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』。

本作は、マーベルコミックに登場するヒーロー、アントマンワスプを主役とした映画であり、2015年公開の『アントマン』、2018年公開の『アントマン&ワスプ』に続く、第3作目となります。また、本作はMCUフェーズ5の第1作目となり、新たな戦いの幕開けを告げる、記念すべき作品となっています。

アントマンのシリーズはMCUの中では比較的地味な印象ですが、なかなか個性的な存在感があると思っていて、個人的にかなり好きなシリーズ。終始明るめのテイストで気軽に見れますし、他の作品との繋がりも割と緩めなので、MCU入門編としてもオススメです。

 

もくじ

 

アントマン、そしてワスプとは

アントマンは、天才科学者ハンク・ピムが発見・開発したピム粒子を利用して、体のサイズを自在に変化させる能力を持ったヒーローです。蟻と同程度の1.5cmほどの大きさまで体を小さく出来る(本当はもっと小さくなれるけど危険なのでやらない)ことから、「蟻男=アントマン」と呼ばれています。

原作では、1962年に刊行されたコミックにて初登場。

ピム粒子の開発者であるハンク・ピムのほか、様々な人物がアントマンとして活躍していますが、MCUでは2代目アントマンである、スコット・ラングの活躍が主に描かれています。

 

ワスプアントマンと同様、ピム粒子によって体のサイズを自在に変化させる能力を持ち、更にスーツに装着された羽による飛行能力や、手首に装備されたブラスターによる射撃能力などを有しているヒーローです。アントマンが蟻なのに対し、ワスプは蜂の名を冠しています。

原作では、1963年に刊行されたコミックにて、アントマンのパートナーとして初登場しました。

MCUでは、原作でワスプとして活躍したジャネット・ヴァン・ダインに代わり、娘のホープヴァン・ダインが2代目ワスプとして登場しています。

 

これまでの変遷

MCUにおける彼らの活躍を簡単に振り返っていきます。

  • アントマン』2015年
    バツイチの元泥棒、スコット・ラングは、足を洗う決意をしたもののなかなか再就職が決まらず、再び犯罪の道へ走ってしまいます。盗みに入った豪邸にてアントマンのスーツを発見し、家主であるハンク・ピム博士にアントマンになって欲しいと告げられるスコット。初めは気乗りしなかったものの、娘に誇れる自分になるために、2代目アントマンとして、ハンクの元助手でピム粒子を軍事利用しようとするダレン・クロスイエロージャケットの野望を食い止めるのでした。

  • シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』2016年
    トニー・スタークアイアンマンの陣営と、スティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカの陣営とに分かれ、アベンジャーズ同士の対決が繰り広げられました。スコットは、以前サム・ウィルソンファルコンと戦闘したことがきっかけでスカウトされ、キャップ陣営のひとりとして戦います。この作品で、これまでとは反対に体を巨大化させる、ジャイアントマンの能力を初めて披露しました。

  • アントマン&ワスプ』2018年
    28年前に量子世界へ行ったまま行方不明となっている初代ワスプ、ジャネット・ヴァン・ダインを取り戻すため、研究に没頭するハンクとその娘、ホープヴァン・ダイン。前作ではスーツのみの登場だった2代目ワスプですが、この作品から本格的に活躍します。『シビル・ウォー』の件でFBIの監視下に置かれているスコットも、監視の目を逃れながら協力することに。量子の研究を狙うエイヴァ・スターゴーストとの戦いなどがありつつも、最終的にジャネットを量子世界から連れ帰ることに成功します。ラストでは、エネルギー採取のために量子世界を訪れたスコットを残して、ハンク、ジャネット、ホープデシメーションによって消滅してしまい、スコットは量子世界に取り残されてしまいます。

  • アベンジャーズ/エンドゲーム』2019年
    偶然にも量子世界からの帰還を果たしたスコットは、量子の世界は時間の概念を超越していることに気付き、アベンジャーズ量子力学を用いたタイム・トラベルの可能性を提案。ブルース・バナースマート・ハルクが装置を開発し、“タイム泥棒作戦”を決行。インフィニティ・ストーンを様々な時代から回収して、失った人々を取り戻すことに成功します。最後は復活したワスプも駆け付け、サノスとの最終決戦に勝利するのでした。

  • ロキ』2021年
    アントマンは出てきませんが、非常に関わりの深い作品なので紹介させていただきます。
    これまでMCUで描かれてきた時系列を神聖時間軸と定義し、マルチバースを監視し時系列の分岐が発生しないよう管理する、TVAという組織が登場しました。
    最終話では、TVAを創設した“在り続ける者”が登場。彼の死をきっかけに、無数のマルチバースが解放されることとなります。

 

本作概要

そうして、話は本作へと繋がっていきます。

これまでのアントマン単独作は、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の直後や、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の間といった、大作の後の箸休め的な立ち位置でした。それゆえか、どこか軽いノリを生み出していて、僕はすごく好きなんですけども。

しかし本作は、今後のアベンジャーズに向けた非常に重要な立ち位置となっており、マーベルファンであれば必見の作品となっているのが特徴。そのため、これまでよりも少々シリアス強めになってはいるものの、コメディチックな明るいテイストはしっかり保たれているので、MCUに触れたことが無い人でも楽しめる作品になっているのではないかと思います。

 

監督は、前2作に引き続き、ペイトン・リードが務めています。
数々のテレビドラマのほか、2009年公開のジム・キャリー主演の映画『イエスマン “YES”は人生のパスワード』なども監督しています。

脚本を書いているのは、ジェフ・ラブネス
2025年公開予定の新たなアベンジャーズ、『Avengers: The Kang Dynasty(原題)』の脚本も執筆しているんだとか。

 

主演も前2作と同様、ポール・ラッド
ブロードウェイ、テレビドラマ、コメディ映画など、活躍は多岐にわたる実力派の俳優です。

アントマンのパートナーであるワスプ役を務めるのは、エヴァンジェリン・リリー
ワスプ以外だと、『ホビット』シリーズのウリエルというエルフの役の印象が強いです。

次世代のヒーローともいえる、アントマンの最愛の娘を演じるのは、キャスリン・ニュートン
前2作ではアビー・ライダー・フォートソンというめちゃくちゃ可愛い子役が、『エンドゲーム』では成長した姿をエマ・ファーマンが演じていましたが、本作で再びキャストが変更されています。

本作のヴィラン(敵役)、そして今後のMCUにおいて非常に重要なキャラを演じるのが、ジョナサン・メジャース
ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』への出演で注目され、『ロッキー』シリーズのスピンオフ、『クリード』最新作にも出演しているなど、活躍が期待されている俳優です。

そのほか、ミシェル・ファイファーマイケル・ダグラスなどの豪華キャストも引き続き出演しておりますが、詳細は割愛。

 

予告編


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あらすじ

強敵、サノスとの戦いに勝利したアベンジャーズ

そのメンバーとして戦ったスコット・ラングアントマン(演:ポール・ラッド)とホープヴァン・ダインワスプ(演:エヴァンジェリン・リリー)は、一躍世界的に有名なヒーローとなりました。

スコットは過去の罪が免除され、街を堂々と歩けるように。道行く人々に声を掛けられ、自伝も出版してそこそこヒットするなど、充実した生活を送っていました。
ホープも、父ハンク・ピム(演:マイケル・ダグラス)より受け継いだ会社で様々な事業を展開し、成功していました。しかし、量子世界より帰還した母ジャネット・ヴァン・ダイン(演:ミシェル・ファイファー)は何か秘密を抱えているようで、なかなか距離が縮まりません。

ある日、スコットの愛娘キャシー・ラング(演:キャスリン・ニュートン)は、ハンクの助力のもと量子世界へ信号を送って監視する人工衛星を開発し、みんなに披露します。しかし、血相を変えたジャネットはすぐに装置を停止するよう警告。その瞬間、装置が暴走を始め、家族は量子世界へと吸い込まれてしまいます。

一体、量子世界で待ち受けているものとは。
そこには、ジャネットが抱える秘密が深く関係しているのでした――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

新たなバース、量子世界

アントマンのシリーズで非常に重要な要素である、量子の世界。それが本作の主な舞台となります。

量子とは何ぞやというと、原子や分子といったナノサイズのものや、それよりも更に小さな物質、あるいはエネルギーの単位のことだそうです。フィクションの分野では、宇宙や異次元などといった「未知の領域」と同じ括りで語られることがしばしばあります。

(1)量子ってなあに?:文部科学省

 

本作では、量子の世界にもマルチバースのような別宇宙が広がっていることが明かされます。しかもそこは、各バースとは時間も空間も切り離されているとかなんとか。MCU世界にはマルチバースだけではなく、ミラーディメンションヌールディメンションなどの別次元も存在していますが、更に量子世界という新たな世界も加わり、もう何が何やら。
あ、鑑賞するうえで専門的な知識とかは一切必要ありませんので、ご安心ください。(僕も知識はからっきしです)

 

自分達の細胞ひとつよりも小さな世界に、自分達と似たような容姿を持つ生物や、全く異なる生態を持った生物がいて、それらが独自の文明を作りあげていることを知り、驚きを隠せない一行。

スコット一家とホープ一家は別々の場所へ降り立ち、お互いを探すために行動することになるのですが、この量子世界を巡る冒険紀行みたいなパートがとても楽しかったです。ほんやくこんにゃく的な赤い液体を飲むことで言葉が通じるようになるなど、「どうして全宇宙人が英語を喋れるのか」という、映画などでよくある疑問をしっかり解消していたのも好印象でした。

 

頑張るお父さんスコットと、新ヒーローキャシー

スコットは相変わらずとても良いキャラでした。
みんなに顔は覚えられてるけどスパイダーマンだと勘違いされてるとことか、めっちゃ面白かったです。

何気に「ジャンプした瞬間に体を大きくすることでパンチの威力を上げる」みたいな、アントマンならではの戦闘テクがあるのがすごい良かったです。中盤で仮想変異体みたいなスコットがうじゃうじゃと出てきますが、「キャシーを救いたい」という思いは全員共通なのとかも最高でしたね。

 

スコットが溺愛している娘のキャシーは、強すぎる正義感から時折トラブルを起こしてしまうという、なんともティーンエイジャーらしいキャラになっておりました。『エンドゲーム』の時は幸薄そうな印象でしたが、元気になってくれて良かった。キャストが変わったのはそういう理由かもですね。

本作では紫色のスーツを装着し、パパ顔負けの活躍を見せてくれます。コミックではスタチュアスティンガーというヒーロー名があるようですが、本作では普通に「キャシー」と呼ばれていました。まぁ、周りみんな家族でしたしね。今後はきっとアントマンに代わるヒーローとして活躍していくんでしょうなぁ、楽しみです。

 

ホープ一家と、なぜか何も言わないジャネット

この世界のことをいろいろと熟知しているっぽいジャネットが道先案内人のような役割を果たすのですが、量子世界の危険性について家族に何も話していなかった、というのには驚きました。しかも、量子世界に来てからも「話はあとよ!とにかくついてきて!」みたいに歯切れの悪いことばかり言うので、流石にちょっとイラっとしました。そもそもあなたが最初からちゃんと説明してれば、キャシーは信号を送る装置も作ってなかったはずだし、今回のような事態にはなってないんですけど!?

 

ホープたちはアクシアと呼ばれるコミュニティで、ジャネットと旧知の仲であるクライラー卿(演:ビル・マーレイ)と会うのですが、『ゴーストバスターズ』などの数々の映画などに出演している大御所俳優、ビル・マーレイのサプライズ出演には驚かされました。

クライラー卿とジャネットはかつて男女の関係だったことが匂わされ、ムッとするハンクが可愛い。その後、「俺だって君以外の女性と関係を持ったことはある」と白状しますが、「でも続かなかった。なぜなら、君じゃなかったから」となる一連の流れはもうね、最&高でしたよ。

 

あとホープは終始ずっと影が薄かったですね…。
見せ場といえば、中盤でスコット助けるところと、ラストでスコット助けるところくらい?キャシーに出番を持っていかれている印象で、ちょっと残念。

1作目ではスコットを鍛える役割を担っていて存在感がありましたが、2作目では出番は多いもののペッツを巨大化するとこくらいしか印象に残ってないし、作品を重ねるごとに影が薄くなっているような…。

 

スーパーヴィラン、“征服者”カーン

一方スコットたちは、ジェントーラ(演:ケイティ・オブライアン)率いるレジスタンス的な集団と遭遇します。そこへ謎の軍勢が襲撃してきて、スコットとキャシーは捕らえられてしまいます。

牢に入れられた2人の前に現れたのが、“征服者”カーン(演:ジョナサン・メジャース)

Disney+のドラマ『ロキ』に登場した“在り続ける者”と同一人物…ではなく、彼の死によって解き放たれた、ロキシルヴィのような並行同位体(劇中では“変異体”と呼ばれていたので、以降はそう呼ぶことにします)。時間や多次元を行き来できる能力を持ち、マルチバース全体に無数の変異体が存在しているという、恐ろしい相手。今後、サノスに代わるアベンジャーズの宿敵として暗躍していくことが予想される、ウェーブ2=マルチバース・サーガのラスボスとなる存在です。

『ロキ』で初めてマルチバースを解放した時にも思いましたが、MCU内では決して花形とはいえないキャラの作品でこれだけ重要なことをやってのける、マーベル・スタジオの胆力というか構成力というか、ほんとすごいなぁと。ワンピースでいうと、ウソップがラスボス倒しちゃうようなもんですからね。

 

本作のカーンは、何者かによって量子世界に追放されたことがわかります。割とすぐに熱くなる性格や、時折見せる表情などから、もしかしてこのカーンは他の変異体を止めようとしていて、それで追放されたのでは?と思えてきます。容赦なく人を殺しまくっていたのでヴィランには違いないですが、一概に悪い奴ともいえないのでは…という絶妙な塩梅がすごく良かったです。

サイコキネシス的な力を使ったり手からビーム出したりしていましたが、最後はスコットと肉弾戦を繰り広げ、格闘能力も高いことを見せつけてくれます。『クリード3』への出演のために鍛え上げたマッスルをチラ見せしたかったのかな。

 

最高にイカスぜ、モードック

1作目でメインヴィランだったダレン・クロス(演:コリー・ストール)は、先の闘いで消滅したかと思われていました。しかし実は量子世界で生きており、カーンの手によってM.O.D.O.K.(Mental Organism Designed Only for Killing)として生まれ変わっていました。モードックはコミックでも非常に有名なヴィランで、異常に大きな顔から手足が生えているような、インパクト抜群の見た目をしています。

そんなモードックがいよいよ映画へ登場となったわけですが、映画でもものすごい存在感で最高でした。
彼の目的はスコットやハンクへの復讐ですが、劇中ではキャシーとの戦闘が多かった印象。キャシーに負けたあとの、「こんな姿になって、これから俺はどうしたらいい?」「何にだってなったらいいじゃない!クソ野郎以外のね!」というやり取りにはグッときました。そしてラストバトルでは、カーンのバリアを捨て身の特攻で打ち破るという活躍も見せてくれて、モードックがメインヴィランでも良かったんじゃないかと思うくらいに、大きく印象に残るキャラになっておりました。

 

今後の展開への種蒔き

モードックや蟻の活躍によって、どうにかカーンを倒すことに成功。
最後、元の世界へ戻るための動力源を破壊してしまい、スコットとホープは量子世界に取り残されてしまうのか…と思いきや、普通に再度ゲートを開いてすんなり戻ってきたので驚きました。まぁ、行き方は前作で既に確立されてるもんね…。

 

再び元の平穏な暮らしへと戻ったスコットたち。
ふと、本当にこれで良かったのか、自分はとんでもないことをしてしまったのでは…?という疑念が生まれます。

…が、一瞬で「ま、いっか!」となるのが笑えました。いやいいんかい!
こうした肩透かしというか、決して重たくならないような感じがアントマンのシリーズらしくて良かったですけど。

 

ミッドクレジットでは、カーンの無数の変異体が集まって、「アイツがやられたか…」「フン、所詮アイツは我らの中でも最弱…」的なやり取りをしているシーンが流れます。ファラオみたいなヤツとか、メカメカしいヤツとか、いろいろなパターンがあってワクワクしました。

ポストクレジットではロキ(演:トム・ヒドルストン)がチラッとだけ登場。カーンの変異体のひとりらしき人物を発見し、「カーンは帰ってくる」の字幕が出てきて、映画は終わってました。

 

おわりに

そんな感じで、感想は以上です。

アントマンらしいコミカルな作風は残しつつも、今後のMCUで起こるであろう大きな戦いへの序章ともなっている、とても良い作品になっておりました。
漫画とかでいうところの「○○編」の第1話といった立ち位置の作品になっておりますので、MCUをまだ見たことがないという方は、本作から見始めても良いのではないでしょうか。

ということで、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の感想でした。

ではまた。

映画『BLUE GIANT』感想(ネタバレ)

映画『BLUE GIANT』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

もくじ

 

概要

BLUE GIANT (ブルージャイアント)』は、2013年よりビッグコミックにて連載されている、ジャズを題材とした漫画。
作者は、『岳(がく) みんなの山』でも知られる、石塚真一氏。

世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公が成長していく姿が描かれており、2016年からはヨーロッパを舞台にした第2部『BLUE GIANT SUPREME (ブルージャイアント シュプリーム)』が、2020年からはアメリカを舞台にした第3部『BLUE GIANT EXPLORER (ブルージャイアンエクスプローラー)』が連載中。

胸を熱くするストーリーや演奏シーンの圧倒的な表現力から、“音が聞こえてくる漫画”と呼ばれ、累計発行部数920万部を記録する、大人気の作品となっています。作品名を冠したコンピレーション・アルバムが発売されたり、超有名ジャズクラブであるブルーノート東京にてライブイベントが開催されたりと、現実のジャズシーンにも大きな影響を与えています。

 

僕は、この漫画が本当に大好きでして。

読み始めたきっかけは、最初の舞台が僕の地元である宮城県仙台市で、主人公が毎日練習していた広瀬川の河川敷は、僕が以前住んでいた家のすぐ近くだったことでした。なので自然と主人公に感情移入出来て、彼らの織り成す熱い物語にすぐに引き込まれました。それから、上記の通り僕もこの漫画から音が聞こえてきたクチであり、圧巻の演奏シーンには何度も泣かされました。現在連載中の漫画の中で一番好き、と言ってもいいくらいに、オススメの作品です。

 

そんな『BLUE GIANT』がアニメ映画として映像化されたのが、本作となります。

読者の脳内で鳴り響いていた音が、実際に吹き込まれることとなったわけです。それもただの音ではありません。詳しくは後述しますが、超一流のジャズプレイヤーたちが奏でる、“本物の音”です。

 

監督を務めるのは、アニメ制作会社マッドハウス出身の、立川譲
2018年の『名探偵コナン ゼロの執行人』のほか、今年4月に公開される最新作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』でも監督を務めています。

脚本を書いているのは、漫画でも原作・原案を務める、NUMBER 8
これは作者である石塚さんの担当編集者の別名義なんだとか。作者と編集者、二人三脚で執筆しているということですね。

 

3人の主要キャラクターの声を担当するのは、豪華俳優陣。

主人公のサックス奏者を演じるのは、山田裕貴
海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルー役でデビューし、その後も『HIGH & LOW』シリーズや実写版『東京リベンジャーズ』などに出演する、大人気俳優です。どーでもいいですが、僕は彼と誕生日一緒です(無駄に誇らしげに)

主人公のバンド仲間となるピアノ奏者を演じるのは、間宮祥太朗
TV、映画、舞台と幅広く活躍しており、見ない日は無いというくらいの大人気俳優ですね。バラエティ番組でもしっかり爪痕を残している印象があり、器用なんだなーと思っています。

主人公の幼馴染であるドラム奏者を演じるのは、岡山天音
高い演技力から数々の映画やドラマなどに出演している、これまた大人気俳優です。個人的に、2014年のドラマ『家族狩り』での衝撃的な最期が印象に残っています。

そのほか、木下紗華乃村健次木内秀信東地宏樹といった、豪華な声優陣が脇を固めています。

 

そしてなんといっても、本作の音楽。

まず、映画音楽および、劇中で演奏されるオリジナル楽曲の作曲、さらにキャラのピアノ演奏を担当するのが、日本のジャスシーンのトップランナーであり、世界的ジャズピアニストの、上原ひろみ。ジャズに疎い僕でも知っている、超有名人です。

サックス演奏を担当するのは、バンドJ-Spuadのメンバーとして報道ステーションのテーマ曲を手掛け、ドリカムなどとも共演経験のある、馬場智章

ドラム演奏を担当するのは、millennium paradeくるりのサポートメンバーのほか、数々のPVや映画の音楽などを担当している、石若駿

こうした世界的にも有名なジャズプレーヤーたちが音楽を担当しており、相当なこだわりが窺えます。

 

なので、出来るだけ良い音響設備の映画館で見ることを強くオススメします。僕はTOHOシネマズ新宿のDOLBY ATMOS上映にて鑑賞しましたが、大迫力のサウンドが感動をもう一段階底上げしてくれているように思いました。

FIRST NOTE

FIRST NOTE

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さて、熱量が高くてすっかり前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ感想に移らせていただきます。

 

予告編


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あらすじ

仙台出身の宮本大(声:山田裕貴)は、世界一のジャズプレイヤーになることを夢見て、雨の日も風の日も、大雪の日もテナーサックスを吹き続けました。

高校卒業を機に上京した大は、東京の大学に通う幼馴染の玉田俊二(声:岡山天音)の家に転がり込みます。

大の演奏に圧倒された凄腕ピアニスト、沢辺雪祈(声:間宮祥太朗)と、大に感化されてドラムを始めた玉田と共に、3人はバンド“JASS”を結成。

彼らの目標は、日本最高のジャズクラブ、So Blueのライブに10代で出演すること。それは「階段を100段飛ばしするようなもの」「高校球児がメジャーリーガーに勝つようなもの」であり、限りなく不可能に近いことでした。

しかし、彼らの熱意が、全力で挑む姿勢が、次第に奇跡を起こしていく――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

最高でした。それ以外にないです。

鑑賞中、ほぼずっと泣いていました。そしてクライマックスでは、余りの感動に体がガクガクと震えだしました。そんなんなったの初めてなので、自分でもビックリです。

 

本作は無印の仙台編~東京編までを描いていますが、序盤の仙台編はごっそりカットされ、開始数分でもう上京します。

兄ちゃんが初任給全額はたいて一番いいサックスをプレゼントするとことか、仙台編も号泣ポイント盛りだくさんでめちゃくちゃ面白いので、映像で見てみたかった気持ちはあります。また、大が努力してきた過程をすっ飛ばしてしまうと、雪祈を泣かせるほどの演奏技術を持っていることに、原作未読の人は若干の説得力不足を感じてしまいそうだなぁと。ですが、最も映像化すべきはやはりJASSの話であり、そこにフォーカスを絞ることで彼ら3人の物語がより際立っていたので、個人的にはとても良い判断だと思いました。

尺の都合もありどうしても省かれてしまうところがあって、駆け足気味に感じるところもあります。ですが、要所要所は押さえていたかなと思うし、かえって疾走感のようなものを生み出しているようにも思えたので、あまり不満は感じませんでした。

 

本作で最も重要な要素である音楽ですが、これがもうあまりにも素晴らしすぎました。

僕の頭の中でイメージしていた音が、そのイメージ以上のパワーでもって耳から聞こえてくるので、演奏シーンは毎回鳥肌が止まらなかったです。僕はジャズには全く詳しくないですが、なんとなく音から感情まで伝わってくるような気がして、これは漫画を読んでいるときには得られなかった感覚なので、更に感動出来ました。

あと、玉田のドラムが最初はちゃんとヘタクソで、その後どんどん上達していく様がちゃんと表現されていて、演奏の演技力?(正確な言い方かはよくわからん)が本当に秀逸だと思いました。

 

それから、この作品の良いところは何といってもその熱い物語ですが、映画でもその熱さはしっかりと表現されていました。

JASSの3人は、決して才能豊かな人物というわけではないんですよね。そんな彼らが、目標に向かってひたむきに努力していく姿が、胸を熱くさせるわけです。また、玉田が他の2人との実力差を痛感してしまうところとか、雪祈がボロッカスに言われてへこむところとか、“持たざる者”である彼らが、時に挫折を経験したりしながらも前に進んでいくところが、僕がこの作品を好きな理由なんです。その辺は映画でもちゃんと描かれていたので、違和感なく物語に没入することが出来ました。

 

そうして毎日を全身全霊で突き進んでいくことで、少しずつ周りからの支持を獲得していき、遂に彼らは目標であるSo Blueへの出演を実現させます。

しかし、ここでそう上手くいかないのがニクイところ。
雪祈が交通事故で重傷を負ってしまい、出演は絶望的に。メンバーのひとりが出演出来ず、代わりもいないとなれば普通はライブは中止となりそうなもんですが、大と玉田は2人だけで出演することを決断します。それを許してくれる平さんの熱さとかもまた泣けるんだこれが。

普段からあまりネガティブな感情を表に出さない大ですが、病院にいる雪祈から解散を告げられた時に、この映画で初めて涙を流すんですよね。原作ではそれ以前にも何度か大が泣くシーンはあった気がしますが、映画ではここまで取っておくことで、感動をさらに増幅させていました。

WE WILL

WE WILL

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ライブで演奏する『WE WILL』はもうね…
2人の演奏から伝わってくる悲しさと、それでも前に進み続けるという強い思いに、涙がちょちょぎれるほどに泣いてしまいました。これまで実力不足からソロをやらせてもらえなかった玉田の、満を持してのドラムソロがまた本当に良かった。

ただ、映像化するうえで仕方ないとはいえ、演出面はちょっと過剰なところがあったので、視覚よりも聴覚の方に意識を集中させて鑑賞するといいかもしれません。(僕がそうしたので)

 

で、最後の展開は、原作とは少々違ったものになっております。
詳しくは是非見ていただきたいところなので伏せますが、こっちもアリだなと思わせる、とても良いものでした。

 

おわりに

はい、こんなもんにしときます。
しっちゃかめっちゃかな文章になってしまい、申し訳ありません。好きな作品ほど上手いことまとめられないのはなんとも歯がゆい。

THE FIRST SLAM DUNK』から間を置かずにこんなにも素晴らしいアニメ映画が連続で公開されるというのは、とても喜ばしいことですね。あ、あとアニメ映画と言えば『かがみの孤城』もとても良いものでした。こちらもいずれ感想書きたいと思います。

ジャズに触れたことが無いという方でも間違いなく感動出来る作品になっていると思いますので、ぜひ多くの方々に見てほしいです。

僕もサントラ絶対買おう。

BLUE GIANT

BLUE GIANT

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ということで、映画『BLUE GIANT』の感想でした。

ではまた。

映画『バイオレント・ナイト』感想(ネタバレ)

映画『バイオレント・ナイト』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

 

もくじ

 

概要

クリスマスを舞台としたブラックコメディ・アクション映画、それが本作、『バイオレント・ナイト』です。
誰もが知っている超有名老人、サンタクロースを主人公とし、B級映画などでありがちな、サンタが悪い大人をぶっ殺しまくる、バイオレンス・アクション作品となっております。

本作は、2021年公開の『Mr.ノーバディ』、2022年公開の『ブレット・トレイン』を手掛けた、アクション映画に特化した映画制作会社、87ノース・プロダクションズの最新作。この会社、2019年設立と非常に若い会社なんですね、知らなかった。現在公開されている作品は本作を含めてまだ4作と、まだまだ新進気鋭の会社と言えるかと思います。

 

監督を務めるのは、2013年公開の『ヘンゼル&グレーテル』などで知られる、トミー・ウィルコラ。ホラー、コメディ、アクションといったジャンルの作品を多く監督しているようなので、ぴったりの人選ですね。

脚本は、『ソニック・ザ・ムービー』などの脚本も書いている、パトリック・ケイシージョシュ・ミラーが務めています。

主演は、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』で注目を集め、MCU作品『ブラック・ウィドウ』ではナターシャ・ロマノフブラック・ウィドウの義父を演じた、デヴィット・ハーバー。何気に、2019年公開のリブート版『ヘルボーイ』でも主演やってるんですね。ギレルモ版は大好きなんですが、リブート版はまだ見れてないや。

そのほか、『ジョン・ウィック』など数多くの映画へ出演し存在感を発揮しているジョン・レグイザモや、AmazonPrimeのドラマ『ザ・ボーイズ』にて、透明化能力を持ち、最期は尻から爆弾入れられて爆発四散するヒーロー、トランスルーセントなどを演じているアレックス・ハッセルら、多くの俳優陣が出演しています。

 

個人的な感覚ですが、公開直前の今年1月はyoutubeの広告やらTVCMやらで本作の宣伝をよく目にしていて、前々から見たいと思っていた僕は「そんなにゴリ押ししなくても見るから!あんまり押しが強すぎると逆に見る気失くすわ!」という気持ちになりました。見たい気持ちが強かったので今回は持ちこたえましたが、ちょっと気になってる程度の作品だったら多分見てなかったと思います。危なかった。

あ、本作はそこそこグロいので、苦手な人はご注意を。

 

予告編


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あらすじ

クリスマス・イブの夜。

サンタクロース(演:デヴィット・ハーバー)は、近頃の物質主義的な子供たちに嫌気がさしており、今年でサンタを引退しようと考えていました。

とある豪邸へプレゼントを届けようとした際、傭兵軍団が襲撃してきて、家族は絶体絶命のピンチに。すぐにその場を離れようとするサンタですが、銃声に驚いたトナカイは彼を置いて逃げてしまい、移動手段を失ってしまいます。

運悪く巻き込まれてしまったサンタは、たったひとりで傭兵たちに立ち向かわざるを得ない状況に――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

率直に、期待通りの非常に楽しい映画でした。

プレゼントのステッキや、ツリーの飾り、キャンディーケインを舐めて尖らせたものなど、クリスマスにちなんだもので悪党を次々とぶち殺していく様は、痛快そのもの。心優しいイメージのサンタが容赦なく暴力を振るうそのギャップも相まって、ブラックなジョークが利いていて大変面白かったです。モロに『ホーム・アローン』な展開もあって、めっちゃ笑わせていただきました。悪い大人が子供の罠に引っかかってコミカルな姿を晒す、あのフォーマットはやっぱり鉄板ですね。

 

各キャラクターも、とてもユーモラスで魅力的でした。

特に好きなのは、幼少期の体験からクリスマスを毛嫌いしている傭兵軍団のリーダー、スクルージ(演:ジョン・レグイザモ)と、売れない俳優(※めっちゃバカ)モーガン(演:キャム・ギガンデット)あたりかな。敵キャラは、三度の飯より殺人が好きなサイコパス野郎や、顔は怖いけど「あいつ、もしかして本物のサンタかも…?」って信じちゃうお茶目な女性など、みんなキャラが立っていて最高でした。
あとはやっぱり、物語のキーパーソンとなる純粋な心を持った少女、トルーディ(演:リア・ブレイディ)がとっても可愛かったです。守りたい、この笑顔。

 

基本は何も考えずに楽しめる痛快娯楽作ですが、名前や犯罪歴をはじめ良い子か悪い子かがすぐにわかる巻物状のリストや、何も入っていないように見えるけど中に手を突っ込むとプレゼントが出てくる袋、サンタの上位者っぽいミセス.C(Sだったかも)の存在など、サンタ周りの設定が意外としっかりしていたのも好印象。最終的には「クリスマス・マジックだよ!」で押し切っていた気もしますが…。

ほかにも、サンタになる前はバイキングっぽいことをやっていた設定にして、やたらと戦闘力が高いことに説得力を持たせていたりと、なるべく破綻の無いようにうまいこと考えられているなーと思いました。バイキング時代に使っていた“脳天潰し”とかいう武器とよく似たハンマー(ゾンビ映画とかで良く見るヤツ)を見つけてからの、無双の如き大暴れっぷりも爽快感抜群でしたね。
余談ですが、英語での名前“ヘッドクラッシャー”よりも、邦訳の“脳天潰し”の方がすごい下品(笑)で個人的に好きです。

 

不満があるとすれば、なんで日本での公開は2月やねん!という点。

本国アメリカでの公開は、2022/12/02から。時期的にもバッチリですね。対して日本での公開は、2023/02/03から。今年の立春は02/04なので、暦ではもう春やで…。クリスマスを舞台にしてるんだから、どうにか2022年内公開にしてくれよ、という思い。

作品としてはとても良いだけに、ここだけ惜しいなぁ、と思ってしまった次第です。

 

おわりに

短めですが、感想は以上になります。

小さい子供たちには見せられない内容かと思いますが、大きな子供たちにはピッタリの作品になっていると思います。もうクリスマスシーズンはとうに終わっているので、今年の年末にでも見てみては…ってのはちょっと強引か。

ということで、映画『バイオレント・ナイト』の感想でした。

ではまた。

映画『マッドゴッド』感想(ネタバレ)

映画『マッドゴッド』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

目次

 

概要

フィル・ティペットという方をご存じでしょうか。

今ほどCGの技術が発展していなかった1980年代は、映画撮影にストップモーション(人形などを少しずつ動かして撮影し、それをコマ送りのように連続して見せることであたかも動いているかのように見せる映像技法)が頻繁に用いられていました。フィル・ティペットはそんな時代に活躍したストップモーション・アニメーターで、その道では知る人ぞ知る、特殊効果の第一人者です。『スター・ウォーズ』のAT-ATのシーンや、『ロボコップ』の巨大ロボットとのバトルシーンなど、彼のことは知らずとも、彼が手掛けたシーンの数々は多くの人の心に残っているのではないでしょうか。ジョージ・ルーカススティーヴン・スピルバーグギレルモ・デル・トロなど、錚々たる面々から称賛の声が上がっていることからも、彼の功績がいかに大きいものだったのかがわかります。

 

そんな映画界に無くてはならない人物だったフィル・ティペットですが、90年代に転機を迎えます。
スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』の撮影時、当初は恐竜のシーンにはストップモーション(正確にはフィルが発明したゴー・モーションという技術)が使われる予定でした。しかし、CGで作られた恐竜の映像があまりにも素晴らしかったことから、全ての映像をCGで制作する方針に変更され、フィルは降板となってしまいます。結局再び招聘され恐竜全体の動きなどを監修したそうですが、その時の彼の絶望感は凄まじかったようで、「オレの仕事は絶滅した」と漏らし、数週間寝込んでしまうほどだったそうです。

 

本作の構想は1990年公開の『ロボコップ2』の撮影後からあったようで、個人的に制作を続けていたそうですが、上記の『ジュラシック・パーク』でのショックからその制作は中断されてしまいます。そこから20数年後、彼の会社であるティペット・スタジオの若いスタッフが制作途中の人形やセットを発見し、彼らの熱意に押される形で本作の制作は再始動。クラウドファンディングで制作資金を募ったところ、目標を大きく超える額が集まり、そうして構想から約30年もの年月をかけて完成したのが、本作『マッドゴッド』になります。

全編がストップモーションと時折実写も混ざった独特な映像で構成され、フィル・ティペット監督の悪夢を元にしたという、まさにこの世のものとは思えない凄まじい世界観が最大の特徴となっています。

 

…とまぁ、こんなWikipediaなどを見ればすぐにわかるようなことをなぜわざわざ書いたかというと、この辺の話も本作の一部として欠かせないと思ったからです。こうした事情を知った上で鑑賞すると、より本作を楽しめるのではないかと思います。

 

さて、前置きはこのくらいにしておいて、ぼちぼち感想の方に移らせていただきます。

 

予告編


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あらすじ

おぞましい怪物たちが跋扈する、地下深くの暗黒世界。
ラストマン(演:アレックス・コックス)と呼ばれる男によって、地上よりアサシンと呼ばれる人物が地下へと派遣されます。

そこで彼が目撃したのは、まさしく“地獄”と呼ぶにふさわしい、混沌極まりない世界――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

本作には、セリフも無ければ世界観の説明もありません。そのため、どうして人類は絶滅寸前なのか、どうして地下には怪物たちがいるのか、最後まで見てもよくわからないままです。ストーリーも、中盤辺りまではアサシンが何らかの目的をもって地下世界を探索するという流れがありますが、後半からはそれも崩壊し、何が何やらな展開となっていきます。最後はビッグバンが起こって宇宙が再構成されるような、幻想的ともとれる結末を迎えることとなります。

そのため、どういうお話なのかを理解するのは非常に困難な作品ではあるかと思います。ですが、ぶっちゃけ何も理解する必要は無く、ただそのおどろおどろしい映像に身を任せていればよいのではないかと、僕はそう思いました。

 

地下の世界では、不快極まりない場面が満漢全席の如く次々とお出しされます。
拷問を受けて糞尿を垂れ流し続ける人がいたり、その排泄物からシットマンと呼ばれる労働者が大量生産されてはゴミ同然に潰されたり燃やされたり、ファンシーで可愛らしいキャラが出てきたと思ったら速攻食われたり、お腹を開かれて中身をぐちゃぐちゃにされたり、etc...
地獄絵図とはまさにこの事かと言わんばかりの映像の数々に、終始圧倒されます。

それはもう、フィル・ティペットの頭の中を覗き見るような、彼の見ている世界はこんなにもドス黒いものなのかと思わせるような…あぁもう僕の拙い語彙力では言い表せない。とにかくすごかったです(小並感)。

 

そうした地下世界が、僕らが暮らしている現実の世界とさほど変わらない、というのも皮肉が効いてるなぁと。

互いが互いを貪り合う、残酷で無秩序な世界。弱い者はどこまでも搾取され、使えなくなれば捨てられる、弱肉強食の世界。そんな世界は、現実にも確かに存在しています。フィル・ティペット監督は本作を通して、そうした世の中の“地下”に潜む暗部を浮き彫りにしている…のかもしれません。

 

ミニチュアとはとても思えない、壮大な世界観。実写でもアニメでも出せない、ストップモーションならではのリアリティと、非常にグロテスクながらどこか愛嬌のあるキャラクターたちが生き生きと動き回るさま。僕はグロは苦手な方ですが、ストップモーションは大好きということもあり、次から次へと押し寄せる凄まじい映像に興奮しっぱなしでした。それはもう、途中で何度か意識を失ってしまうほど。

…まぁ、単に寝てただけなんですけど。

いやね、セリフも無く、ひたすらに色んな景色を見ているだけだと、こちらも夢を見ているような感覚になると言いますか、トリップするような感覚になるんですよね。今見ているこの悪夢は自分のなのか、それともフィル・ティペットが想像し、創造したものなのか、なんだかよくわからなくなって気付いたら軽く意識をなくしてました(笑)

ストーリーなんてあってないようなものなので、見てない箇所があっても「あれ?これってどういうことだ?」みたいなのが一切無いという親切設計。というか、見てようが見てなかろうがどの道よくわからない、といった方が正確ですね。朦朧とした意識で見るほどこのトリップ感は増幅すると思うので、むしろこれこそが正しい見方なのでは、とすら思えてきます。だから寝たのも決して悪いことではないッ!(…と強引に自分を正当化してみる)

 

ちなみに、僕が本作を見ようと思ったのは、大好きな映画『JUNK HEAD』との類似点が多かったからでして。

地上の人類は絶滅寸前であることや、クリーチャー蔓延る地下世界を探索するというプロット、そして何よりストップモーションで制作されているということ。似ている点は非常に多いです。個人的な好みでいえば、どことなくポップで可愛らしい『JUNK HEAD』の方が好きかなぁ。でも気分によってどっちが好みかは変わってくると思います。それくらい甲乙つけがたい。

どちらかがパクった、という話をしているのではありません。こうした作家性の色濃い、監督自身の内面をさらけ出したような映画が短期間で複数公開されるというのは、ある意味“奇跡”だよなぁ、という話です。実際、お互い通づるところがあるのか、フィル・ティペット監督と『JUNK HEAD』の堀貴秀監督は対談もしています。

あ、そーいや余談ですが、この対談とか、場面写真の数々とかが載っているパンフレット、売り切れてて買えなかったのが残念。売り場にサンプルがあって目を通したら最高極まりなかったので、是非とも手元に置いておきたかった。公式通販でも売り切れてたので、現状買う方法が転売しかない…(でも奴らから買うのは死んでも御免)。増刷してくれたりしないかなぁ。

 

おわりに

これ以上語ることも無いので、この辺にしときます。
なんかすごく乱雑な文章になってしまったので、気が向いたら加筆修正するかも。

かなり人を選ぶと思うので、気軽におススメは出来ませんが、好きな人にはめちゃくちゃ刺さる作品だと思います。少しでも物語を理解したい、あの地下の暗黒世界にまた浸りたい。そうやって何度も何度も鑑賞することで味わいを増していく、スルメのような映画なのではないかと。3部作の構想もあるそうなので、もし実現したときには必ず見に行こうと思います。

ということで、映画『マッドゴッド』の感想でした。

ではまた。

明けちゃった2023

明けましておめでとうございます。
早いもので2022年もあっという間に過ぎ去り、気付けば2023年となってしまいました。

まさか…“時が加速”しているのか…!?

このままでは“世界が一巡”してしまう…!

もくじ

 

2022年を振り返って

去年は、36本の記事を投稿することが出来ました。
ちょうど月に3本ペースですね。自分としては非常に良いペースだと思っています。

 

最近、映画館へ行くのがとても楽しいです。休みの日は、家でダラダラしてるか、近所のスーパーに買い物行くか、映画館へ行くか、ほぼこの3択になってしまっています。映画が無ければほぼ家から出ない引きこもりになっていたと思うので、そういう意味でも感謝ですね。

対して、家で映画を見る頻度は減ってしまいました。全く見ていない訳ではないのですが、なんだろう、モチベがどうにも上がらなくて。録り貯めてたバラエティ番組の消化とか、Disney+のMCUドラマを見てたら、他の映画を見ている余裕が無かった、というのもあります。
ただ、こないだ冬のボーナスを使って10年近く使っていたテレビを新調し、40型→50型にサイズアップ、更に4K対応になったので、今はモチベが上がってきています。加入してるサブスクも年末に少し整理したので、いい加減NetflixやTTFCに加入して、見たいヤツどんどん見て行きたいですね。

 

書き忘れ:去年は遂に、重すぎる腰を上げて引っ越しをしました。

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もうすぐ住み始めて1年が経ちますが、今のところ部屋は非常に快適です。
最寄駅もすぐそばなので、交通の便もなかなか。近くにお店は少ないですが、自転車を走らせれば色々あるので、悪くないです。

そーいや、引っ越してすぐに自転車を買いました。前の家ではなんか買う気にならなくて買ってなかったんですが、何かと不便を感じていたのと、周辺の地理を把握するために散歩してたらすぐ近くに自転車屋があったので、これを機に買ってやろうと。
ちなみに、一応車の免許も持ってはいますが、ほぼ運転してないペーパーゴールドです。

いやー、自転車ってホント便利ですね(何を今更な文章)。おかげで、行動範囲が劇的に広がりました。高校の頃は片道1時間近くかけて毎日自転車で通学してたなぁ…と思いを馳せつつ、役所まで行ったり、夏頃にはちょっと遠出して荒川の方まで行ったりしました。年々体重が増加傾向の一途を辿っていてヤバイので、ダイエットの為にももっと頻繁に乗ってやらねば。。

 

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超個人的!2022年見てよかった映画

去年も全く同じこと言ってますが、「2022年の総括!」とか「僕の私のベスト10!」とかは、めんどおこがましいのでやりません。
その代わりと言っては何ですが、個人的に見てよかったと思った映画をいくつかご紹介させていただきます。ランキングを付ける気も無いので、公開日順に並べていきますね。

 

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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これまでに実写映画化されてきた全てのスパイダーマンと全てのヴィランが集結するという、とんでもない映画。
それだけでもすごいのに、ひとつの映画としても完成度が高く、更にこれまで救われてこなかったキャラクターに救済まで与えるという、奇跡としか言いようのない作品です。これまでのシリーズもリアルタイムで楽しんできた僕のような人間にとっては、ご褒美以外の何物でもない。本当にありがとうございました。

 

仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏(トリオ)』

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子供向けヒーロー番組では絶対に踏み込めない領域に、Vシネマという媒体を使って果敢に挑戦した作品。
TV版を全話視聴して、「まぁ決して嫌いではないけどゴニョゴニョ」みたいな印象だったセイバーですが、これを見て作品全体としての評価が僕の中でかなり上がりました。思うところはあれど、お気に入りの作品です。
あとどういうわけか、当ブログの中でこの記事を見てくださっている方が多いようで、書いてよかったなぁと。

 

仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』

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ライダーからもうひとつ。
歴代仮面ライダーの中でもトップクラスに大好きな作品の、その結末を見届けることが出来て本当に良かった。それは決して僕らが望んだものではなかったかもしれないけれど、製作陣が真摯に作品と向き合ってくれたことがこの作品を通して伝わってきたので、僕は非常に肯定的に受け止めています。

 

アバター ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』

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絶賛公開中の続編ではなく、前作の方のリマスター版。
こだわりにこだわり抜いた映像美と世界観。リマスターされているとはいえ、10年以上前の作品ながら今の作品を凌駕するそのクオリティに、終始圧倒されてしまいました。「楽しみにしているヤツほど後回しにする」僕の悪い癖を、初めて「良くやった!」と褒めてやりたくなったという点でも、印象に残る作品になりました。

 

『THE FIRST SLAM DUNK

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個人的、2022年最大のダークホース。
決して嘗めていたわけではないけれど、期待値低めで鑑賞したら、ものすごい感動してしまった作品。「見てよかった」という観点では、これが個人的、2022年のNo.1です。
そーいや、これと比較してTVアニメ版をこき下ろす人がちらほらいるらしいですが、「それは違うだろ」というのは声を大にして言いたいところ。確かにこれほどまでのものは劇場アニメでなければ難しかったかもしれないけど、だからといってTVアニメを貶める必要は皆無じゃないですか。

 

おわりに

まだまだありますが、こんなもんにしときます。

今年も楽しみな作品が続々公開予定なので、マイペースに記事をアップしていければと思います。それと、今年は『トライガン』や『るろうに剣心』など、僕がバイブルとしている漫画が再アニメ化されるので、もしかするとそちらの方の記事も書くかもしれません。

当ブログを目に留めていただいた方に少しでも有意義な記事になるよう、今後も文章とかレイアウトとか、模索していきたいと思います。

今年はうさぎ年ということでラビラビ。

ということで、今年もどうぞよろしくお願い致します。

映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』感想(ネタバレ)

映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

仮面ライダーバイス』は、2021~2022年にかけてTV朝日系列にて放送されていた、仮面ライダーシリーズの1作。
そして、後番組として2022年から放送中なのが、『仮面ライダーギーツ』となります。

 

バイスは『仮面ライダーBLACK SUN』と同様、仮面ライダー生誕50周年記念作品”という位置づけで制作されました。ただ、『仮面ライダーディケイド』や『仮面ライダージオウ』のようにクロスオーバーはさせず、過去のライダーをモチーフとしたフォームが登場したり、ライダーオタクのキャラが登場したりするくらいに留めてあります。自身の内に潜む“悪魔”と契約を結んで“1人で2人”仮面ライダーとして戦う青年をを主人公とし、“家族”を大きなテーマとして、ストーリーが展開されました。

…とか言ってますが、僕はリバイスに関してはまだ1話も見れていないんですよね…。『仮面ライダークウガ』から連綿と続いているシリーズの中で、一切見れていないのはリバイスが唯一です。ちなみに、録画環境がぶっ壊れたせいで最初の10話くらいしか見れてない、『仮面ライダーW』が次点。他の作品は全話ちゃんと見ています。Wは見たい見たいとずっと思っていますが、リバイスに関しては最後まで見る意欲があまり湧かなかった…こんなの初めて。まぁ歳のせいもある気がします。いずれはリバイスもちゃんと見たいと思ってはいます。

 

ギーツに関しては、ボーイズトイとして展開されているリボルブチェンジフィギュア(RCF)というおもちゃの出来がめちゃくちゃ良くて、それきっかけで視聴の意欲も上がり、今のところ毎週欠かさず視聴しています。

1話目からライダーがどんどん登場しては退場していったり、戦うことに積極的ではないタイクーン(最近はそうでもないけど)がサブライダーの立ち位置にいたり、ナーゴこと祢音ちゃんがどちゃくそ可愛かったりと、毎回楽しませて頂いております。
あと個人的に良いと思っているのが、新フォームが出るペースが比較的緩やかなところ。ここ最近の作品は毎週毎週新フォームが登場し、回を追うごとに初期に出たフォームが忘れ去られる傾向にありますが、ギーツに関しては、ライダーの人数は多いものの、フォームチェンジアイテム=レイズバックルに関しては割とみんなで使いまわしながら戦っていて、なんか平成初期のライダーっぽくていいなぁと。

まさかのバッファ退場とか、DGPがリアリティショーだったことが明かされたりとか、まだまだどう転ぶかわからなくて、今後の展開も非常に楽しみです。

 

もくじ

 

概要

本作は、ギーツとリバイス、つまり現行のライダーとひとつ前のライダーがクロスオーバーする、いわゆる“冬映画”と呼ばれるものになります。今年はそこに、放送から20周年を迎える『仮面ライダー龍騎』のキャラクターも参戦し、三つ巴のバトルが展開されるのが特徴となっています。

 

監督は、数々のライダーシリーズで監督を務めている、柴崎貴行

脚本は、リバイスパートを木下半太、ギーツパートを高橋悠也と、TVシリーズでメイン脚本を務めているお二方がそれぞれ担当しています。

キャストは割愛。感想に参ります。

 

予告編


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あらすじ

かつて、五十嵐一仮面ライダーリバイ(演:前田拳太郎)、五十嵐大二仮面ライダーライブ(演:日向亘)、五十嵐さくら仮面ライダージャンヌ(演:井本彩花)らは、ギフ率いるデッドマンの軍勢と戦い、勝利しました。しかしその結果、一輝と契約していた悪魔、バイス(声:木村昴)は消滅し、一輝は彼に関する記憶を全て失うという結末に。

戦いを終えた五十嵐家には、4人目の子供、幸四郎(演:)が誕生し、家族で温泉旅行を楽しんでいました。そこへ、イザンギ(声:神谷浩史)、バリデロ(声:堀川りょう)ら、謎の敵が襲撃してきます。彼らは“ギフの遺伝子”が目的だと言い、幸四郎の中の悪魔(声:長谷川雅紀)を解放、その力で一輝たちを圧倒します。

一方、デザイアグランプリ(DGP)にも、変化が生じていました。
浮世英寿仮面ライダーギーツ(演:簡秀吉)、桜井景和仮面ライダータイクーン(演:佐藤瑠雅)、鞍馬祢音仮面ライダーナーゴ(演:星乃夢奈)のもとに、どういうわけか脱落したはずの吾妻道長仮面ライダーバッファ(演:杢代和人)が現れます。その理由は本人も知らない様子。招集された先にいたツムリ(演:青島心)も、いつもとは雰囲気が違います。

今回行われるのは、“悪魔マラソンゲーム”。悪魔をゴール地点まで運んだらゲームクリアという、これまでとは毛色の異なるルールに戸惑う一行。しかも運ぶのは、幸四郎から生まれた悪魔でした。そんなことは露知らず、ゲームクリアの為にゴールを目指す英寿たちでしたが――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

あんまり語ることも無いので、正直記事にするほどのものでもないのですが、せっかくなので簡単に感想を書いていきます。
率直な感想としては、それなりに楽しめるけど粗も多い、いつものライダー映画、という印象でした。

 

とりあえず、僕はリバイス見てないのでわかりませんが、バイス復活はあんなにサラッとしていて良かったんでしょうか…?一輝が死の淵で何やら自問自答した結果、奇跡の力で(一時的とはいえ)バイスが復活、そしてなぜか怪我も回復…とはこれ一体。

バイスパートに割く時間が限られていたのでこんな風にしたらしいですが、TVシリーズ1年間の集大成となる結末をひっくり返すんだから、それ相応の理屈こねこねは必要だったんじゃないかなぁ、と。重要視するところがなんかズレてない?と思わざるを得ない。脚本面での不満をよく耳にするリバイスですが、その理由がこの一点だけでなんとなく察せられてしまいました。

あ、あと、イザンギ、バリデロの2人って、結局何だったの…?

 

対してギーツパートは、なかなかよくまとまっていたかと思います。まとまっていたというか、余計なことをしていないというか。
ゲームのルール書き換えってそんな好き勝手やっていいの?とか、悪魔マラソンとかやらせてないで自分らで取りに行けよとか、結構無茶苦茶やってんなーとも思いましたが、許容範囲かなと。DGPはライダー同士の妨害行為はペナルティとなるので、戦わせたいのであればルール書き換えるくらいしかないですもんね。熾烈なライダーバトルを描いた龍騎のキャラを出すのであれば尚更。

ストライダーである轟戒真仮面ライダーシーカー(演:大貫勇輔)も、非常にカッコいいデザインで良かったと思います。倒されるためだけに存在している強敵感は否めませんでしたが…。
ゲームマスターの座を奪うコラス(演:池田鉄洋)も、わかりやすい悪役でわかりやすかったです(笑)

 

龍騎勢も、全13人中3人+αだけの登場でしたが、ちゃんとオリジナルキャストで出演してくれたのが嬉しいところ。参戦理由とかそういったことは全てぼかされてましたが、語ろうとすれば確実に無理が出てくるので、これくらいの塩梅で良かったんじゃないかと。

木戸真司仮面ライダー龍騎(演:須賀貴匡)は、戦いを止めようとしている立場なのでこうしたゲームには参戦しないだろうから、謎の理由でミラーワールドに閉じ込められていたことにして、代わりに裏真司仮面ライダーリュウを出す、という判断も、英断だと思いました。最後に龍騎もしっかり登場し、ごく短い時間とは言え龍騎 vs リュウガがまた見れたので、あの頃に熱中した身としては非常にテンションが上がりました。

恐らく史上初である悪に振り切った仮面ライダーとして当時大きなインパクトを残した、浅倉威仮面ライダー王蛇(演:萩野崇)も、相変わらず良いキャラでしたね。しかし、そのキャラクター性がかき消えてしまうほどに、スーツアクターの次郎さんのお腹がどうしても気になってしまった…。他のアクターさんに任せる、という選択肢はなかったのだろうか…。

秋山蓮仮面ライダーナイト(演:松田悟志)も、実は龍騎を助けるために行動してました、という相変わらずのツンデレっぷりが微笑ましかったです。あと俳優さんが当時と一切変わらないビジュアルなのが本当に驚き。20年も経ってるんだよ…?

 

ラスト、バイスは再び消滅してしまいますが、英寿の願いによって、一輝はバイスの記憶を保ったままになりました。バイスの消滅自体を無かったことにも出来そうな気がしますが、ドラマとしてはこちらの方が良い気がするので、まぁヨシ。ただ、これがリバイスとしての正史となるのか(今後Vシネクスト等でもバイスの記憶を持った状態なのか)はよくわからん。

それから、TVシリーズでも重要な要素になるであろう、英寿の秘密がちょっとだけ明かされて、映画は終わってました。

 

おわりに

はい、こんな感じでした。

歴戦のライダーオタクを満足させるには足りない気がしますが、当時龍騎を見ていたお父さんなんかは、思い出補正ありきで楽しく見られると思います。ちっちゃいお子さんも、絶え間なくバトルが続くので、きっと楽しめることでしょう。つまり、冬休みの家族の思い出にはピッタリではないかと。

ということで、『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』の感想でした。

ではまた。

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』感想(ネタバレ)

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

2009年に公開され、全世界における歴代興行収入第1位を記録している超大作、『アバター』。
その13年ぶりとなる待望の続編が本作、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』です。

1作目を初めて鑑賞したときの僕の感想は以下。本当に素晴らしくて、めちゃくちゃ感動してしまいました。

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もくじ

 

概要

アバター』シリーズは全5部作を予定しているそうで、その第2作目が本作、ということになります。
5作とも惑星パンドラを舞台としながら、それぞれが完全に独立した物語で描かれる、って確かどこかで言っていたような気がしますが、本作でもジェイクが主役だったので、そこは実現しなかったみたいですね。どちらかというとジェイクの子供たちが主役な気もしますが、少なくとも独立した物語ではなく、地続きな続編となっています。

 

原案・製作・脚本・監督は、巨匠、ジェームズ・キャメロン
ターミネーター』シリーズや『タイタニック』など、世界的大ヒット作を多く手掛ける、言わずと知れた御大ですね。

主演は前作から引き続き、サム・ワーシントンが務めています。
何気に『ターミネーター4』でもキーパーソンとして出てましたね。まぁ、4はキャメロンはほぼ関わってませんが…。

前作で主人公と結ばれ、本作でもその絆の深さを見せるキャラを演じるのが、ゾーイ・ザルタナ
アメコミファンには、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のガモーラと言えばわかるかと思います。

本作でも敵として立ちはだかるキャラを演じるのが、スティーヴン・ラング
ドント・ブリーズ』での怪演が記憶に新しいです。

前作に登場した地球人の博士と、新登場となる主人公たちの娘の二役を演じるのが、シガニー・ウィーバー
エイリアン』シリーズでのパワフルな演技が印象的ですね。芸人の友近がよくやってるアレです(笑)

 

その他、多くの俳優陣が出演していますが、キリが無いので割愛。
感想に移らせていただきます。

 

予告編


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あらすじ

地球から遠く離れた惑星、パンドラ
地球人の元海兵隊員、ジェイク・サリー(演:サム・ワーシントン)は、アバターの身体で原住民族ナヴィとの交流を深め、地球人としてではなくナヴィとして生きていく事を決断。それから10年以上の時が経ち、オマティカヤ族族長の娘、ネイティリ(演:ゾーイ・ザルタナ)とジェイクとの間には、3人の子供が生まれていました。

父に憧れる優秀な長男、ネテヤム(演:ジェイミー・フラッター)。
何かとトラブルを起こしがちな次男、ロアク(演:ブリテンダルトン)。
なんにでも興味津々な末っ子娘、“トゥク”ことタクティレイ(演:トリニティ・ジョリー・ブリス)。
それから、今は亡きグレイス・オーガスティン博士(演:シガニー・ウィーバー)のアバターより産まれた謎多き少女、キリ(演:シガニー・ウィーバー)と、先の戦いでパンドラに残された地球人の少年、“スパイダー”ことマイルズ・ソコロ(演:ジャック・チャンピオン)を養子に迎え、穏やかに暮らしていました。

そこへ、追い返したはずの地球人=スカイ・ピープルが、再びパンドラの地に飛来。
今回の目的は資源の採掘ではなく、どうやら地球に限界が迫っていることから、パンドラを第2の故郷にしようとしているようです。森を焼き払う人類に対し、ジェイク達は彼らの武装を奪ったりしながら、自分達の住処を奪われぬよう、徹底抗戦します。

人類の拠点、ブリッジヘッドシティにて、前作で死んだはずのマイルズ・クオリッチ大佐(演:スティーヴン・ラング)は、ナヴィに瓜二つの身体で目を覚まします。アバター計画」に代わる「リコンビナント計画」にて、死ぬ前の彼の人格を、地球人とナヴィのDNAを掛け合わせた人造生命体へと移植したのでした。
抵抗を続けるナヴィ達を黙らせるため、また自身の復讐のため、クオリッチはジェイクに狙いを定めます。それを知ったジェイクは、一族への被害を防ぐため、家族と共にオマティカヤ族を離れることを決めます。

逃避行を続けるジェイク一家が辿り着いたのは、“海の民”メトカイナ族の住処。
リーダーのトノワリ(演:クリフ・カーティス)とその妻ロナル(演:ケイト・ウィンスレット)は、渋々ながらジェイク達を受け入れてくれました。“森の民”であるオマティカヤ族とは全く異なる生活を送る彼らに順応するため、ジェイクと子供たちは彼らの生き方を学んでいきます。

しかし、ジェイクを探すクオリッチの魔の手は、すぐそこまで迫っているのでした――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

更にクオリティを増した映像美

始まってすぐ、パンドラの壮大な風景が映し出されます。もうそれがすごいのなんの。
単純に映像だけ取っても、今回は海面や水中が映る場面が非常に多いのですが、前作から更に進化したレンダリング技術でとてつもなく緻密に描写されており、CGなのか実写なのか全く区別がつかないほどでした。

更に、今回は出来るだけ良い環境で見たいと思い、IMAX3D・HFR(ハイ・フレーム・レート)という上映方式で見たんですが、あの美しすぎるパンドラの景色が視界いっぱいに広がって、更にそれがヌルヌルと滑らかに動く様は、まさにその世界に入り込んだような感覚で、没入感がすごかったです。多少値は張るけれど、鑑賞を予定されている方は絶対にIMAX3D・HFRで見た方が良いです。

 

打倒!ナショジオ

メトカイナ族の生き方を学ぶ場面、これは前作でジェイクがオマティカヤ族の生き方を学んだのとそっくり同じことをやってるんですが、これがまぁー良かったです。海の生き物たちがたくさん登場し、そのひとつひとつが丁寧に作りこまれているので、まるでナショナルジオグラフィックを見ているようでした。「彼らにとって歌はうんぬんかんぬん」とか「この生き物はこういう生態を持っている」とか、時折入るナレーションも、ナショジオ感をさらに増幅させているように感じました。(ナショジオ感とは…)

監督は2011年からナショナルジオグラフィック協会所属の探検家としても活動しているようですし、それが少なからず影響しているんですかね。なんにせよ、美麗極まりない映像と相まって見応えが半端なかったので、バトルはいいからこっちをもっと見せてくれ、とすら思いました。あと、パンフレットもさながら生き物図鑑のようになっていて、めちゃくちゃ読みごたえがあって楽しかったです。きっとジェームズ・キャメロンの頭の中では、パンドラの生態系の全てが創造されているんだろうなぁ。普通の人間ならとっくに脳のキャパオーバーしてるんじゃないかな…すごすぎる。

 

尻の痛みとの戦い

本作の上映時間は、なんと192分。3時間越えです。前作も3時間近くあってかなり長い部類ですが、本作はさらに延びています。
トイレ問題は始まる前にしっかり絞り出しておいたので大丈夫でしたが、直前に『THE FIRST SLAM DUNK』を鑑賞しており、2時間座りっぱなしで尻にダメージが蓄積していたのもあって、中盤くらいから尻が痛すぎてヤバかったです。

前作を見たときは、上映中一切痛みを感じることなく鑑賞することが出来たんですよね。その日それしか鑑賞してないので尻のコンディションが万全だった、ということかもしれませんが、全く没入感を損なわなかった前作に対し、本作にはちょっと冗長かなーと思うところがあって、集中を欠いたのも原因のひとつのような気がします。

 

とりあえず、ストーリーの大枠が前作からあまり変わってないんですよね。美しいパンドラの環境を破壊しようとする人類を止めるために、主人公たちががんばる、みたいな。メインヴィラン的な相手も前作と同じクオリッチですし、前作では人類とナヴィとの狭間で揺れるジェイク、みたいな要素がありましたが、本作にはそれも無いですし。

子供たち、特にロアクの精神的な成長とか、キリの出生の謎とか、面白いところもたくさんあったのは間違いないんですけどね。やりたいこと、見せたいことがたくさんあり過ぎて、ちょっと間延びしているように見えちゃったかなーと。

てか、前作でオーガスティン博士が実現しようとしてた、人類とナヴィとの共生はどーなったんでしょうね?本作では最初から最後までバチバチでしたし、もはや人類にその気はないのかしら。

 

その他

ナヴィの女の子たちは、ポスターとかの静止画で見るとそうでもないのに、動いてるのを見るとものすごく可愛く見えるのが不思議。ネイティリはもちろんのこと、トゥクやキリ、それからトノワリの娘のツィレヤ(演:ベイリー・バス)などの新キャラたちが本当に可愛らしかったです。

クジラに似た生態を持つトゥルクンの、脳から抽出される成分を狙ってるハンターの人達、なんかすごい露悪的に描かれてましたね。彼らは彼らで生きるために働いてるだけのような気もしますが…。監督は捕鯨反対派なのかしら。

最後、クオリッチは結局生き残ってましたが、次作では味方になるフラグかな?と思いました。いいキャラだと思うし、スティーヴン・ラングも大好きな俳優さんですが、これ以上は出なくてもいいかな…という思い。

あとスパイダー、最後はシレっとジェイク達の元に戻ってきてましたが、お前…本意ではないとはいえガッツリと敵に協力してた野郎が、どの面下げて戻ってきてんのや…?と思ってしまいました。ブチ切れたネイティリにガチで殺されかけたのとかも、ええんかお前さん…?と思いましたしおすし。今後もわだかまりが残りそうな気がする。

 

おわりに

こんなもんにしときます。

映像美に関しては、期待以上に素晴らしいものでした。ストーリーに関しては少し乗れないところもありましたが、十分に満足できるものだったかと思います。2024年に第3作目が公開予定とのことなので、非常に期待しています。キリの不思議な力とか出生の秘密とか、まだ残された謎もあるので、3作目以降で明かされてくれるといいなぁ。

ということで、映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の感想でした。

ではまた。