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映画『デューン 砂の惑星 PART2』感想(ネタバレ)

映画『デューン 砂の惑星 PART2』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

1965年に第1作目が出版され、『スター・ウォーズ』などの多大な作品へ影響を与えたとされる、フランク・ハーバード著のSF大河小説シリーズ、『デューン(Dune)』。

そのあまりの壮大さゆえに実写化不可能といわれていた小説を、見事に映像化してみせた前作、『DUNE/デューン 砂の惑星』。そして、その続編となるのが、本作『デューン 砂の惑星 PART2』です。

前作の直後からストーリーが展開され、一族を滅ぼされた主人公の復讐劇、そして宇宙で最も価値があるとされるスパイスを巡る争奪戦を、壮大なスケールで描いたスペースオペラとなっています。

 

いちおう前作も感想書いてますので、良かったらどうぞ。今見るとなんともイマイチな文章なので、いずれ書き直したい。

blacksun.hateblo.jp

ちなみに、本作では邦題の『DUNE/』が消えてますが、コレが公式です。なぜ付いたり消えたりするのかは謎。日本の配給会社の偉い人とかが考えてる(どちらかというと考えなしに決めてる)のでしょう。そういうとこやぞホンマ。

 

もくじ

 

概要

監督は前作と同様、ドゥニ・ヴィルヌーヴ
2016年の『メッセージ』や2017年の『ブレードランナー2049』などで知られ、スケールが大きすぎて映像化不可能といわれるSF作品は、全部この人に任せておけば大丈夫だろう、というイメージ。

脚本も前作同様。ドゥニ監督と、『プロメテウス』などのジョン・スペイツ、『フォレスト・ガンプ/一期一会』などのエリック・ロスが、共同で執筆しています。

 

主演も引き続き、ティモシー・シャラメ
2017年の『君の名前で僕を呼んで』での演技が絶賛され、アカデミー賞主演男優賞などにノミネート。昨年末に感想を書いた『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』でも、主演を務めています。

そのほか、MCU版『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤ、『ミッション:インポッシブル』シリーズのレベッカ・ファーガソン、『アベンジャーズ』シリーズのジョシュ・ブローリン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのデイヴ・バウティスタ、『007 スカイフォール』などのハビエル・バルデム、『マイティ・ソー』シリーズのステラン・スカルスガルドといった、おなじみのキャストが出演。

さらに新キャストとして、2022年の『エルヴィス』にてエルヴィス・プレスリーを演じ話題となったオースティン・バトラー、『ミッドサマー』や『ブラック・ウィドウ』などで知られるフローレンス・ピューらが出演しています。フランス版『美女と野獣』でベルを演じたレア・セドゥと、5月公開の『マッドマックス:フュリオサ』で主演を務めるアニャ・テイラー=ジョイもちょっとだけ出演していて、この2人の出演を知らなかった僕はビックリしました。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

遥か未来。
デューン(砂丘)という名でも知られる砂漠の惑星、アラキス。この星では、メランジと呼ばれる、抗老化・精神拡張などの作用を持つスパイスが宇宙で唯一産出され、アラキスを制する者は宇宙をも制すると言われていました。

宇宙帝国よりアラキスの統治を命じられたアトレイデス一族は、帝国とハルコンネン一族の仕組んだ陰謀に巻き込まれ、滅亡してしまいます。生き残ったアトレイデス公爵家の後継者、ポール・アトレイデス(演:ティモシー・シャラメ)は、一族を滅ぼされた復讐のため、アラキスの原住民族フレメンと共に、彼らの暮らしを学びながら、フレメンの戦士“フェダイキンとなるべく訓練を積んでいました。

一方、ポールの母、レディ・ジェシ(演:レベッカ・ファーガソン)は、ポールをフレメンの間で伝説の預言者として語り継がれる“リサーン・アル=ガイブ(外世界からの声)とするべく、暗躍を始めます。

その頃、ウラディーミル・ハルコンネン男爵(演:ステラン・スカルスガルド)は、甥であるフェイド=ラウサ・ハルコンネン(演:オースティン・バトラー)へフレメンの殲滅を命じ、アラキスへと送り込みます。それを阻むのは、“ムアディブ(トビネズミ)という戦士の名を授かったポールたち。

スパイスを巡る争奪戦は、いつしか宇宙の覇権を巡る争いへと発展していく――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

見応えの塊のような、すさまじいスケールの作品でございました。

やはりなんといっても素晴らしいのが、作りこまれた世界観。
設定とかに関しては原作があるので置いとくとして、僕が言いたいのはビジュアル面の話。広大な砂漠のロケーションやVFXもさることながら、衣装であったりセットであったり、至る所が妥協無く作りこまれていて、「遥か未来の彼方の惑星を舞台にしている」のがひと目でわかるビジュアルの数々は、素晴らしいとしか言いようがないです。『スター・ウォーズ』とかみたいに宇宙中を駆け回ったりせず、ひとつの惑星を舞台にした作品ではありますが、壮大さでは全く引けを取らないと思います。

作品を象徴する“サンドワーム(砂虫)も、前作ではなんというか、マリオでいうドッスンのような、さながらステージギミックのような扱いだったように思いますが、本作ではフレメンと交流を深めるのもあって、死体処理に使ってみたり、乗りこなしてみたりと、色々と活用されていて非常に面白かったです。後半、フレメンたちが操るサンドワームの大群が敵を蹂躙するとことか、その大きさ、得体の知れなさ、恐ろしさがビシビシと伝わってきてマジで怖かった。襲われる側はたまったもんじゃないですわな。もう絶望しかない。

 

ストーリー面で言うと、あらすじで書いたような専門用語が飛び交いまくるので混乱しそうになるのですが、大枠は「悪いヤツら(つるっぱげオッサン軍団)に家族を皆殺しにされた主人公(超絶美少年)が、奪われたものを取り返すためにみんなと協力して立ち向かう」というものなので、そこまでわけわからなくならないのもいいなぁと。ルッキズムは良くない。それと、ポールが戦士になるための修行?儀式?に出発したと思ったら、次のシーンではもう戦士として戦いに参加してるみたいな、見ようによってはブツ切りともとれる場面が結構あったのですが、それでもそこまでわかりにくさは感じませんでした。3時間近くある大作ですが、「すごいがんばっていろいろ削って、どうにかこの時間に収めてるんだな」という印象。それでもちゃんと成立させているのは、脚本というか、セリフや展開の組み立てが優秀なんでしょうねきっと。

ベネ・ゲゼリットとかいう、カルト宗教のような秘密結社のあれやこれやに関しては、相変わらず雰囲気はすごいけど何言ってるかわからん(笑)ので、最悪無視してもいいかもしれません。そこまで本筋に関わってこないですし。母ちゃんだけはガッツリ関わってきますが、息子のポールを預言者として祀り上げてアラキスを牛耳り、ゆくゆくは宇宙全体も牛耳ろうとしてる、というのはわかりました。そして結局、最後までその目論見通りに事が運んでいるのが恐ろしい。

 

そーいや鑑賞後、劇場を出る時に「余計なシーン多すぎて長い!」みたいなことをデカい声で話してる人がいました。「主人公強すぎ!ナルトかよと思った!」だのなんだの、ワーワー言うておりました。デカい声でそういうこと話してると、僕みたいな根暗ぼっち野郎に全部聞かれてるから気を付けてくださいね。盗み聞きみたいなマネしてほんとごめんなさいね。声がデカかったのでね、聞こえてしまったんです。すみませんね。とりあえず言えるのは、本作はデートムービーには向かないと思うので、おとなしく家でナルトを見てください。映画館で見るのなら、『恋わずらいのなんちゃら』や『変なアレ』の方が良いかと思いますよ。

 

おわりに

なんか最後の方、我ながらすごくキモくなったので、この辺でやめときます。
ティモシーが見たいだけなら『ウォンカ』の方が良いと思いますよ(恥の上塗り)

壮大なスペクタクルに没入したい!という方は、IMAXなどの出来るだけ大きいスクリーンと高品質な音響で鑑賞をオススメします。本作の大ヒットを受けて続編の制作も決定したそうですし、僕も公開されるまではがんばって生きていこうと思います。

ということで、映画『デューン 砂の惑星 PART2』の感想でした。

ではまた。