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映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』感想

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

イギリスの児童小説『チョコレート工場の秘密』を原案とし、小説に登場するキャラクターのひとりである、ウィリー・ウォンカの若かりし日をオリジナルストーリーで映画化した作品。

それが本作、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』です。

まだ店を出す前のウォンカが、一流の職人になるために奮闘する、ファンタジーミュージカル映画となっています。

 

もくじ

 

概要

チョコレート工場の秘密』は、これまで何度も映像化されてきました。

最初の映像化は、1971年。『夢のチョコレート工場』というタイトルで映画化されました。残念ながら興収的には失敗に終わったそうですが、ビデオ化などでジワジワと評価を上げていき、今ではカルト的な人気を博しているんだとか。

2017年には、大人気キャラクターであるトムとジェリーとコラボし、1971年版のエッセンスを混ぜ合わせた『トムとジェリー 夢のチョコレート工場』というビデオ映画がリリースされました。見てないのでわかりませんが、あまり評価は良くないようです…。

そして、映像化作品の中でもとりわけ有名なのが、2005年の『チャーリーとチョコレート工場』でしょう。ティム・バートンが監督を、ジョニー・デップが主演を務め、バートン監督らしいファンタジックな世界観とブラックなユーモア満載で映像化されたこの作品は、世界中で大ヒットを記録。日本でも金ローでたびたび放送されるほどの大人気作品なので、ご存じの方も多いかと思います。

 

で、本作ですが、上記の通り前日譚であり、原作にはないオリジナルストーリーが描かれています。宣伝ではあたかも『チャーリーとチョコレート工場』と直接的な関りがあるように言っていますが、色々と辻褄が合わないところがありそうなので、おそらくこれまでの映像化作品との関連性は無いように思われます。なので、どちらかというとリブート的な作品として見た方が良いかと。

監督・脚本は、ポール・キング
そして共同脚本に、サイモン・ファーナビー
実写版『パディントン1・2』の監督・脚本コンビです。

予告とかCMとかで「ハリー・ポッターのプロデューサーが贈る!」ってやたら言っている通り、製作にはデヴィッド・ハイマンが携わっています。
ハリー・ポッター』シリーズの映画すべてでプロデューサーを務めているほか、『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『パディントン』シリーズ、最近では『バービー』などでも製作をやっているお方です。パディントンの製作陣が贈る!」って言った方が適切なのでは…?まさか、逆にマイナスイメージになるから避けたのか…?

 

主演を務めるのは、ティモシー・シャラメ
フランス人の父とアメリカ人の母を持ち、フランスとアメリカの二重国籍を持っているそうです。2017年の『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞にノミネートされ、『DUNE/デューン 砂の惑星』で主演を務めるなど、まだ若干27歳ながら既にトップスターとなりつつある大人気の俳優さんです。DUNEはPART2の公開が来年3月に決まったようなので、大変ワクワクしております。

そのほか、詳細は割愛しますが、『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』などにも出演している名優ヒュー・グラント、『Mr.ビーン』シリーズでおなじみのローワン・アトキンソン、『シェイプ・オブ・ウォーター』などで知られるサリー・ホーキンスといった俳優陣が出演しています。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

一流のチョコレート店が立ち並んでいることで有名なとある町へ、若き日のウィリー・ウォンカ(演:ティモシー・シャラメ)はやってきました。

彼はここで自分の店を出すことを夢見ていましたが、その才能に嫉妬するチョコレート組合の3人組から執拗な妨害を受けることに。さらに、悪徳な宿屋の主、ミセス・スクラビット(演:オリヴィア・コールマン)に騙され、多額の借金を背負ってしまいます。それでも、ウォンカは自身の夢のため、そして亡き母との約束を果たすために、チョコレートを作り続けるのでした。

果たして、ウォンカは夢を叶えることが出来るのか――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

心温まる、とても素敵な娯楽作品でした。

はじめにちょっと不満、というほどのものでもないのですが、『チャーリーとチョコレート工場』のブラックな一面がすごく好きな僕としては、本作の常に前向きでキラキラしたウォンカには少し物足りなさを感じてしまいました。まだひねくれる前のウォンカを描いた作品らしいので間違ってはいないのですが、どうしても“あの感じ”を期待してしまうといいますか。まぁ、ティモシー・シャラメのあの圧倒的なプリンス感ではひねくれたキャラは合わないと思うので、これで正解だとも思いますけどね。しっかし、ティモシー・シャラメは本当に顔の造詣が良い。いや良すぎる。何食えばあんな綺麗な顔が出来上がるのか。同じ人類なのかと疑ってしまいます。

ほかにも、ウォンカはチョコ職人というよりかは魔法使いなのでは?とか、あのヘンテコな世界観を魔法で片付けると途端に面白味がなくなるとか、百歩譲って魔法が存在する世界なのであればどうして他の人は魔法使わないのか、ウォンカのは母譲りなのかもしれないけど特にそういった描写はなかったと思うのでイマイチ判然としないとか、叩けば埃は出てきますが、まぁ気にしなければ気にならない程度のものです。

 

そうしたキモイオタク的発想を抜きにすれば、非常に楽しいミュージカル作品でした。

すべてがチョコ基準で成り立っている町は、現実のドロドロした感じを忘れさせてくれます。チョコが通貨だと言わんばかりに、隠し財産的なものがチョコだったり、賄賂もチョコで払ったりするのには笑いました。糖尿病の人めっちゃいそう。肝心のミュージカルパートも、明るく楽しいものばかりだったのでテンション上がりました。あとキリンさんがかわいい。

中でも、特に僕が良いと思ったのは、「夢は、必ず叶うんやで」ではなく、「夢見ることから、全ては始まる」という本作のメッセージ。前者はなんというか、あまりにも漠然とし過ぎているというか、嘘くさいというか、「なーに思ってもないこと言うてんねんしょーもな黙っとけボケカス」と思ってしまうというか(おっと、つい暴言が…)。でも後者は、「夢が叶うか叶わないかは、まず夢見ないと始まらないでしょ」…って同じこと言ってますけど、なんとなく時代性というか、説得力を感じてすごく良いと思いました。まぁ、夢を見れるか見れないかってのはまた別の問題だとも思いますけど。金銭的、時間的、その他諸々、ある程度の心の余裕がないと夢なんか見れないですもんね。それでも、このメッセージは今を生きる人の心に刺さりやすいのではないかと思いました。

 

おわりに

短いですが、こんなもんにしときます。

映画を見るペースは変わってない、むしろ12月は今のところ毎週1本以上は見てるのですが、なかなか感想を書く時間が取れない…。書きかけのまま止まってるのもあるし、見たけど全然書けてないのもあるし、ちょっと渋滞気味です。

とにかく、本作は順調にヒットしているようで何より。非常に前向きな気持ちになれる作品なので、クリスマスに大切な人と一緒に鑑賞するのにピッタリな作品になっていると思います。当然、僕はボッチでの鑑賞でしたけどね!(号泣)

ということで、映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の感想でした。

ではまた。