GORGOM NO SHIWAZAKA

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映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』感想(ネタバレ)

映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

仮面ライダーギーツ』は、2022年よりテレビ朝日系列にて放送中の、仮面ライダーシリーズ最新作。
キャッチコピーは、「このゲーム、最後に勝ち残るのは、俺だ。」

Fortnite』等の多人数参加型バトルロイヤルゲームや、黒い球体のある部屋に集められてミッションを遂行する某漫画などを参考にしたであろう、多人数のライダーが生き残りをかけたゲームに参加する、熾烈なバトルが描かれているのが特徴となっています。

各ライダーのモチーフには、動物と世界各国のお面が取り入れられており、主人公ギーツは狐面、タイクーンは狸など、個性豊かなライダーが多数登場します。そして、メインキャラ以外は登場してはすぐに退場したりと、非常に入れ替わりが激しいのも、ギーツという作品の大きな特徴です。

 

もくじ

 

概要

キングオージャー』の記事でも書いていますが、本作は毎年恒例の、いわゆる“夏映画”と呼ばれているもの。
遥か未来から来た人物によって仕組まれたゲームをクリアするため、主人公たちが立ち向かっていく、アクション・エンターテインメント作品となっています。

キングオージャーの方は既に感想を書いておりますので、併せてお読みいただけると嬉しいです。

blacksun.hateblo.jp

 

監督を務めるのは、中澤祥次郎
獣拳戦隊ゲキレンジャー』『侍戦隊シンケンジャー』『海賊戦隊ゴーカイジャー』など、数々のスーパー戦隊シリーズでメイン監督を務める、ベテラン監督さんです。ほぼ毎年ゲスト監督として参加している、ニチアサファンにはおなじみのお方ですね。

脚本はTVシリーズと同じく、高橋悠也
仮面ライダーエグゼイド』でニチアサの脚本を初めて担当。劇場版やVシネマなどを含む全ての脚本を執筆し、高い評価を獲得しました。その後は『仮面ライダーゼロワン』のメイン脚本を担当し、ギーツは3回目のメイン脚本となります。

 

キャストは、主演の簡秀吉をはじめ、佐藤瑠雅星野夢奈杢代和人青島心崎山つばさといったTVシリーズでも出演しているメンバーのほか、小貫莉奈藏内秀樹が久々に登場。そしてゲストキャラには、『怪盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』でルパンイエロー役として出演した工藤遥と、大人気コンビ、チョコレートプラネットの長田庄平が出演しています。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

突如始まった、世界滅亡ゲーム

巨大な世界樹から次々と生み出されるジャマトによって、世界は大混乱に陥っていました。
仕組んだのは、未来で指名手配されている極悪人、メラ(演:長田庄平)とメロ(演:工藤遥)の、“神殺しのメラとメロ”の異名を持つ2人組。

浮世英寿仮面ライダーギーツ(演:簡秀吉)、桜井景和仮面ライダータイクーン(演:佐藤瑠雅)、鞍馬祢音仮面ライダーナーゴ(演:星野夢奈)、吾妻道長仮面ライダーバッファ(演:杢代和人)らは、世界の滅亡を防ぐために奮戦。しかし、ギーツが世界樹へ向けてライダーキックを放ったその瞬間、メラの策略によって、世界樹とともに世界が4つに分裂してしまいます。各ライダーたちも、それぞれの世界へ飛ばされ、散り散りに。さらに英寿も、世界と共に4人に分裂してしまいました。

果たして、英寿を元に戻すことは出来るのか。
そして、ライダーたちはゲームをクリアし、世界の滅亡を防ぐことは出来るのか――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

…の前に、軽くTVシリーズの感想をば。

映画『ギーツ×リバイス』の記事でも書いていますが、ギーツはRCF(リボルブ・チェンジ・フィギュア)というボーイズトイの出来がすこぶる良くて、それきっかけにハマりました。やはりかなり評判がいいようで、劇中に登場したほぼ全てのライダーを網羅するくらいにラインナップが充実しているのも、非常に喜ばしいところ。リバイスとか、強化フォームはおろか初期フォームすら全部出てないですもんね…。エントリーボディセット、3つ買ったのに足りない事態になるとは思わなかったよ…。再販してくれないかな。

 

おもちゃの出来がいいことを抜きにしても、とても面白い作品だと思っていて。

シローやギンペンがいきなり脱落する無常さとかはリアリティを感じさせたし、第1話がひとつのゲームの終わり、つまりある意味で最終回を描いていたことがあとになってわかる構成とか、よく出来ているなぁと思いました。ひとつのゲームをずっと描くのではなく、ゲームが終わってはまた新たなゲームが始まり…というのを何度もやるのも、ここから新展開が始まる、というのがわかりやすくてとても良かったと思います。

 

全体的なストーリーも、かなり面白いと思って見ています。

主人公、英寿の出生の秘密を物語全体の縦軸として機能させていて、なかなか上手いなぁと。そういえばエグゼイドでも、主人公がゲーム病の世界初の感染者だったとか、パラドの正体とか、面白い仕掛けをいくつも用意していましたね。

ただ、景和の闇堕ち展開は、面白いっちゃ面白いけど、もう少ししっかりとした理屈建てが欲しかったかなー、というのが正直なところ。姉ちゃんを失ったとしても、ケケラにそそのかされたとしても、それでも自分のような人をこれ以上生まないために世界平和を願う…というキャラであって欲しかったので、それを覆すだけの理由がちょっと足りないような、そんな気がしました。

あと、タイクーン、ナーゴと最終フォームが登場したので、バッファも出るかと期待したんですが、フィーバー止まりでちょっと残念。まぁ確かにフィーバーは対ライダーでは最強に違いないんですけど。
ギーツの最強フォームであるギーツIX(ナイン)に関しては、歴代最高ってレベルで好みのデザインです。マジカッコいい。

あとこれはすごく個人的な感覚ですが、ツムリ役の青島心さんは、『絶狼 -DRAGON BLOOD-』のヒロインの時はちょっと不快感を覚えるレベルの演技力だったものの(演じたキャラが超絶自己中だったせいかも)、ギーツでは演技力が上がったというよりはキャラと合っていて、あまり不快感は感じなかったです。

 

とまぁこんな感じで、概ね楽しく見させて頂いております。
いよいよ今月で最終回を迎えるギーツ。TVシリーズはどのような形で決着がつくのか。とてもワクワクしています。

 

さて、映画の話をするとします。

映画の方も、しっかりと面白い作品になっておりました。

時系列は、恐らく45話と46話の間かと思われます。ツムリ(演:青島心)が元の姿に戻ってたり、そのくせ英寿は元の姿のままだったり、景和が闇堕ちしていなかったり、姉ちゃんこと桜井沙羅(演:志田音々)が元気だったりと、TV版と若干の齟齬があるような気がしましたが、まぁそんなのはいつものことなので些細なもんです。パラレル的なヤツなのかも、と思って見ればヨシ。

 

個人的に、那覇仮面ライダーロポ(演:小貫莉奈)がすごく好きなキャラだったので、再登場してくれてとても嬉しかったです。それと、現在歴代最高齢(※初変身時の年齢)のライダーである、丹波一徹仮面ライダーケイロウ(演:藏内秀樹)も再登場してくれました。恐らく“あのキャラが登場する展開”のために呼ばれたのでしょう。

ゲストキャラに関しては、メロこと工藤遥ちゃんが最高だというのは既知の事実だとして、メラが変身する仮面ライダーX(クロス)ギーツが、思った以上に良かったです。Xは10(テン)=ギーツIX(ナイン)の更に先、という意味合いなのでしょうが、某SNSの件もあって、なかなかタイムリーなネーミングだなぁと。カラーリングはまんまドライブタイプネクストやん、と最初思いましたが、ギーツをネガポジ反転させたものだと思うと納得出来ますし、陽気なキャラも意外とすんなり受け入れられました。

 

ストーリーは、可も無く不可も無く、といった感じ。

分裂した4人の英寿は、非常にコミカルで楽しかったです。秀吉くん、あんな演技出来たんだ…というのは新しい発見でした。英寿の強さの秘訣である、力、知恵、運をメラに奪われ、あとは残りカスしかないと思われていたけれど、最後に残った“心”こそが、英寿を英寿たらしめている、という展開には、素直にグッときました。

 

映画オリジナルフォームであるギーツワンネスも、なかなかカッコ良かったです。まさかのてんこ盛りフォームとは、少々驚きました。公開日までシルエットのみで姿が隠されてましたが、どうせすぐに公式ネタバレしてくるんだろうなと思い、あえて最新話を見ない状態で映画を見てきたのですが、案の定46話だかのOPで思いっきりネタバレしてたので、いやーナイス判断でした。

超絶どうでもいいですが、「ワンネス」がフォントによって「クソネス」にみえるとき…あるよね?

ほら、見えるでしょ?

近年恒例となっている、次作の仮面ライダーのお披露目も、本作の目玉のひとつ。
新たなヒーローの名は、仮面ライダーガッチャード
苦戦するケイロウのもとに現れ、ライダーパンチのような必殺技を繰り出してました。蒸気のようなエフェクトを纏って突進していく姿は、非常にカッコよかったです。

カードを使用するのは仮面ライダーディケイドを思わせるし、2枚の組み合わせで変身するというのは仮面ライダーWっぽく、どことなくポップな雰囲気は仮面ライダーエグゼイドの系譜を感じさせます。仮面ライダー1号に似たマスクを、ゴーグルを上にずり上げるように展開すると矢印の形をした複眼が出てくる、というデザインも面白いですね(伝わらないと思うけど見ればきっとわかる)。ブルーメッキのボディも非常にキレイでした。メンテナンス大変そう…。

とにかく、次はどのような作品になるのか、非常に楽しみです。

 

おわりに

なんか中途半端な気もしますが、これ以上書くことも無いので、この辺にしときます。

TVシリーズを見てないとついていけないわけではないので、普段見てないお父さんもお子さんと一緒に楽しめると思いますし、見たことないけど気になる…という大人の方でも、きっと楽しめると思います。夏休みの思い出に、鑑賞してみては。

ということで、映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』の感想でした。

ではまた。