映画『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー☆ガッチャ大作戦』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。
『仮面ライダーギーツ』は、2022~2023年にかけてテレビ朝日系列にて放送されていた、仮面ライダーシリーズの1作。
作品の詳細は夏映画のときに書いた感想をお読みいただければ、ということで割愛します。
そして、ギーツの後番組として現在放送中の最新作が、『仮面ライダーガッチャード』です。
錬金術をテーマとし、『仮面ライダーフォーゼ』以来の学園ドラマを主軸とした物語が展開されています。熾烈な生き残りゲームを繰り広げたギーツとは対照的ですね。ちなみに僕はフォーゼめちゃくちゃ好きです。
そんなギーツとガッチャードがクロスオーバーする、いわゆる“冬映画”と呼ばれるものが、本作となります。今年もまたタイトルが長いのなんの。
去年の冬映画も感想書いてますので、良かったら併せてお読みいただけると嬉しいです。おととしのも見てますが、ブログには書いてません。
もくじ
これまでのガッチャード
映画の感想を書いていく前に、少しだけ現時点でのガッチャードに対する感想を書かせていただきます。
…といっても、まだ最新話まで見れてないんですけどね…。エックスレックスが出てきたとこ(14話か15話)までは見ました。
で、率直な感想としては、「そつなく面白い」って感じです。
良くも悪くも、これまで培ってきた平成・令和ライダーの典型的なスタイル、といった作りで、今のところそれが良い方向に作用しているのではないかと思います。つまりあれだ、「これでいい、むしろこれがいい」ってヤツです。
主人公、宝太郎くんのキャラクターは、結構好みです。まだ未熟だけど、明るく、何事にも一生懸命で、正義感が強く、芯に強いものを持っている、的な。ゴーストの天空寺タケルくんに似たものを感じます。つまり好きです。
りんねちゃんは可愛すぎてエグいほどに可愛くてエグい。蓮華ちゃんも関西弁可愛いヤバい。よってガッチャードは名作(暴論)。
ライダーに関しては、なんかものすごいペースで新フォームが出てきてますが、サラッと出てすぐ終わるパターンと、ストーリーにしっかり関わってくるパターンがあるの、アレなんなんすかね。イカすフォームたくさんあるのに、ちょっともったいないなぁと思ってしまう。恐らく、オーズの派生フォームとか、フォーゼの手足につくモジュールとかと同じ扱いなんでしょうね。であれば、まさにオーズのコンボのように、「このフォームはほかのとは違いますよ」みたいなのを明確にしてほしかった気もします。フォーム数が増えると話が進むにつれて初期のフォームが全く出てこなくなるので、個人的にはあまりフォーム数増やして欲しくないんだよなぁ、という思い。
あと、ワイルドとかいうよくわからない形態が出てくるのは、101体のケミーすべての組み合わせでフォーム作るのは(スーツの制作費とかの関係で)難しいので、それを回避するための策なのかな、と邪推。
ヴァルバラドさんは、個人的にもう少し「敵か味方かわからない」感じを出して欲しかったように思います。色的に魔進チェイサーっぽいので、立ち位置もそんな感じなんだろうと思ったら、割と普通に味方だったのでちょっと拍子抜けしてしまいました。いや僕が勝手にイメージしてただけなんですけどね。スパナくんはバチボコイケメン。
敵キャラに関しては、ガッチャードにおける怪人、マルガムのデザインが大変面白く、かなり好みです。素体?の腕とは別に取り込んだケミーの力を宿した腕が生えてきて、素体の方が装飾のようになっているのがすごく良い。冥界の三姉妹も、キャラが立っていてとても魅力的です。名称が“地獄の三鬼神”とよく混同してしまうのは玉に瑕。
ストーリーは、シンプルかつ王道、といった印象。
すっかりおなじみとなった、2週で1エピソードが完結する前後編の構成や、主人公が戦いや仲間との交流を通して成長していく流れなど、実家に帰ったような安心感を覚えます。しかし、12話?で仮面ライダードレッドが初登場した際、錆丸先輩が変身する(させられる)のには驚かされました。宝太郎に最も共感し、仲を深めていくであろうタイミングでのあの展開はなかなかに衝撃的でした。思わず泣きそうになりましたよ。いやむしろちょっと泣きました。あのまま鎧武のミッチのようにどんどん闇落ちしていく展開も面白そうではありましたが、でもやっぱすぐに戻ってきてくれて良かった。
そんな感じで、おおむね楽しく見させていただいているガッチャード。
ですが、ちょっと懸念している点がありまして。
それは、「ここまでの展開、なんとなく『仮面ライダーゴースト』に似てない?」というもの。というのも、ゴーストも年明けくらいまでは楽しく見ていたんですよ。でもガンマイザーが出てきたあたりから全く話が進まなくなり、そのままいろいろ投げっぱなし状態で完結してしまったように思っていて。その後Vシネマ『仮面ライダースペクター』や小説版などで補完されましたが、いやちゃんとTVシリーズでケリつけてくれよ、となるのは当然ですよね。宝太郎くんのキャラがタケルくんにちょっと似てるというのもあって、ガッチャードも同じような末路を辿ってしまうのでは…と要らぬ不安に陥っています。
この不安が杞憂になるよう願っています。
本作概要
思ったよりも長くなってしまいましたが、映画について。
特徴としては上述の通り、ガッチャードとギーツが同じ舞台で戦う、クロスオーバー要素。去年は『仮面ライダー龍騎』の登場も話題となりましたが、今年はそういったことはなく、2作品以外からの参戦はありません。
監督を務めるのは、山口恭平。
『魔進戦隊キラメイジャー』のメイン監督のほか、平成ライダー20作目の記念作『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』の監督としても知られています。
脚本を務めるのは、内田裕基。
『ウルトラマンX』で特撮作品の脚本に初参加。その後は『ウルトラマンオーブ』や、最近だとTTFCで配信されている仮面ライダーのスピンオフ作品の脚本を多く執筆しています。そのほか、TVアニメのシリーズ構成などにも数多く携わっているそうです。
それと、ギーツで全話の脚本を執筆した高橋悠也が、監修として携わっています。
キャストは、主演の本島純政をはじめ、松本麗世、藤林泰也、安倍乙、富園力也といったガッチャードのメインキャストが出演。
ギーツ勢からは、簡秀吉、佐藤瑠雅、星乃夢奈、杢代和人らが出演しています。
また、声優の高橋李依と、VTuberの白上フブキがゲストキャラクターの声を演じています。
予告編
あらすじ
ケミー回収のために活動している、錬金アカデミー。
一ノ瀬宝太郎/仮面ライダーガッチャード(演:本島純政)たちは、ケミーの情報を受けとある廃墟へ足を踏み入れます。お目当てのケミーは難なく回収できたものの、謎の怪人集団=ジャマトからの襲撃を受けます。
そこへ現れたのは、浮世英寿/仮面ライダーギーツ(演:簡秀吉)ら、デザイアグランプリに参加していた仮面ライダーたち。どうにかジャマトを退治したのもつかの間、レベルナンバー10のケミー、クロスウィザード(声:高橋李依)によって、宝太郎と英寿を除いたライダーたちは、ケミーの姿に変えられてしまいます。
クロスウィザードは、レベルナンバー10のケミー5体を捕まえる“最強ケミー捕獲ゲーム”をクリアすれば、ライダーたちを元の姿に戻すと持ち掛けてきます。しかしそこには、とある人物の思惑が隠されているのでした――。
というのがあらすじ。
本編感想
素直に、とても面白かったです。
去年はリバイス編、ギーツ編といった感じで分かれていましたが、今年は完全にひとつの物語でした。ガッチャードの物語にギーツ勢が入ってくるような作風になっていて、割とよくまとまっていたのではないかと思います。英寿以外のギーツライダーたちは、時間の都合か若干キャラ造形で割を食っているようにも思いましたが、まぁ些細なもんです。テンション高いアホなスパナくんには爆笑しました。
ゲストらしいゲストがいなかったのも、ストーリーをまとめるのに一役買っているように思えて、お子さんはどう思うかわかりませんがオッサンの僕としてはとても好感が持てました。クロスウィザードをはじめとしたレベル10ケミーは、TVで既にUFOやレックスが出ているのでそこまで特別感は無いですし、ギーツケミーは物語にあまり深く関わってこないですしね。ラスボスの正体も、「あ、TVシリーズとそんな密接に関わらせてくるんだ」と驚きました。
レベル10ケミーの面々が過去のライダーをモチーフにしているであろうところも、往年のライダーファンには嬉しいところ。
クロスウィザードはわかりやすく『仮面ライダーウィザード』ですし、ビートルクスはまんま『仮面ライダーカブト』、ゼグドラシルは『仮面ライダー鎧武』に登場したユグドラシル・コーポレーションから来ているのは明白。リクシオンは『仮面ライダーオーズ』のラトラーターコンボ?もしくはビーストかブレイズ辺り?エクシードファイターは機首辺りが『仮面ライダー電王』のデンライナーに似ていたように思いますが、違うかもしれん。テンフォートレスは…『仮面ライダーキバ』のキャッスルドランとか?ここは自信無いや。
とにかく、昔の作品を匂わせる絶妙なデザインやネーミングがとても良いと思いました。そもそもホッパー1が仮面ライダー1号モチーフですし、特オタが過去作の要素を入れるのが好きなのをよくわかってらっしゃる…。
僕がギーツ大好きなので色眼鏡で見ているところはあると思いますが、本作でもギーツ勢のアクションがすごく良かったです。無駄がなくどこか余裕のあるギーツ、一生懸命なタイクーン、愛嬌のあるナーゴ、荒々しいバッファ、といった感じで、アクションひとつとってもキャラの個性がしっかり出ているのが素晴らしい。この辺はライダーが多人数登場する作品の強みなのかなと。しっかし、秀吉くんは相変わらず顔の造詣が良すぎるし、夢奈ちゃんはあまりにも可愛すぎるよね。
ガッチャード勢で特筆すべきはやはり、TVシリーズに先駆けて登場した史上初の女性2号ライダー、仮面ライダーマジェードですよね。某可能性の獣を彷彿とさせる、ユニコーンをモチーフとした一本角と白を基調としたカラーリング。魔法を無効化するというチート級の強さに、美しい流麗なアクション。変身時のりんねちゃんの決意のこもったセリフも相まって、ガッツリと爪痕を残してくれました。惜しむらくは、出番がめっちゃ少ないというところ。まぁ、それは今後のTVシリーズに期待ですね。
クライマックスに登場した限定フォームのスターガッチャードも、なかなかカッコよかったです。というか、ガッチャードは全体的に派手なデザインなのがいいですよね。この辺もギーツと上手いこと差別化されてるなーと。「レベルナンバー10のケミーを多重錬成だと!?」みたいなセリフが、すごくオタク心をくすぐられて良かったです。
おわりに
そんな感じで、個人的になかなか満足度の高い作品でした。
ギーツやガッチャードを視聴している人はもちろん、最近の仮面ライダーってどんな感じなんだろ、と思っている方にもオススメです。
ということで、映画『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー☆ガッチャ大作戦』の感想でした。
ではまた。