GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』感想(ネタバレ)

映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

レジェンダリー・エンターテインメントワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズが共同で制作している怪獣映画のユニバース、それが『モンスターバース』。

現在、劇場映画4作と、Netflixにてアニメ『髑髏島』が、AppleTV+にてドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』が展開されており、シェアード・ユニバースとしては割と成功しているようです。DCのように興収はいいけど評価は散々という感じではなく、ちゃんと評価も高いようですし。でも出来れば配信する媒体は統一して欲しいかな…。僕は映画は全て見ていますが、配信の方はネトフリもAppleTV+も登録してないので未見です。

 

そんなモンスターバース第7弾(映画だけであれば第5弾)が、本作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』。

前作は「vs」だったのが、本作では「×」となっているのがポイント。前作で対決したゴジラとコングが再び相まみえる、壮大なアクション超大作となっています。

 

いちおう前作の感想も書いていますので、併せてお読みいただけるとありがたき幸せ。

blacksun.hateblo.jp

ついでに、先日アカデミー賞を獲った日本のゴジラの感想も載せときます。

blacksun.hateblo.jp

 

もくじ

 

概要

監督は前作同様、アダム・ウィンガード
Netflix版『デスノート』の監督としても知られています。

脚本は、『シュレック』シリーズや『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでも知られるテリー・ロッシオ、『サプライズ』や『V/H/S』シリーズなどのサイモン・バレットMCU作品『ムーンナイト』やアダム監督の『デスノート』などで知られるジェレミー・スレイターが共同で執筆しています。

 

キャストは、『それでも恋するバルセロナ』や『トランセンデンス』などのレベッカ・ホール、『エターナルズ』や『ブレット・トレイン』などのブライアン・タイリー・ヘンリー、前作で俳優デビューしたケイリー・ホトルらが前作に引き続き出演。

また、実写版『美女と野獣』で野獣を演じたダン・スティーヴンス、『シャン・チー テン・リングスの伝説』で主人公の母、イン・リーを演じたファラ・チェンらが、新キャストとして出演しています。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

ゴジラコングの死闘から、3年。

ゴジラは地上でほかのタイタン(怪獣)たちの脅威を抑え込み、コングは生まれ故郷である地底世界で生活し、お互い干渉しないようにすることで、どうにか均衡を保っていました。

そんな時、地底の前線基地のひとつが、何者かに襲撃され、壊滅。時を同じくして、コングと心を通わせることのできる少女ジア(演:ケイリー・ホトル)も、不思議なビジョンで危機を感じ取っていました。さらに、ゴジラ原子力発電所などのエネルギーが多く集まる場所で、まるで何かに備えるかのように、自身の力を増幅させ始めます。

一体、何が起ころうとしているのか。
その答えは、地底のさらに奥深くにあるのでした――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

「悪いヤツがシマ張ってる場所に辿り着いた正義のヤンキー(コング)が、強敵(とも)である別の学校のヤンキー(ゴジラ)に協力してもらいながら、テッペン獲るまでの物語」

本作はまさにコレです。つまり最高でした。

 

前作もそのきらいはありましたが、本作はより“コングが主役”な作品だったように思います。なんなら単体映画である『髑髏島の巨神』より矢面に立って活躍してたんじゃないでしょうか。おかげで、怒ったり悲しんだり驚いたり疲れたり、様々な表情のコングを拝むことが出来ました。まぁ今回の敵がコングと同じサル族タイタン(オランウータン?)のスカーキングと、そのペット(?)である氷結怪獣シーモなので、仕方ないっちゃ仕方ないですね。かわいい子ザル(と言ってもタイタンなので超デカい)のスーコの罠にはまってヤバい敵と戦わされた…と思いきや瞬殺して逆に食料にしちゃうとことか、おなかすいたスーコに何のためらいもなくその食料を分けてあげるコングは、惚れ惚れするほど完全に“漢(OTOKO)”でした。

ゴジラはなんかもう、いろんなところからエネルギーを吸収してチート級のキャラになっていました。予告編で赤くなってるゴジラを見たとき、「まさかいつもの青いゴジラのほかにもう1体出てくるのか?」と思いましたが、特にそんなことはなく。ちょっと残念。本作のゴジラはコングに次ぐ2番手というか、コングのサポートキャラのような立ち位置になっていましたが、強すぎて逆に扱いに困ったので出番減らされた、というのもあるかも。あ、でも、コングにボコボコにされかけてるシーンもあったような。ガントレットひとつでそこまで強くなるとは思えないけどなぁ…。コングを見るなり「テメェなにこっち(地上)来とんじゃコラァァ!」って感じで突撃してきて、コングは「ちょ待て!話聞けって!」ってなってたのには笑いました。あと、コロッセオで丸くなって寝てる姿はちょっとかわいかったです。

 

敵キャラのスカーキングさんは、北斗の拳のシンとかサウザーみたいな、いかにもな悪者でしたね。悪いヤツは立場の弱い者を奴隷のように働かせ、よくわからない石運びをさせるのは定石。ピラミッド作るわけでもないですし、あれは何のためだったんでしょうね。背骨で出来た鞭状の武器を使ったりと面白いところはありましたが、スーパーヴィランと呼ぶには物足りない、よくいる悪者って感じのキャラでした。

スカーキングの隠し玉、冷凍ビームを放つ怪獣シーモは、セントバーナードとかアラスカン・マラミュートといった大型犬のようで、なんだかとってもかわいかったです。ルパン・ザ・ファイヤーでマタアイマショウな人ではないので悪しからず。スカーキングはよくわからん結晶で苦痛を与えることでシーモを操っていましたが、コングがその結晶を破壊して呪縛が解けた後の「え?アレ?」って感じでキョドってる姿がなんとも愛くるしかったです。最後は普通にコングを背に乗せてたので、優しく言えば聞いてくれるいい子なんだと思います。

 

前作に引き続き、相変わらず人間はほぼおいてけぼり。モナークは今回も仕事しない。地震を検知してアワアワしたり、画面の表示がバグってアワアワしたり、監視カメラの映像を見逃したりしてるだけでした。コングの歯を治療したり、ガントレットつけてあげたりしてるだけまだ前よりマシかな、という感じです。あ、でもそれどっちもトラッパーの仕事だ。トラッパーしか仕事しとらんやんけ。

コングと話が出来る唯一の人間、ジアちゃんは、劇中で活躍している唯一の人間でもありました。今回はなんと、モスラとまで心を通わせていました。ひとりだけどんどん人間離れしていく…。てかモスラって、『キング・オブ・モンスターズ』の時に消滅してませんでしたっけ?別個体ということなのかな。まぁ、細かいことは気にしない。前作ではまだ小っちゃいあどけない少女だったジアちゃんが、たった数年ですっかり美しい女性になっていて、子供の成長は早いなぁと思いました(前作と同じこと言ってる人)。

 

あとは、地上と地底を繋ぐ道がワープゲートみたいな扱いになっていて、未発見のゲートがどこに繋がっているのかわからないという設定にすることで、世界各地の色んなロケーションを楽しめるのはいいなぁと思ったとか、ジアちゃんの民族の生き残りが地底にいて、おかあちゃんが「ここに残ってもいいのよ」と言うと、「なんでそんなこと言うの?絶対離れないって言ってたじゃん」「あなた(おかあちゃん)が私の居場所」って返してくれるの、ちょっとウルっときちゃったとか、いろいろありました。

 

おわりに

短いですが、この辺にしときます。

頭空っぽにして楽しめる、僕の大好きな痛快娯楽作品でした。恐怖や災害の具現化というべき日本のゴジラも好きですが、ド派手な怪獣プロレスが繰り広げられるこっちのゴジラも僕は大好きです。もし応援上映とかあれば、お子さんと一緒に「こんぐー!がんばえー!」と叫びながら鑑賞するのも楽しそうですね。ゴールデンウィークの楽しみのひとつとして、映画館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

ということで、映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の感想でした。

ではまた。