映画『カラオケ行こ!』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。
『カラオケ行こ!』は、2019年に発表された、日本のコメディ漫画。
作者は『夢中さ、きみに。』や『女の園の星』でも知られる、和山やま。
全然知らなかったのですが、最初は同人誌即売会COMITIAで同人作品として発売された作品なんですね。あまりの人気に入手困難となるほどの話題作でしたが、2020年にKADOKAWAから加筆修正されたものが単行本として発売された、という経緯を持っているらしいです。僕は単行本で初めてこの漫画を知ったので、ありがたい限り。
現在は月刊コミックビームにて、続編である『ファミレス行こ。』が不定期連載中。こちらもめちゃくちゃ面白いです。いつか同じキャストで実写化して欲しい。
和山さんの作品は全部読んでいるほどに大好きなのですが、この方の描く漫画の何がいいって、ゲラゲラではなく、クスっと笑える独特のコメディセンスだと思っていて。誰も大げさにボケたりツッコんだりしないけれど、絶妙な“間”とかワードセンスとかでじわじわとツボを突いてくるような、そんな感じ…って伝わりますかね。読んだ人ならきっと伝わるはず。
とにかく本当に面白いので、気になった方はぜひ読んでみてください。
もくじ
概要
そんな超面白い漫画を実写映画化した本作。
監督を務めるのは、映画では『天然コケッコー』や『苦役列車』、TVドラマでは『深夜食堂』などで知られる、山下敦弘。
脚本は、TVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』や、映画『罪の声』『犬王』などで高い人気を誇る、野木亜希子。
余談ですが、もともとこの方の脚本が大好きだった僕は、本作の脚本を執筆すると知って大歓喜しました。
#カラオケ行こ!の脚本野木さんなのかよ…最高かよ…
— ブラックさんR𝕏 (@blackson3110) 2022年6月10日
キティちゃん恐怖症のおじさん出てくるといいな…
主演を務めるのは、若干16歳の俳優、齋藤潤。
TVドラマなどでも、主要キャストの少年時代の役とかで良く出ているみたいです。
もうひとりの主演は、言わずもがなの名俳優、綾野剛。
出演作品が多すぎるので、代表作と言ったら何になるのかわからない…。最近だと、Netflix版『幽☆遊☆白書』で戸愚呂弟を演じていたりと、漫画の実写版によく呼ばれてるイメージ。僕は特オタなので、どうしても『仮面ライダー555』のスネークオルフェノクが最初に浮かんでしまいます。
そのほか、北村一輝、橋本じゅん、やべきょうすけ、吉永秀平などのコワモテ俳優のほか、芳根京子、坂井真紀といった豪華俳優陣が出演しています。
予告編
あらすじ
とある合唱コンクールの会場。
森丘中学校で合唱部部長を務める岡聡実(演:齋藤潤)は、先生が忘れたトロフィーを取りにひとり戻ってきていました。そんな聡実の前に現れたのは、四代目祭林組若頭補佐、早い話がヤクザの成田狂児(演:綾野剛)。
狂児は聡実をカラオケへ誘うと、組のカラオケ大会で最下位にならないよう、聡実に歌のレッスンをしてほしいと頼んできます。狂児の勝負曲は、X JAPANの『紅』。聡実は渋々ながらも歌を教えることとなり――。
というのがあらすじ。
本編感想
最高でした。
本作の公開は今年の1月で、公開直後に見に行ってたんですが、その後コロナに感染しちゃったりして感想を書くことが出来ず、もういいやってなっていました。ですが、最近お気に入りの映画館である柏のキネマ旬報シアターで先日より公開が始まり、もういちど見てきてやっぱり最高だったので、感想を書くことにした次第です。
と、いざ書き始めたはいいものの、本作の良さを上手く文章化する自信がないので、僕が良いと思ったところを箇条書きで書いていきたいと思います。
- 聡実くんかわいすぎ
聡実くん役の齋藤潤くんがハマりすぎててヤバい。あんなかわいい子、どこで見つけてきたの…。ビクッとするとき子犬みたいでかわいすぎるし、まだ子供っぽさの残る体の大きさとかも絶妙。制服にパーカー羽織るのとかも、いかにもって感じで良き。最後の歌も感情がこもってて最高でした。アレ先がわかっててもウルっとしちゃいますね。 - 狂児イケメンすぎ
もし実写化するなら…みたいなのはどうしても考えてしまうものですが、狂児のキャスティングはあまりにもドンピシャすぎる。歳不相応な若々しさ、シュッとした抜群のスタイル、優しさと怖さを兼ね備えた雰囲気、シリアスもコメディもできる超絶イケメン。それらすべてを持ち合わせた俳優なんて、綾野GOしか考えられん。いやしかし、あんなに歳不相応に若々しいスタイル抜群の優しくてでもちょっとミステリアスな超絶イケメンなヤクザなんて、この世におらんやろ。 - キティちゃん恐怖症のおじさん出てくれた
上で貼ったX(旧Twitter)にも書いている通り、漫画に出てくるキティちゃん恐怖症のおじさんが大好きで、実写化するならぜひ出て欲しいと願っていました。そうしたら、ちゃんと出てくる上に、キャスティングがチャンス大城というバチバチのハマりっぷり。最高以外の何物でもない。出てきただけでめちゃくちゃ笑いました。 - アニキたちのキャスティングも最of高
ハイエナのアニキが橋本じゅんでノリノリでももクロ歌ってたり、プロのアーティスト(湘南乃風)であるRED RICEが「声が汚い」と言われてたり、やべきょうすけのアニキの『白日』があまりにもカスすぎて大爆笑ものだったりと、アニキたちのキャスティングも納得感しかない最高のものでした。唯一、組長の北村一輝だけちょっと若すぎるかなーと思いましたが、違和感というほどのものでもないし、聡実くんにすごむところはさすがの迫力だったし、全く問題なし。
ってあれ、「北村一輝が若すぎる」って前にも言った気がするな…と思ったらるろ剣でした。今回の敵である闇乃武のリーダー、辰巳は原作では結構なジジイなので、演じるのが北村一輝では若すぎる、とこのシリーズでは珍しくキャスティングに不満がありました。が、意外と違和感なくて良かったですね。
映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感想(ネタバレ) - GORGOM NO SHIWAZAKAそうした最高のキャストの皆さんの歌が、原作を読んでいて自分が何となくイメージしていたその通りなのが、また最高でして。「終始裏声が気持ち悪い」狂児の『紅』をはじめ、ビブラートのクセが強すぎたり声が汚かったりうるさかったりカスだったり、マジで僕が思い描いたそのまんまで笑いが止まらなかったです。
主題歌であるリトグリの『紅』も、合唱アレンジがハマりまくっててめちゃくちゃ良い! - 原作再現度が高すぎる
上手く言葉に出来ないのですが、原作の持つ空気感というか雰囲気というか、そういったものが本作でもしっかり再現されていると思いました。ところどころテンポがイメージと違うなーと思うところもありましたが、特段気にするようなものでもなし。製作陣の原作愛のようなものが感じられて、なんだか嬉しくなりました。
おわりに
副部長の「和田ぁ~」が良すぎるとか、「愛って、与えるものなんやで」「何を与えるん?」「…なんやろ?わからん」のやり取りと、その後の母ちゃんが父ちゃんに鮭の皮あげるとこで「これが…!?」ってなるとこが悶絶するほどかわいすぎるとか、まだまだ挙げればいくらでも出てきますが、この辺にしときます。
僕の中で、早くも今年の邦画ベスト筆頭と言っても良いくらいに素晴らしい作品でした。アマプラ等でレンタルが始まってるみたいですし、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。
ということで、映画『カラオケ行こ!』の感想でした。
ではまた。