映画『ゴジラ vs コング』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。
レジェンダリー・エンターテインメントとワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズが共同で制作している怪獣映画のユニバース、それが『モンスターバース』。
これまで、ギャレス・エドワーズ監督作の『GODZILLA ゴジラ』(2014)、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督作の『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)、マイケル・ドハティ監督作の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)が公開されています。
そして、モンスターバース第4弾にして最終作(といわれているがまだ続くかも)が、アダム・ウィンガード監督作である本作、『ゴジラ vs コング』です。それぞれ主役を務めたゴジラとコングがぶつかり合う、ファン待望の一作となっています。
僕はモンスターバースはすべて見ていますが、本家本元である日本のゴジラ映画は恥ずかしながらそれほど見ていないんですよね…。まともに見たのは『シン・ゴジラ』と『ゴジラ FINAL WARS』くらいかな?アニゴジも見てないし、S.P.も録画してあるけどまだ見てない。あとはゴジラではないけど『平成ガメラ3部作』は見た覚えがあります。
ちなみに、ゴジラファンに怒られるかもしれないですが、ヘンテコ作品が好きな僕は『FINAL WARS』が大のお気に入り。ゴジラそっちのけで人間vs宇宙人のバトルに多くの時間割いてたり、人間が普通に怪獣倒してたり、ドン・フライが不死身だったり、「ガイガアアアアアアアアアアアン!!」がカッコよすぎだったり、僕の大好きが詰まった作品。
本作に話を戻すと、ゴジラとコングは1962年に日本で公開された『キングコング対ゴジラ』という映画でかつて一度だけ戦ったことがあるようで。本作のタイトルもこの映画へのリスペクトを込めてつけられたのだとか。しかし版権の問題等で再戦はなかなか叶わず、今回約50年ぶりの再戦と相成ったわけです。
そんな両雄が激突する本作は、最高の怪獣プロレスが最初から最後まで堪能できる、なんというか「食べ放題に行って野菜一切食べずに肉だけでお腹いっぱいにする」ような、満足度の非常に高い一作になっておりました。
はい、というわけで、感想を書いていきたいと思います。
とはいえ、感想と言っても、僕がインスタで書いたのがすべてだったりするんですよね…。
もうほんとコレに尽きる。
とにかく本作は、「いかにゴジラとコングを戦わせるか」という要素に全てを注いでいるんですよね。なので登場人物やストーリーは、ゴジラ側とコング側で別々に進行して最後に一堂に会するような構成になってはいるものの、ぶっちゃけ戦う場所へ誘導したり、舞台を用意する為にしか存在していない。
ただそれは何も考えていないということではなく、ものすごく緻密に計算して一切の無駄を省いているような、そんな印象。まぁ「そんな馬鹿な」と思うところも少なくは無いんですが、凄まじいスケールのバトルが過剰供給されるもんだから、脳がマヒして細かいところはどうでもよくなりました。
まずゴジラ側のドラマでは、『キング・オブ・モンスターズ』(以降KoM)にも登場したキャラが何人か出てきますが、なんかワチャワチャやってんなーくらいにしか思いませんでした。とりあえずモナークは仕事しろ。
ただ、マディソン・ラッセルを演じたミリー・ボビー・ブラウンは、KoMでは少年のような少女のような出で立ちだったのに、本作ではすっかり魅力的な女性になっていて、子供の成長は早いなぁ…と思いました(なんじゃその着地)。キャラの性格というか思想は陰謀論に傾倒していてかなりヤバ目になっちゃってましたけど。
コング側のドラマも、コングをいろんなバトルフィールドに案内するだけって感じ。
そんな中でも、コングと意思疎通できる少女ジア(演:カイリー・ホットル)は存在感を放っていましたね。耳に障害があるため手話で会話するキャラクターですが、役者さん自身も家族全員が耳に障害を持っていて日常会話に手話を使っているのだとか。こうした人を活かす作品を作れることがとても素晴らしいし、彼女はとても表現力や演技力のある人なので、よくこんな逸材を見つけてくるなぁ、という思い。しかもなんだかんだ小っこい女の子なので、ふとした時のしぐさとか表情とかがめっちゃカワイイというね。時流に乗った作品を鮮度の高いうちに作れるという点でも、日本はまだまだハリウッドには敵わないな、と思い知りました。
最終決戦の舞台は、香港。
ネオンの光に照らされながらの怪獣プロレスは、興奮しすぎて脳がトランスしそうなほどの大スペクタクル。バトルアックスを駆使して一矢報いるコングでしたが、死力を尽くして戦った結果、最後に勝利したのはゴジラでした。
そこに隠し玉としてメカゴジラが登場!そして即暴走!消耗しきっているゴジラをボコボコにするメカゴジラ。そこへ電気ショックで心肺蘇生したコングが駆け付け、ゴジラとコングの友情タッグファイトでメカゴジラを圧倒!!なんだこれ最高が過ぎる…!!
いやまぁ、気になる点もありますけどね。
機械に酒かけるだけで弱体化するメカゴジラとか…。
白目しか見せ場の無い小栗旬とか…。(まぁ出演シーンを半分以上カットされたらしいですが、それにしても影が薄い…)
結局のところ、ゴジラはメカゴジラの存在を感知してそれをどうにかしようとしてただけ。コングはジア含む人類を守ろうとしただけ。「彼らは太古の昔から戦う運命にあるのよ」とか煽りまくっていましたが、結果として戦うことになっただけで、その原因を作ったのはメカゴジラを作った人類。なんてこったい。
メカゴジラを破壊したあと、「やるじゃねぇか、お前…」「へっ、お前もな…」といった感じで、ゴジラは海底へ、コングは地底世界へ帰っていくのでした。
いやー、本当に素晴らしい映画でした。こちらが見たいものをメガ盛りで提供してくれるような、非常に見応えのある作品になっていると思います。まぁ「社会風刺こそがゴジラ」という考えの人には合わないかもですが…。
モンスターバースは今後どうなっていくんですかね。一応これで終わりとの事ですが、本作の大ヒットを受けてシリーズ継続も検討されているとかいないとか。いち視聴者としては、見れることならもっと見たいという気持ちでございます。
それにしても、『ブラック・ウィドウ』と2本立てで見てきたのに、他の記事を優先していたらすっかり遅くなってしまった…。もし近くの劇場でまだ公開されていたら、大きい画面で所狭しと暴れまわる怪獣を見てストレス発散してはいかがでしょうか。
ということで、映画『ゴジラ vs コング』の感想でした。
ではまた。