映画『バイオレント・ナイト』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。
もくじ
概要
クリスマスを舞台としたブラックコメディ・アクション映画、それが本作、『バイオレント・ナイト』です。
誰もが知っている超有名老人、サンタクロースを主人公とし、B級映画などでありがちな、サンタが悪い大人をぶっ殺しまくる、バイオレンス・アクション作品となっております。
本作は、2021年公開の『Mr.ノーバディ』、2022年公開の『ブレット・トレイン』を手掛けた、アクション映画に特化した映画制作会社、87ノース・プロダクションズの最新作。この会社、2019年設立と非常に若い会社なんですね、知らなかった。現在公開されている作品は本作を含めてまだ4作と、まだまだ新進気鋭の会社と言えるかと思います。
監督を務めるのは、2013年公開の『ヘンゼル&グレーテル』などで知られる、トミー・ウィルコラ。ホラー、コメディ、アクションといったジャンルの作品を多く監督しているようなので、ぴったりの人選ですね。
脚本は、『ソニック・ザ・ムービー』などの脚本も書いている、パトリック・ケイシーとジョシュ・ミラーが務めています。
主演は、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』で注目を集め、MCU作品『ブラック・ウィドウ』ではナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの義父を演じた、デヴィット・ハーバー。何気に、2019年公開のリブート版『ヘルボーイ』でも主演やってるんですね。ギレルモ版は大好きなんですが、リブート版はまだ見れてないや。
そのほか、『ジョン・ウィック』など数多くの映画へ出演し存在感を発揮しているジョン・レグイザモや、AmazonPrimeのドラマ『ザ・ボーイズ』にて、透明化能力を持ち、最期は尻から爆弾入れられて爆発四散するヒーロー、トランスルーセントなどを演じているアレックス・ハッセルら、多くの俳優陣が出演しています。
個人的な感覚ですが、公開直前の今年1月はyoutubeの広告やらTVCMやらで本作の宣伝をよく目にしていて、前々から見たいと思っていた僕は「そんなにゴリ押ししなくても見るから!あんまり押しが強すぎると逆に見る気失くすわ!」という気持ちになりました。見たい気持ちが強かったので今回は持ちこたえましたが、ちょっと気になってる程度の作品だったら多分見てなかったと思います。危なかった。
あ、本作はそこそこグロいので、苦手な人はご注意を。
予告編
あらすじ
クリスマス・イブの夜。
サンタクロース(演:デヴィット・ハーバー)は、近頃の物質主義的な子供たちに嫌気がさしており、今年でサンタを引退しようと考えていました。
とある豪邸へプレゼントを届けようとした際、傭兵軍団が襲撃してきて、家族は絶体絶命のピンチに。すぐにその場を離れようとするサンタですが、銃声に驚いたトナカイは彼を置いて逃げてしまい、移動手段を失ってしまいます。
運悪く巻き込まれてしまったサンタは、たったひとりで傭兵たちに立ち向かわざるを得ない状況に――。
というのがあらすじ。
本編感想
率直に、期待通りの非常に楽しい映画でした。
プレゼントのステッキや、ツリーの飾り、キャンディーケインを舐めて尖らせたものなど、クリスマスにちなんだもので悪党を次々とぶち殺していく様は、痛快そのもの。心優しいイメージのサンタが容赦なく暴力を振るうそのギャップも相まって、ブラックなジョークが利いていて大変面白かったです。モロに『ホーム・アローン』な展開もあって、めっちゃ笑わせていただきました。悪い大人が子供の罠に引っかかってコミカルな姿を晒す、あのフォーマットはやっぱり鉄板ですね。
各キャラクターも、とてもユーモラスで魅力的でした。
特に好きなのは、幼少期の体験からクリスマスを毛嫌いしている傭兵軍団のリーダー、スクルージ(演:ジョン・レグイザモ)と、売れない俳優(※めっちゃバカ)のモーガン(演:キャム・ギガンデット)あたりかな。敵キャラは、三度の飯より殺人が好きなサイコパス野郎や、顔は怖いけど「あいつ、もしかして本物のサンタかも…?」って信じちゃうお茶目な女性など、みんなキャラが立っていて最高でした。
あとはやっぱり、物語のキーパーソンとなる純粋な心を持った少女、トルーディ(演:リア・ブレイディ)がとっても可愛かったです。守りたい、この笑顔。
基本は何も考えずに楽しめる痛快娯楽作ですが、名前や犯罪歴をはじめ良い子か悪い子かがすぐにわかる巻物状のリストや、何も入っていないように見えるけど中に手を突っ込むとプレゼントが出てくる袋、サンタの上位者っぽいミセス.C(Sだったかも)の存在など、サンタ周りの設定が意外としっかりしていたのも好印象。最終的には「クリスマス・マジックだよ!」で押し切っていた気もしますが…。
ほかにも、サンタになる前はバイキングっぽいことをやっていた設定にして、やたらと戦闘力が高いことに説得力を持たせていたりと、なるべく破綻の無いようにうまいこと考えられているなーと思いました。バイキング時代に使っていた“脳天潰し”とかいう武器とよく似たハンマー(ゾンビ映画とかで良く見るヤツ)を見つけてからの、無双の如き大暴れっぷりも爽快感抜群でしたね。
余談ですが、英語での名前“ヘッドクラッシャー”よりも、邦訳の“脳天潰し”の方がすごい下品(笑)で個人的に好きです。
不満があるとすれば、なんで日本での公開は2月やねん!という点。
本国アメリカでの公開は、2022/12/02から。時期的にもバッチリですね。対して日本での公開は、2023/02/03から。今年の立春は02/04なので、暦ではもう春やで…。クリスマスを舞台にしてるんだから、どうにか2022年内公開にしてくれよ、という思い。
作品としてはとても良いだけに、ここだけ惜しいなぁ、と思ってしまった次第です。
おわりに
短めですが、感想は以上になります。
小さい子供たちには見せられない内容かと思いますが、大きな子供たちにはピッタリの作品になっていると思います。もうクリスマスシーズンはとうに終わっているので、今年の年末にでも見てみては…ってのはちょっと強引か。
ということで、映画『バイオレント・ナイト』の感想でした。
ではまた。