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映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』感想(ネタバレ)

映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

王様戦隊キングオージャー』は、2023年よりテレビ朝日系列にて放送中の、スーパー戦隊シリーズ最新作。

モチーフは意外にも戦隊初となる、昆虫。まぁ、仮面ライダーがずっと使ってきたモチーフですからね。最近は昆虫以外のモチーフのライダーも増えてきましたし、戦隊も満を持してモチーフとして使ってみよう、って感じですかね。それと名前の通り、メンバーが全員王様である、というのも大きな特徴です。

5つの王国からなるファンタジー世界を舞台とし、戦隊のセオリーをぶっ壊しまくった前作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』や前々作『機界戦隊ゼンカイジャー』と比べ、比較的王道な作りになっています。とはいえ、いきなり巨大戦をやってみたり、撮影側でいうとLEDウォールと呼ばれる超巨大なLEDディスプレイにCGなどで作った背景を映し出し、あとから合成をせずともCGの背景と同時に撮影を行うことの出来る、バーチャルプロダクションと呼ばれる技術を本格的に導入するなど、様々な新しいことにも挑戦しています。

 

もくじ

 

概要

本作はニチアサ恒例となる、お子さんたちが夏休みに入ったタイミングでライダーの映画と同時上映にて公開される、いわゆる“夏映画”と呼ばれるものになります。

例年通り、戦隊パートの上映時間は、わずか30分。TVの1エピソード程度の短さです。しかし、過去にはこの限られた時間でしっかりと特別感を出しつつ、作品のテーマを描ききっている名作も確かに存在しているので、ベテランの特撮オタクたちはその辺を楽しみにしていたり、していなかったり。

 

監督を務めるのは、上堀内佳寿也
助監督やVシネマの監督などを経て、TVシリーズでは『仮面ライダーエグゼイド』にて監督デビュー。その後は『騎士竜戦隊リュウソウジャー』などの数々の作品で監督を務めているお方です。近年では『特捜9』などのTVドラマの監督もやっているようです。

脚本を書いているのはTVシリーズと同様、高野水登
賭ケグルイ』や『真犯人フラグ』など、TVドラマの脚本を多く担当しており、ニチアサでは『仮面ライダーゼロワン』の23、24話の脚本を担当して以来。メイン脚本はキングオージャーが初となります。

 

キャストは、酒井大成渡辺碧斗村上愛平川結月佳久創池田匡志といったレギュラーメンバーのほか、ゲストキャラに声優の佐倉綾音、旦那がアレな雛形あきこ、そして歌舞伎俳優の中村獅童が出演しています。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

遂にシュゴッダム王国の王となった、ギラ・ハスティークワガタオージャー(演:酒井大成)。そして今日は、彼の戴冠式の日。

ヤンマ・ガストトンボオージャー(演:渡辺碧斗)、ヒメノ・ランカマキリオージャー(演:村上愛)、リタ・カニスカパピヨンオージャー(演:平川結月)、カグラギ・ディボウスキハチオージャー(演:佳久創)ら各国の王たちも招かれ、式は盛大に執り行われようとしていました。

そこへ突如現れたのは、ギラの幼馴染である、死の国ハーカバーカの使者、デボニカ(演:佐倉綾音)。
シュゴッダムでは、王位即位の際に先祖へ挨拶をするのが習わしとのことなので、デボニカに案内され死者の国へと行くことになったギラたち一行。ジェラミー・ブラシエリスパイダークモノ(演:池田匡志)もちゃっかりついてきています。

そこでは、シュゴッダム初代国王、ライニオール・ハスティ(演:中村獅童)が出迎えてくれます。しかし、彼はギラに王は務まらない、これから起こる大厄災からこの星を守れるのは自分だけだと言い、現世に蘇るためにデボニカの命を奪おうとします。

果たしてギラたちは、ライニオールを止めることが出来るのか。
そして、ギラが思い描く王の姿とは――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

…の前に、TVシリーズの感想を少々。

個人的なアレですが、ここ数年、ライダー、戦隊、ウルトラマンといった日本の特撮作品をリアルタイムで視聴しない日々が続いていました。とりあえず録画だけしておいて、あとでまとめて見よう、みたいになっていたんですよね。でもそうすると、僕の性格上いつまでたっても見ない、ということに最近ようやく気付きまして。ゼンカイやドンブラ、ライダーだとリバイス、ウルトラだとタイガ以降を全く見れていなかったりします。

なので、『仮面ライダーギーツ』からはちゃんと毎週見ようと。流石に朝起きてリアタイキメるまではいかないですが、録画してなるべく次の回が放送されるまでには見るようにしています。キングオージャーも、毎週しっかり見させて頂いております。あと、『ウルトラマンブレーザー』も毎週欠かさず見ています。ブレーザー、ヤバイくらいに面白くてマジヤバイ(語彙力)

 

で、キングオージャーが本当に楽しい。歴代戦隊の中でもかなり上位に食い込むくらいに、今のところお気に入りの戦隊になっています。

なんでこんなに好きなのか自分の中で考えて見たときに思ったのが、キングオージャーはほぼ『金色のガッシュ!!』なんですよ。僕にとって、もっとも泣ける漫画といえば、某海賊王を目指す作品より、圧倒的にガッシュなんですよ。読むたびに涙が枯れるほど泣くし、なんなら思い出すだけでも泣けてくるんすよ。「きんいろ」じゃない、「こんじき」なんですよ…!
特に推しメンのキャンチョメの別れのシーンは、初めて読んだとき泣きすぎてしばらく放心状態になるくらい…って思いだしたらまた涙が…(号泣)

とりあえずガッシュは全人類読んでくれ…頼む…。
ガッシュ2』も連載中なので、そちらもぜひ…。

↑このガッシュ完全版と2の表紙を敢えて同じ構図にしてるのとかもイイ…。

 

止まらなくなりそうなのでこの辺にしときますが、「各々に理想とする王の姿があって」、「彼らが時に探り合いながら」、「共通の敵が現れたときには団結して立ち向かう」、といった感じで、キングオージャーとガッシュは共通点がかなり多いと思っていて。だからこそ、キングオージャーはすごく僕の琴線に触れるんですよね。

もちろん、僕がキングオージャーを好きなワケはこれだけではありませんが、あんまり書くとキリがなくなってくるので、「女の子たちもスッゴイかわいくて面白いよ!」とだけ言っておきます(今までの話は何だったのか)

 

ようやく映画の話

映画は恐らく、第20話~22話の間、ギラがラクレスに勝利し、王となった直後辺りを描いていると思われます。

「先祖に挨拶する」という話にすることで、「初代国王を登場させる」という特別感を演出しているのが上手いなーと。お彼岸ともかけてるのでしょうか。
ギラ以外のキャラについても抜かりは無くて、TVの方で「先代に反乱を起こして王位を奪い取った」ことが語られていたカグラギと、先代国王のイロキ(演:雛形あきこ)との因縁とか、死別した両親と再会するヒメノとか、裁いてきた罪人たちからの恨みを人知れず恐れていたリタとか、死の国ならではのエピソードがそれぞれに用意されていて好印象でした。ヤンマだけは特に無い、というのもまたいいな、と。

普段はクールに振舞ってるのに、「出口が無い!」ってバンザイしてパタパタ走ってきたり、ヤンマに引っ張られてコロリーンってするリタ様は、悶絶級の可愛さでした。やめてくれカカシ。そのギャップは僕に効く。
きらびやかで前髪パッツンなヒメノ様も、お人形さんみたいでホント可愛い。最高。

 

何より、ギラがいよいよ名実ともに王様となったタイミング、そしてTVシリーズが後半に差し掛かろうというこのタイミングで、ギラの理想とする王の姿が高らかに宣言される。これが本当に、胸に突き刺さりました。「生きることは地獄だ」と言い切る姿にはこれまでの壮絶な人生を想像させるし、そこからの「小さな幸せこそ守る、それが俺の目指す王だ!」という言葉には、鳥肌ブワーってなるほどに感動してしまいました。

なんというか、僕の「こういう戦隊が見たい」という願望をそのまま形にしたような、本当に素晴らしい作品だなぁと。この映画がというか、キングオージャーという作品自体の話ね。いやまぁ、この映画もそうした作品性が色濃く出ていると思うので、映画の話をしてるのと同義なんですけど。

 

映画だけの特別なフォームとかも無かったですし、ロボ戦もありませんでしたが、全く問題なし。むしろそういうのを削ってでも描くべきところを描いてくれたので、英断だと思います。最後はライニオールもギラたちの力を認め、この星の命運を託すわけですが、始めからギラたちを試していたのかな、とも思わせる感じになっていたのがまた上手いなーと。

TVシリーズの方は遂に最強ロボが登場しそうな雰囲気ですし、これからも目が離せませんな。

 

おわりに

上映時間30分とは思えないほどに、満足度の高い作品でした。始めはギーツとまとめて書こうと思っていましたが、思ったより書きたいことが多かったので、個別の記事にさせて頂いた次第。…とか言いつつ、映画自体の感想はかなり少ないような気もしますが。

同時上映のギーツの方も、後程感想をアップさせて頂きたいと思っております。

ということで、映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』の感想でした。

ではまた。