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映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』感想(ネタバレ)

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

https://johnwick.jp/ より

アクション映画好きは全員好きと言っても過言ではない『ジョン・ウィック』シリーズ。もちろん僕も大好きなシリーズです。
その最新作が、本作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』になります。

主人公が自由を追い求めて激しすぎる戦いに身を投じる、アクション・スリラー作品となっています。

 

もくじ

 

これまでのおさらい

本シリーズは地続きになっていますので、簡単に前3作をおさらいしていこうと思います。

  • ジョン・ウィック』2014年
    最愛の妻と平穏な暮らしを送っていたジョン・ウィック。病で妻を亡くし、悲しみに暮れていましたが、彼女が遺した一匹の子犬によって心の平穏を取り戻しかけていました。そんな中、ジョンの愛車を狙って強盗が自宅へ侵入し、その際に子犬が殺害されたことで、復讐の炎に火がつきます。
    犯人は、ロシアンマフィア“タラソフファミリー”のボスの息子、ヨセフ・タラソフとその一味。ジョンはかつて裏社会でその名を知らぬ者はいないほどの超一流の殺し屋であり、その常人離れした戦闘力でもって、ファミリーもろともヨセフを殺害。復讐を果たしたジョンは、動物病院で殺処分寸前だった一匹の犬を連れ、帰路へと就くのでした。

  • ジョン・ウィック:チャプター2』2017年
    再び裏社会から身を引こうとするジョンでしたが、彼に貸しがあるというイタリア系犯罪組織“カモッラ”の幹部、サンティーノ・ダントニオが現れ、殺しの依頼をしてきます。一度は断るジョンでしたが、自宅を爆破されたことで拒否権は無いと悟り、渋々ながらも依頼を完遂。
    しかし、ジョンを生きて帰す気の無いサンティーノは彼に懸賞金をかけ、金目当ての殺し屋たちにジョンを殺させるよう仕向けてきます。ジョンは殺し屋たちを次々と返り討ちにしながら、最終的に「ホテル内での殺人はご法度」という掟を破り、コンチネンタル・ホテル・ニューヨークにてサンティーノを殺害。その結果、ジョンは主席連合(殺し屋の寄り合いのようなもの)から追放され、更に連合の出した暗殺指令によって、世界中の殺し屋から命を狙われることになってしまうのでした。

  • ジョン・ウィック:パラベラム』2019年
    世界中の殺し屋たちを返り討ちにしながら、暗殺指令を撤回してもらおうと、連合の首長の居場所を探すジョン。首長と会うことに成功したジョンは、連合に忠誠を誓うことで指令を撤回してもらいます。
    首長はジョンに、コンチネンタル・ホテル・ニューヨークの支配人、ウィンストン・スコットの殺害を命じます。ウィンストンは、サンティーノの殺害を止められなかったことや、ジョンの逃走を手助けしたことの責任を追及され、ホテルの退去を命じられていました。しかしウィンストンはそれを拒否し、ジョンも彼の殺害を拒否したため、ホテルの聖域指定が解除され、主席連合が派遣した部隊とホテルの従業員たちとの間で抗争が勃発します。最後はホテル側が勝利するも、連合への忠誠の証としてウィンストンはジョンを銃撃。どうにか生きていたジョンは、自身の自由を勝ち取るため、連合への復讐を決意するのでした。

 

本作概要

そんな感じで、物語は本作へと繋がります。
始めは「舐めてたオッサンが実は最強の殺し屋でした」系の作品だったものの、シリーズを重ねるごとにどんどんスケールがアップしていき、本作では世界の裏で暗躍している組織そのものとの戦いになっています。シリーズを象徴する凄まじいアクションは本作でも健在。アメリカ・ニューヨーク、フランス・パリ、そして日本・大阪を舞台に、ド派手なバトルがノンストップで展開される、アクション超大作となっています。

 

監督はシリーズ全作、チャド・スタエルスキが務めています。
マトリックス』にてキアヌのスタントを務め、『ジョン・ウィック』1作目で監督デビューするなど、キアヌと縁の深い人物です。日本のアクション映画にも強い影響を受けているとかいないとか。

主演は、世界を代表する俳優、キアヌ・リーヴス
1994年公開の『スピード』の大ヒットで一躍スターとなり、1999年の『マトリックス』でその地位は不動のものとなりました。2014年の『ファイティング・タイガー』では出演のほか、監督も務めています。ロックバントのベーシストの顔も持っているなど、活躍は多岐に渡ります。大の親日家としても知られ、中でも千葉真一は「彼の映画と共に育った」と言うほどの熱狂的なファン。2015年に来日した際にはサプライズで千葉との対面を果たし、終始子供のように大はしゃぎしていたんだとか。数々の“聖人”エピソードがネットにアップされているほどの人格者でもあり、世界中で彼を嫌いな人はいないほどの大スターです。

そのほか、シリーズお馴染みのイアン・マクシェーン、2作目で『マトリックス』シリーズ以来のキアヌとの共演を果たしたローレンス・フィッシュバーンらや、新キャストとして『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』のペニーワイズ役などで知られるビル・スカルスガルド、香港映画界の大スタードニー・イェン、そして日本からは我らの真田広之らが出演しています。

 

なお、本作は上映時間が169分と3時間近いボリュームになっているので、事前にお手洗いを済ませておくことをおススメします。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

主席連合への復讐に燃えるジョン・ウィック(演:キアヌ・リーヴス)。
彼は地下犯罪組織の王、バワリー・キング(演:ローレンス・フィッシュバーン)に匿われ、その時を待っていました。

まずは連合の首長のもとへ向かい、殺害。しかし、すぐにその座はヴィンセント・デ・グラモン侯爵(演:ビル・スカルスガルド)へ引き継がれます。
続いてジョンは、コンチネンタル・ホテル・大阪のオーナーを務める旧友、シマヅ・コウジ(演:真田広之)のもとを訪れます。それを知ったグラモンは、ホテルの聖域指定を解除し、部下と部隊を派遣。その中には、ジョンの友人であり引退したはずの盲目の暗殺者、ケイン(演:ドニー・イェン)の姿もありました。更に、懸賞金目当てのミスター・ノーバディ(演:シャミア・アンダーソン)も、虎視眈々とジョンの命を狙っています。

果たしてジョンは彼らに“コンセクエンス=報い”を受けさせ、自由を手にすることが出来るのか――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

いやー、大大大満足の映画でした。
極上の料理(アクション)が途切れることなく次々と供給されてくるので、もうお腹はパンパンです(笑)

僕はIMAXでの鑑賞でしたが、開幕早々のジョンの正拳突きの音が体にビリビリ響いてくるくらい凄くて、ビクッとなってしまいました。あれはぜひ映画館の音響で堪能して欲しいところ。

 

その後はもう、超絶怒涛のアクションの応酬。冗談抜きにずーっと銃声が鳴り響いていました。

新作が公開されるたびに「シリーズ最高のアクションだこりゃ!」ってなるのですが、今回もまた最高を更新したんじゃないでしょうか。砂漠、ホテル内、廃墟、階段、etc…といったロケーションもさることながら、見降ろし視点で長回し風に撮っていたりと、見せ方も様々な工夫が凝らされていて、大変見応えがありました。

 

本シリーズの素晴らしいところは、現実と同じようで結構違う、独特の世界観にあると思っていて。
主席連合=殺し屋たちが世界的に相当強い力を持っている(なので尋常じゃないくらい殺し屋がたくさんいる)といったところに始まり、目の前で人が銃殺されても大して驚かない市井の人々とか、ホテルでの掟とか、謎の金貨システムとか、誓約とか、とかとか。

中でも僕がとりわけ素晴らしいと思っているのが、謎技術で作られた超性能の防弾スーツ。アレのおかげで、「主人公だけなぜか被弾しない」という、映画などでありがちな矛盾を解消していて、絶妙なリアリティを演出しているんですよね。本作でも、ジョンがジャケット脱いだら被弾した弾がチリンチリーンって大量に落ちてくるシーンがあって、めっちゃくらってるwってなりました。あれだけ撃たれてたらそりゃ当たりまくってないとおかしいよな、と。

もちろん敵側にもそれは適用されていて、何発撃ち込んでも全然倒れないから、鎧の接合部(首元など)や頭を狙わなきゃならない。でも離れてると袖で隠したりしてなかなか当たらない。なので接近して寝技極めたりして動けなくした状態で頭を打ち抜く。という本シリーズ特有のアクションシークエンスに説得力を持たせていて、マジですごい発明だなーと。大きな男の子が全員好きな映画『リベリオン』のガン=カタを更に一歩推し進めたような感じ、と言いますか。『リベリオン』も「あまり知名度高くないけどオススメの映画ある?」と聞かれたら恐らく真っ先に答えるであろうというくらいに大好きな作品なので、まー本作も好きにならないわけはないですわな。あとジョンが敵を倒した後に毎回わざわざ頭を撃ち抜いてしっかりとどめを刺すところとかも、律儀で大変良き。

 

それから新キャスト、特にドニー・イェン兄貴と我らの真田のお2人は、やはり最高の極みでした。

大阪のシーンで最初に道頓堀の風景が出てきたときは「おぉっ!ちゃんと日本だ!」と思ったものの、その後はネオンがギラギラしている相変わらずのコレジャナイジャパンっぷりで、悔しいけど笑ってしまいました。『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』の記事でも書いている通りあーゆーの大好きなんですが、最近はいい加減日本のイメージをアップデートしてくれないもんか、とも思ってしまうジレンマ。ボディーガードが力士ってどういうこっちゃねん、とかね。なんで今この時代に弓矢と刀やねん、とかね。いつまで「Oh!ニンジャ!サムライ!」の時代やねん、とかね。

…まぁでもね、我らの真田が出てきたら、そこはもう大阪や。屋上にデカデカと「初志貫徹」って書かれたネオンがある場所なんて日本のどこにも存在しないけど(多分)、真田がおったらそこはもう大阪なんや。

…えーと、つまり、真田のカッコ良さの前では「そこが日本かどうか」なんてどうでもよくなる、ということです。佇まいからしてもう最高過ぎるのに、アクションはキレッキレというのがもうね、鼻血が出るほどカッコいい。本作で退場してしまうには何とももったいない。あと真田演じるシマヅの娘、アキラ(演:リナ・サワヤマ)もいい味出してましたね。演じる俳優さんは新潟出身の日本人で、現在はロンドンを拠点にシンガーソングライターとして活動しているんだそうです。アクションも相当頑張ってました。着物脱いでカッチョいいバトルスーツ姿になったと思ったら、意外と防弾性能は高くなくて一発食らっただけでほぼ戦闘不能になっちゃったのはちょっと残念でしたけど。

 

ドニーの兄貴も、真田に負けず劣らずの最高ぶりでした。盲目キャラって『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と被ってるやんけ!と最初思いましたが、あちらは真面目な武僧といった感じだったのが、本作ではちょっと砕けた性格で情に厚いキャラになっていて、ちゃんと差別化されていました。

そして何と言っても、兄貴のとてつもないスピードのアクションの数々は本当に凄かったです。常に杖で周りをカンカンしながら空間を把握したり、人が近づくと音が鳴る装置を使って敵の位置を察知したりと、目が見えないというハンデをものともしない凄まじい戦闘力を見せてくれて大興奮でした。シマヅvsケインのアジアンアクションスター対決も実現し、本当に眼福でした。

 

新キャラのミスター・ノーバディも、まだ真の強さを見せていなさそうでワクワクするキャラでした。手帳をパラパラするだけでどうやってジョンを見つけ出したのか、結局よくわからんままでしたけど。コイツも『パラベラム』に登場したソフィアみたいな犬と連携して戦うキャラでしたが、このシリーズ犬好きすぎやろ!とは誰もが思うところ。毎回どこかで犬を活躍させないとダメな契約とかあるんか?犬派の僕は「カワイイィィ!!」と思いながら見てますけども。

 

あと個人的に良かったキャラと言えば、主席連合のメンバーで“天国と地獄”とかいうクラブのオーナーでもある、キーラ(演:スコット・アドキンス)。かなりの肥満体型なのにやたらキレキレのアクションを魅せてくれて驚きました。あのボディであんなに見事な回し蹴り出来るってどゆこと?…と思ったら、演じる俳優さんはスタントマンとしても活動しながら俳優としても数々のアクション映画スターと共演しており、実際はスリム、というかマッチョなお方みたいです。あの体は特殊メイクのようですね。

クラブでのポーカー対決も、5カードとか隠す気さらさらないほど他の人がイカサマしまくりな中、ジョンだけクソ真面目にやって2ペアというのが、キアヌの人柄出すぎ!と思って爆笑しました。

 

アクションの過剰供給に既に胃もたれを起こしかけている後半も見どころのオンパレードで、凱旋門の前を走ってる全ての車が容赦なく人を轢き殺す殺人マシンと化してたり、見応え抜群の階段での銃撃戦からの、階段落ちのシーンはマジで命の危険を感じるほどだったり、最後の一騎打ちはこれまでとは打って変わって静かで幻想的で素晴らしかったり、いい意味で「まだか、まだ終わらんのか!」という気持ちでした。いい意味で、ですよ!

 

終盤、なんだか眠くなってきて何度か意識が飛びそうになりました。確かに本作は結構な長尺ですが、退屈とかは一切感じなかったのになんでだろうと思ったら、同じような境遇の人が結構いたみたいで、「人間が1日に接種可能なアクションを超過したため体が耐えられなくなった」とか言ってて笑いました。それだwww

なんか予告編とかで「決着、始動!」みたいな、終わるのか終わらんのかどっちやねんみたいな言い回しをしていてイラっとしていたんですが、本作の結末は「ここからどうやって続くの…?」的な終わり方だったので、続編あるかはちょっとわからないですね。『バレリーナ(原題)』というスピンオフが来年公開予定らしいですが、正統続編はどうなるのだろう…?てかもし本作で終わりだとしたら、なぜどっちつかずな言い方をしたんだろう…?そっちの方が気になる。

 

おわりに

感想はこんな感じです。
勢い任せにワーッと書いたので、毎度のことながらしっちゃかめっちゃかな文章ですみません。

ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』と同日に見に行って、というかタートルズの方が先に見たんですが、アニメの記事が続いたのであえてこちらを先に書かせていただきました。…うん、どうでもいいですね。こちらも後日感想をアップする予定です。

本作はアクション映画好きであれば必見!というくらいの素晴らしい作品になっていますので、ぜひ多くの方に本作の怒涛のアクションを浴びに行っていただきたいです。

ということで、映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の感想でした。

ではまた。