映画『スーパーマン(2025)』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

DCコミックを原作とした実写映画のシネマティック・ユニバース、それが『DCユニバース(DCU)』。
低迷し続けていた『DC・エクステンデッド・ユニバース(DCEU)』より仕切り直しが図られ、新たなユニバースとして生まれ変わりました。まぁ、一部は残留したり別の世界観として継続したり、まだ尾を引いているようですけど。未練がましいというかなんというか…。
賛否両論(否多め)だったDCEUですが、個人的には好きな作品いっぱいあったし、打ち切り漫画みたいな終わり方でもったいないなぁという思いが強かったり。まぁ、それ以上にDCUへの期待感も高いですけどね。
DCEU作品はいくつか感想を書いておりますので、良かったら併せてお読みいただけますと嬉しいです。
DCEU カテゴリーの記事一覧 - GORGOM NO SHIWAZAKA
あ、『ブルービートル』見るの忘れてた…。これだから劇場スルーは困る…。
そんなこんなで、紆余曲折ありつつも新生したDCUの劇場作品第1弾が、本作『スーパーマン』。
これまで幾度となく映画化されてきた元祖スーパーヒーロー、スーパーマンを主役とし、彼の新たな活躍を描いたリブート作になっています。
もくじ
スーパーマンとは
スーパーマンを知らない人はいないと思いますが、一応。
1938年刊行のコミックで初登場した世界で最初のヒーロー、それがスーパーマンです。
「空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだ!!」
のキャッチフレーズはあまりにも有名。
太陽光をエネルギー源とし、ビルを軽々と持ち上げる怪力、銃弾を受けても傷ひとつ付かない耐久力、ジェット機より速い飛行能力などなど、強そうな能力は大体持っています。目から熱光線を出したり、吐く息で竜巻を起こしたりといった実用的な能力や、スーパー催眠術やスーパー数学といったトンチキ能力まで、もはやヤケクソのように強さが盛られ続けているのが面白い。
そのエポックメイキングな存在は当然、後年のコミック、映画、アニメに多大な影響を与えています。『ドラゴンボール』の孫悟空とか、ほぼまんま同じ出自ですし。スーパーマンがいなければ、日本の漫画文化もこれほど発展しなかったと言っても過言ではないんじゃないでしょうか。
本作でもそうした設定はほぼそのまま活かされていますが、彼が地球に来た経緯やスーパーマンとして活動を始める経緯などはバッサリカットされ、最初に字幕でサラッと語られるだけとなっています。映画が始まった時点で既にスーパーマンとして市民に認知されているし、ロイスとは恋人同士だし、ルーサーとは敵対しています。
「いちいち描き直さなくてもみんな知ってるよね?」という制作側の思いを感じますし、何より細かい設定なんて知らなくても十二分に楽しめる作品になっているので、全く問題ない、むしろ正解だと思いました。
概要
DCEUでヘンリー・カヴィルが演じたスーパーマンは、さながら全知全能の“神”のように描かれていましたが、今回のスーパーマンは感情的になったりそれによってピンチに陥ったりと、非常に“人間”らしく描かれているのが特徴。それによって親近感が湧き、応援したくなる魅力を生み出しています。まぁ、僕は強すぎて恐怖すら感じるカヴィルマンも大好きですけどね。
本作にて監督・脚本を務めるのは、ジェームズ・ガン。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』などの監督として知られ、現在はDCスタジオの代表としてDCUを総括する立場となっています。そんなガン監督が手掛ける本作は、今後のDCUの方向性を決める非常に重要な作品であると言えます。
今回スーパーマンを演じるのは、Netflix配信のドラマ『ザ・ポリティシャン』などに出演した、デイビッド・コレンスウェット。
ヒーロースーツを着る際には肉襦袢を下に着用して体を大きく見せるのがお約束ですが、デイビッドはそれをせず、過酷なトレーニングによって筋肉を大幅に増強し、その鍛え上げた己の肉体のみであの見事なバルクを実現しています。『ブラックアダム』のドウェイン兄貴と同じですね。兄貴は映画のために鍛えたわけではなく、普段から鍛えてますけど。
そのほか、AmazonPrimeVideo配信のドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』で主演を務めたレイチェル・ブロズナハン、『X-MEN』シリーズや『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などに出演しているニコラス・ホルト、ガン監督作品常連のネイサン・フィリオン、『トワイライト』シリーズなどに出演したエディ・ガテギ、『マダム・ウェブ』にて3人娘のひとりを演じたイザベラ・メルセドといった俳優陣が出演しています。
予告編
あらすじ
この街でデイリー・プラネット新聞社の記者として働く、クラーク・ケント(演:デイビッド・コレンスウェット)。その正体は、人々を守る最強のヒーロー、スーパーマン。
しかし、中東の小国、ボラビア共和国の内紛に介入したことで、国際問題に発展。スーパーマンは自身の力の使い方を問われることに。また、新聞社の同僚であり恋人であるロイス・レイン(演:レイチェル・ブロズナハン)とも、その件で喧嘩になってしまいます。
さらに、スーパーマンを毛嫌いしている大富豪、レックス・ルーサー(演:ニコラス・ホルト)も、この機に乗じて彼を社会的、精神的に追い詰めてきて――。
というのがあらすじ。
感想
これが見たかった…。
まさに、僕が見たかったものが詰まった作品でした。
等身大のスーパーマン
まず、あのスーパーマンが負けるところから始まるのが衝撃的で。開始数分で、いきなりググっと心を掴まれてしまいました。
これまで描かれてきた、「完全無欠・絶対無敵のスーパーマン」ではないと、冒頭からいきなり宣言しているわけです。これが非常に面白いと思いました。DCUにおけるスーパーマン、ひいては彼をはじめとする全てのヒーローは、決して“人間を超越した存在”ではないんだと。映画を見ている皆さんと同じように、彼らも“ひとりの人間”なんだよと。そういう制作側の思いが伝わってきました。超然としたヒーロー像も素敵ですが、こちらの方がより今風な感じがします。
その後も、怒ったり迷ったり悩んだりするけれど、それは全て彼の根底にある、市井の人々だけでなくイヌやネコ、さらにリスまでも救おうとする“優しさ”によるもの。その優しさは、地球の父ちゃん母ちゃんが愛情たっぷりに育ててくれた賜物なのがまた泣ける。彼自身も知らなかった出生の秘密が明かされ、存在意義を問われることになっても、「どう生まれたか、どう生きてきたかじゃない。これからどう生きるかが大事」という父ちゃんの言葉は非常に普遍的で、だからこそ心に響きました。すぐ泣く地球の父ちゃんと一緒に、僕もボロボロ泣いてしまいました。
また、今回のスーパーマンは、結構苦戦することが多いのも特徴かなと。スーパーマンが弱くなったわけではなく、敵が強すぎるって感じなのがまたなんともうまい。コレ、今後やるかもしれないクロスオーバーの際にも活きてくるように思いました。

あまりにも強すぎると↑みたいになるし、チームアップする意義がわからなくなりそうなので、今回のスーパーマンは非常にいい塩梅なのではないかと思いました。
まぁ、クロスオーバーはまだやるのかわかりませんけどね。過去の失敗から、恐らく慎重になっていると思いますし。
スーパードッグ・クリプト
開始早々ボロボロのスーパーマンに呼ばれて参上するのが、スーパードッグ・クリプト。とある人物より預かっている犬で、スーパーマンに匹敵する身体能力や飛行能力などを持っています。
このクリプトがね、もうね、かわいすぎるって!!
しつけはなってないし、本来の飼い主ではないスーパーマンに完全になついてはいないけれど、ちゃんとやることはやってくれるとってもいい子。途中ちょっと酷い目に遭ったりして胸が痛かったですが、最初から最後まで大活躍してくれて、犬好きとしては嬉しい限り。
コミックなどではラブラドール系の大型犬として描かれることが多かったクリプトですが、本作ではテリア系の小型~中型くらいの長毛の犬種になっています。ガン監督の飼っている愛犬がモデルになっているそうで、原作ファンからは賛否の声が上がっているんだとか。僕はかわいけりゃ万事OK!朝起きたらお腹の上で尻尾フリフリしながら上目遣いで見つめてくるとか、反則級のかわいさ!ボコボコにされる勢いでじゃれつかれても、家中を破壊されても、このかわいさの前では全部許しちゃう。
意外にも、実写映画でクリプトが登場するのは本作が初なんだそうで。2022年のCGアニメ映画『DC がんばれ!スーパーペット』では主役だったので、てっきり前々から出てるものだと思っていました。(クリストファー・リーヴ版とかも見てはいるんですが、細かいところは覚えてない…。)スーパーマン映画の歴史に、また新たな1ページが刻まれたわけですね。
ヒーローチーム、ジャスティス・ギャング
と、このままではクリプトのかわいさだけ書いて感想終わっちゃいそうなので、この辺にしといて。
雇われヒーローチーム、ジャスティス・ギャング(JG)も最高にいいキャラたちでした。
- ガイ・ガードナー/グリーン・ランタン(演:ネイサン・フィリオン)
宇宙の治安を守る自警団的な組織、グリーン・ランタン・コァのメンバー。指にはめたパワー・リングから発せられる緑色の光は、彼がイメージした通りの実体になる。要は何でも作り出せる能力の持ち主。JGの名称は彼の考案で、ほかのメンバーは反対してたり。 - Mr.テリフィック(演:エディ・ガテギ)
天才的な科学者であり、発明家であり、アスリート。JGの実質的なリーダー。様々機能を持つ金属球・Tスフィア、移動用ビークル・Tクラフトなどを駆使して戦う。メカニック担当っぽいけど、バリバリ前線に出るし、戦うとめちゃくちゃ強い。 - ホークガール(演:イザベラ・メルセド)
特殊な金属・エヌスメタルで出来た翼で空を飛び、同じ金属製のメイスで敵をなぎ倒すパワーファイター。コミックでは、『ブラックアダム』に登場したホークマンと同様、古代エジプトの王族が転生した存在であり、彼とはどんなに転生を繰り返しても結ばれる運命にあるらしいけど、DCUでもその設定なのかはまだ未知数。
これらのメンバーで構成されたチームで、映画でもスーパーマンに対抗心を燃やしたり共闘したり、存在感を発揮してくれています。
彼らのちょっとやさぐれてるというか、ドライというか、ヒーローなのにちょっとヒーローらしからぬ感じが、非常にガン監督作品らしいキャラに仕上がっていて、とっても良かったです。みんな最高でしたが、個人的にはホークガールが特にお気に入り。『マダム・ウェブ』でクールなキャラを演じてた子が、今度はワイルド系のキャラを演じてるのがすごい。そしてかわいい。
テリフィックはワンカット(風)で大量の軍人たちをノックアウトするシーンが見応え抜群でしたし、グリーン・ランタンはファ○クサインで軍隊を蹴散らすシーンが最高。
宿敵、レックス・ルーサー
今回ヴィラン(敵役)として立ちはだかるのは、コミックでも映画でもたびたび登場する宿敵、レックス・ルーサー。
演じるニコラス・ホルトがまた、バッチリ役にハマっていました。多分、彼がスーパーマンと対立する理由って「自分より目立ってるのが許せない」みたいなめちゃくちゃ幼稚なもので、それが端々から見えてくるのがすごく良かったです。誰よりも頭がよく、誰よりも金持ってるのに、自分を悪く言うやつを牢獄に閉じ込めたり、大量のお猿さんを使ってスーパーマンの悪口をSNS等に書かせるネガティブキャンペーンをやってみたり、絶妙に小者感を演出していて素晴らしかったです。
最後の涙も、「負けた…」って感じではなく、「マジでムカつくわアイツ…」って感じだったのがとても良き。
ちょっと気になったところ
本作は良いところばかりで、清廉潔白で優等生的な作品に仕上がっていると思いました。ですがそれゆえに、ガン監督らしいブラックさがもう少し欲しい、と思ってしまったのも事実。
いやまぁ、スーパーマンでそれをやるのはどうなんだと自分でも思いますし、ちゃんとJGの面々でガン監督らしさを見せてくれたしで、不満というほどのものでもないんですけどね。これ以上やったら「こんなのスーパーマン映画じゃない!」ってなるだろうし、本作が絶妙なバランスを保つよう考え抜かれているであろうことはわかっています。要は無いものねだりですわ。
それと、最後にDCU次作『スーパーガール』で主演を務めるミリー・オールコックがチラッと出てきてテンション上がったんですが、それと同時に『ザ・フラッシュ』に登場したサッシャ・カジェ版のスーパーガールはもう見れないのかな…と寂しい気持ちになりました。
あのやさぐれスーパーガール、ホント好きだったんです。キートンバッツみたいに、どうにかこうにかまたあのスーパーガール出てきてくれないかなぁ。
おわりに
以上になります。
某鬼退治アニメの公開が始まる前に見てきたんですが、なかなか感想が書けませんでした。『ファンタスティック4』も鑑賞済みなので、なるべく早く感想書きたい、と思ってはいます。
ともあれ、本作はDCUの始まりにふさわしい、大変見応えのある作品でした。全てのヒーローの原点にして、頂点。その新たな物語を、ぜひ多くの人に見届けて欲しいです。
犬好きは必見!

ということで、映画『スーパーマン(2025)』の感想でした。
ではまた。