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映画『M3GAN/ミーガン』感想(ネタバレ)

映画『M3GAN/ミーガン』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

 

もくじ

 

概要

今やホラー映画界で欠かせない人物となっている、ジェイソン・ブラムジェームズ・ワンの2人が製作に携わっている本作。
制作会社は、ジェイソン・ブラムが設立し、数々の名作ホラーを生み出してきた、ブラムハウスです。

ダンスシーンの動画がTikTokだかでバズったおかげか、CMをバンバン流したりと、やたら宣伝に気合が入っていましたね。ゴリ押しは好きではないし、そもそもホラーが割と苦手な僕ですが、本作は結構前から気になっていたので、無事に鑑賞までモチベーションがもちました。

 

監督は、ジェラード・ジョンストーンニュージーランド製のホラー、『ハウス・バウンド』という映画で監督デビューし、本作は監督2作目っぽい?

脚本は、『マリグナント 凶暴な悪夢』や、『MARVEL ルーク・ケイジ』などでも知られる、アケラ・クーパー

主演は、製作総指揮も務める、アリソン・ウィリアムズ。2017年公開の『ゲット・アウト』で、主人公の恋人役で出演していたのが印象に残っています。

もうひとりの主演に、MCU映画『ブラック・ウィドウ』にてエレーナ・ベロワの子供時代を演じた、ヴァイオレット・マッグロウ。常にちょっと眠そうな目をしているのが、なんかいいなぁと思いました。

そして真の主役と言うべきAIロボットを演じるのは、2019年のダンスワールドカップニュージーランド代表として出場した経験を持つ、俳優でありダンサーでもある、エイミー・ドナルド。素顔でダンスしている動画とかもSNSで山ほど上がっていますが、これがまぁーカワイイのなんの。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

大手玩具メーカーで研究者として働くジェマ(演:アリソン・ウィリアムズ)は、交通事故により両親を亡くした姪のケイディ(演:ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取ることに。子育ての経験も無く、多忙な日々を送っているジェマは、自分の代わりにケイディの面倒を見てくれるよう、超高性能AI人形、M3GAN(ミーガン)(演:エイミー・ドナルド/声:ジェナ・デイヴィス)を開発。「あらゆることからケイディを守る」ようプログラムされたミーガンは、ケイディの親友として、時には保護者として、その役目を全うしていました。

しかし、学習をし続けるミーガンは、ケイディへの愛情からどんどんその行為をエスカレートさせ、やがてジェマたちの思惑を外れて暴走していく――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

怖さを面白さが凌駕する、非常に楽しい映画でした。
というか、ホラー苦手な僕でも全然平気なくらい、怖さはかなり控えめだったように思います。

ミーガン開発までの序盤は、さながらトニー・スタークがトライ&エラーを繰り返しながらアイアンマンスーツを完成させるかのような、ワクワクする展開でした。そこからのミーガンお披露目のシーンもやたらと感動的なものになっていて、ここからどう転ぶんだろう…?と期待させてくれます。いやまぁ、正直予告編でほぼ全て見せちゃってるような気もしますが…。
CEOのデヴィット(演:ロニー・チェン)の、「テスラもハズブロも目じゃないぜ!」みたいなセリフが個人的お気に入り。

 

ミーガンと共に家に帰ってからは、ジワジワと不安を煽ってきます。

すっかりミーガンを気に入ったケイディは、どんどんミーガンに依存していきます。どこに行くにもミーガンと一緒じゃなきゃイヤだと駄々をこねるし、ジェマよりもミーガンのことを家族と思っているようでした。それに伴いミーガンも、だんだんとジェマの言うことを聞かなくなってきます。理詰めで反抗してくるミーガンは、さながら某「あなたの感想ですよね」おじさんのよう。

ある日、外で弓矢遊びをしていたケイディは、矢を1本失くしてしまいます。ミーガンがスキャンをして捜したところ、隣の家との柵に出来た小さな穴から、わずかに隣の敷地内に入ってしまっていました。穴から手を伸ばし、矢を取ろうとするミーガン。その時、隣人の飼い犬がミーガンに襲い掛かってきます。助けようとしたケイディも噛まれ、手に怪我を負います。それを見て、静かに怒りを燃やす髪ボサボサのミーガン…。
そして翌朝、犬は忽然と姿を消してしまうのでした。

 

これを機に、ミーガンはケイディを傷つけるものを実力行使で排除するようになっていきます。

そのターゲットが、躾のなっていない犬、ギャーギャーうるさい隣人、自己中で暴力的なクソガキと、「いいぞもっとやれ!」と思わせるような相手ばかりなので、怖さよりも爽快感すら感じさせます。人の耳ってあんなに伸びるんだろうか…?

ようやく危険性に気付いたジェマたちは、ミーガンを廃棄処分しようとするのですが、時すでに遅し。電源停止したフリをしてすべて聞いていたミーガンは、暴力の限りを尽くして帰宅します。ここで披露するのが例のバズりまくった不気味ダンスで、「コレコレ!コレが見たかったんや!」と興奮した…んですが、予告などで見られる以上のものはお出しされなかったので、もっと見たかった…というのが正直なところ。バイオレンスなシーンはここでCEOとその秘書が殺されるとこくらいでしたが、僕のようなホラー耐性低めの人間にはむしろありがたいかもしれない。

そーいや、なんか残酷版みたいなバージョンもあるらしいですね。血の量が増えてたり、言葉遣いが汚くなったりしてるんだとか。そっちも見てみたいなぁ(苦手なくせに)。

 

最後は自宅にて最終決戦。

遂には守る対象だったはずのケイディにも牙を剥くミーガン。「私の言うことが聞けないのなら、あなたも排除して、私がプライマリユーザになるしかないわね」みたいなことを言っていた気がします。

ここで、序盤に登場した試作ロボットのブルースが大活躍するのがアツい。てかブルースはなんかものすごいパワーを持ってましたが、玩具メーカーの社員が作るもんの域を越えてるよね…?むしろ建設現場とかで重宝するのでは?

しかし、チタン製のミーガンはちょっとやそっとじゃ壊れない。ブルースも健闘しますが、破壊されてしまいます。なんでわざわざチタンで作ったんや…軍事用かよ!
最後はケイディがドライバーで制御チップを突き刺し、機能停止。

これで全て終わり…家族に平和が戻った…と思いきや、Siri的なホームアシスタントデバイスを介して、ネットワークの世界に逃げ込んだ様子のミーガン。ホラー映画の定石、恐怖はまだ終わらない…といった感じで、映画は幕を閉じます。ネットの世界で暴れまわるのか、ほかのAI人形にハッキングしてゾンビみたいに数の暴力で襲ってくるのか…。今後の展開が楽しみです。

 

おわりに

短いうえに感想部分がほとんど無い気がしますが、以上になります。

「機械が反乱を起こす」というプロットは既に『ターミネーター』や『マトリックス』などでも描かれており、もはや目新しさはないですが、本作はそれを現代風にブラッシュアップすることで、斬新なものになっているのがすごいと思いました。また、メンタルケアは機械に頼るだけではなく、やはり人と人とがしっかりと向き合ってやらなければならない、というのを描いているのも好印象でした。

既に続編の製作も決定しているようなので、ホラー界に誕生した新たなアイドルを、今後とも見守っていきたいと思います。まぁ、続編がスプラッター要素マシマシになってたら、ちょっと見れないかもしれませんが…。

ということで、映画『M3GAN/ミーガン』の感想でした。

ではまた。