GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

ドラマ『ウェアウルフ・バイ・ナイト』感想(ネタバレ)

Disney+にて配信中のドラマ『ウェアウルフ・バイ・ナイト』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

マーベルコミックを原作とした複数の実写映画を同一の世界観で描くクロスオーバー作品群、それが『マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)』。

本作は、『マーベル・スタジオ・スペシャル・プレゼンテーション』とかいうヤーツの第1作目になります。
これは何かというと、要は1話完結のテレビスペシャルみたいなもんですな。あの手この手で新しいことにチャレンジするマーベル・スタジオの精神は素晴らしいですね。12月に配信予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャ』もこれにあたるっぽい?

 

もくじ

 

概要

タイトルにもなっているウェアウルフ・バイ・ナイトというキャラクターは、俗にいう狼男です。満月の夜に変身してうんぬんかんぬん、っていうアレです。

原作では、1972年に発行されたコミックにて初登場。
色々あったのち、ムーンナイトらと共に、クライム・ファイターとして犯罪者と戦ったりしたんだとか。また、モービウスらと共に、ミッドナイト・サンズ(闇のアベンジャーズみたいなもんです)の一員としてゾンビたちと戦ったこともあるとかないとか。アメコミ読んでないのでてっきりヴィラン(敵役)なのかと思ってたら、ヒーロー側のキャラクターなんですね。

 

本作の特徴は、MCU初の本格的なホラー作品であり、これまた初のR15指定の作品であること。これまでのMCU作品ではキッズへの配慮から、斬られても刺されても全く血が出ないという、なんとも不自然な現象が発生していました。しかし本作では、腕を切り落としたり、耳を噛み千切ったりといったゴア描写がところどころにあり、しっかりホラーしてました。

また、本編のほとんどがモノクロ映像という点も大きな特徴。クラシックなホラー作品をイメージしたんだと思いますが、血などのゴア表現がグロくなり過ぎないという点でも、モノクロは非常に効果的だと思いました。あとブラッドストーンだけは色付きで赤く光ってるところとか、本作の象徴的なアイテムである事がすぐに理解出来て好印象でした。

 

本作の監督は、音楽家でもあるマイケル・ジアッチーノ
LOST』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』といったJ.J.エイブラムス作品、『Mr.インクレディブル』や『カールじいさんの空飛ぶ家』といったピクサー作品など、数多くの作品で音楽を担当しているそうです。本作の音楽も彼が作曲しているんだとか。監督まで出来るってすごすぎやろ…。

主演は、メキシコ人俳優のガエル・ガルシア・ベルナル
2017年のピクサー作品『リメンバー・ミー』で、骸骨の方の主人公、ヘクターの声を演じた人だそうです。

もうひとりの主役というべきエルサを演じるのは、イギリス人俳優のローラ・ドネリー
ロード・オブ・ザ・リング』などの原作者、J.R.R.トールキンの半生を描いた2019年の映画、『トールキン 旅のはじまり』などに出演しているそうです。
こんな映画があるの知らなんだ…。僕は英国発のファンタジーは魔法学校よりも指輪派なので、これはいずれ見よう。

 

その他の俳優さんについては割愛。
本作は本編が約50分程度と短めな作品なので、感想も短めに書いていきたいと思います。

 

予告編


www.youtube.com

 

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あらすじ


この世界には、スーパーヒーローたちが活躍する輝かしい光の世界があれば、誰の目に触れることもない闇の世界も存在します。闇の世界では、恐ろしいモンスターと、それを狩るモンスター・ハンターたちがしのぎを削っていました。

とある夜、ハンターで構成されるグループのリーダー、ユリシーズ・ブラッドストーンの死を受け、ハンターたちが彼の家に集まってきます。
その目的は、彼の死を弔うこと…ではなく、彼が所有していた非常に強い力を持った石、ブラッドストーンを手に入れることでした。庭?に放ったモンスターの背中に石が貼り付けられており、そのモンスターを仕留めた者に石が与えられる、とのこと。ハンターたちは互いに潰し合いをしながら、モンスターを追い詰めていきます。

石を手に入れ、最強のモンスター・ハンターの座を継ぐのは、一体誰なのか――。

というのがあらすじ。

 

キャラクターについて

人狼になる呪いをかけられたモンスター・ハンター、ジャック・ラッセルウェアウルフ・バイ・ナイト(演:ガエル・ガルシア・ベルナル)。
20年間家を出ていたユリシーズの娘、エルサ・ブラッドストーン(演:ローラ・ドネリー)。
ユリシーズの妻であり、此度の対決を取り仕切る、ヴェルーサ(演:ハリエット・サムスン・スミス)。

ストーリーに深く関わってくるのはこの3人。他にも何人かハンターが出てきますが、特に覚える必要は無いです(笑)

 

一応本作の主人公はウェアウルフ=ジャックですが、真の主人公はエルサじゃないかと思いました。ジャックの物語というよりかは、エルサの物語として見た方がしっくりきます。ほとんどひとりで他のハンターぶっ殺してますし、最後はエルサが石を手にしてますし。

とはいえジャックも、独特の雰囲気を醸し出していて良かったです。
物腰柔らかで、争いを好まず、他者を蹴落としてでも石を手に入れようとする他のハンターとは対照的。それでいて、これまで100体以上のモンスターを狩ってきたという、得体の知れなさ。僕はコミックも読んでないし、前情報も入れずに見たので、最初は放たれたモンスターがウェアウルフなんだと思ってました。変身した姿は、格闘ゲームブラッディロア』のようなカッコいい姿を想像してましたが、どうやらコミックの姿に寄せているようで、意外と人の部分が残ってましたね。

ブラッディロアの主人公、大神勇吾の変身した姿。コレとは全然違います。

ヴェルーサは、なんつーか、キャラ濃かったですね…。いちいちオーバーな演技は、これもクラシックなホラー作品を意識しているのかな。ジャックがウェアウルフだと判明した瞬間に態度が豹変するさまは、魔女狩りとか、人種差別とか、あとは未知のものに対する偏見とかを彷彿とさせるものでした。

あとはなんといっても、モンスターの正体である、マンシング(演:ケイシー・ジョーンズ)。
いかにもモンスター然とした姿ですが、コミックでは彼もヒーローだそうで。ウェアウルフと同様、ミッドナイト・サンズのメンバーらしいです。元々は地球人の化学者でしたが、キャプテン・アメリカを生み出した超人血清を再開発する計画を進める中で敵の襲撃に遭い、生き延びるために副作用のある血清を打った結果、あのような姿になったんだとか。本作で呼ばれていたテッドという名前も、コミックにおける彼の本来(血清を打つ前)の名前、セオドア・“テッド”・サリスから来ているそうです。
このテッドがまー可愛い。エルサに名前を呼ばれたときのキョトンとした顔とか、ジャックが寝てる間にコーヒー淹れてあげるとことか、可愛さに満ち溢れていました。まさかモンスター萌えする日が来るとは思いませんでしたよ…。

 

ストーリーについて

ストーリーに関しては、時間が短い分、非常にシンプルだった印象。ですが、説明不足という感覚はそれほどなく、むしろシンプルな分とても見やすいと感じました。ちなみに、一番最初のナレーション部分でアベンジャーズのシルエットが一瞬出てくるだけで、他のMCU作品との繋がりは一切ありません。

最終的にブラッドストーンの主となったエルサ。『Over The Rainbow』の曲と共に世界が色づいていく演出は、ここからエルサの物語が始まっていくってことなのかなーなんて思ってみたり。「家族は大気のように頭上を漂い、決して逃れられない」とジャックが言っており、訳ありな家系であることを匂わせていましたが、詳細は最後までわからずじまい。今後明かされていくことを期待します。

最後はジャックがテッドに寿司を奢る約束をして、終幕。可愛らしいやり取りにホッコリしました。

 

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終わりに

思ったより長くなってしまいましたが、感想は以上になります。

これまで短めの感想の時は目次を付けてませんでしたが、今回は試しにつけてみました。なんとなくちゃんとした記事っぽくなったような気がしますが、どうでしょうか。…はい気のせいですよね調子こいてすみませんでした。

 

ともあれ、本作は短いながらなかなか見応えのある作品になっていると思います。今後、ウェアウルフやマンシングがムーンナイトやMCUブレイドたちとクロスオーバーして、ミッドナイト・サンズを結成したりしたらアツいですね。これからが楽しみです。

ということで、ドラマ『ウェアウルフ・バイ・ナイト』の感想でした。

ではまた。