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ゴルゴムのしわざか!

映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』感想(ネタバレ)

映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

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スパイ映画の金字塔として、おそらく知らない人はいないであろう大人気シリーズ、007
テーマソングも、聞かない日は無いってくらいに有名ですよね。

007といえば、僕はニンテンドー64の『ゴールデン・アイ』にハマっていた世代。あえて銃を持たずにチョップで戦ってたりして、友達とワイワイ楽しんだ若かりし日々。その後も何作か友達とプレイして、そのたびに素手で相手を撲殺しておりました。
未だにそうなんですが、FPSで狙いをつけるのがどうにも苦手で、だったら近づいて直接殴った方が早い、というタイプ。なので流行りのバトロワ系も苦手。

かれこれ60年ほど続く長寿シリーズのため、その主人公、ジェームズ・ボンドを演じる俳優も幾度かの交代をしています。5代目ボンドを演じていたピアース・ブロスナンの引退を受けて、6代目ボンドとして大抜擢されたのが、ダニエル・クレイグ
確かキャスティングが発表された当初、「金髪のボンドなんてありえない!」といった声がすごかったように記憶しています。ただでさえ大役を演じるプレッシャーがあるのに、更にバッシングにも耐えなきゃならないなんて、さぞ大変だったことでしょう…。でも本作のパンフとか読むと、今は「歴代最高のボンド」みたいに言われているとか。手のひら返しがすげぇや…。
ダニエル・クレイグがボンドを演じた15年を振り返るドキュメンタリー『ジェームス・ボンドとして』では、キャスティングが発表された時の非難の声や、海から出てくるところをパパラッチされたたった1枚の写真で評価が一変した模様などが赤裸々に語られていて、こちらもすごく面白かったです。

そんなダニエル・クレイグ版ボンドも、早や15年。なんかずっとやめたいやめたい言ってたそうですが、遂に本作を以てジェームズ・ボンド役を引退することとなりました。出演作品数では初代のショーン・コネリーや3代目のロジャー・ムーアの方が多いけど、年数としては歴代最長記録っぽい。

恥ずかしながら僕はこれまで007の映画をほとんど見ていなかったので、とりあえずダニエル・クレイグのシリーズをアマプラで一気見してから本作に臨みました。『スカイフォール』に関しては前に飛行機の中で見た記憶がありますが、画面小さいし暗いしでほとんど内容が頭に入ってこなかったので、改めて見直した形。

全体的な感想としては、007ってルパンみたいなひとつひとつの作品のつながりが緩いシリーズかと勝手に思っていたのですが、ダニエル・クレイグ版は完全に地続きになっていて驚きました。あと、必ずボンドガールとのロマンスがあるもんだと思っていたので、思ったよりベッドシーンが少なかった印象。特に『慰めの報酬』では、元カノをゴリゴリに引きずっていたとはいえカミーユと一切そういう関係にならなくてちょっとビックリしました。まぁボスの嫁をNTRしてたりしたけど。
そういや『カジノ・ロワイヤル』で「君は独身だから僕のタイプじゃない」みたいなこと言っていましたが、その後の作品でも(情報収集が主な目的とはいえ)やたら人妻とヤリまくってたので、あの発言マジだったのか…と思いました。

確かピアース・ブロスナン版のを過去に何作かTVで見たような気がしますが、なんとなくボンドカーカッコよかったーとか、スパイのくせに常に女性とイチャついてるなーくらいの印象しかなく、どんな話だったのか全く覚えていないので、シリーズ全体としてどうとかは何も言えないんですが、少なくともダニエル・クレイグ版007に関しては、いい意味で奇をてらわず、しっかりといい映画を作ってやろうという気概を感じました。あとこれもシリーズの伝統なのかわかりませんが、ちゃんとオープニングがあるのがなんかいいなと思いました。しかも本作でオープニングテーマを歌うのは世界的歌手のビリー・アイリッシュ。なんとも豪華な顔ぶれとなっております。

 

本作は過去のダニエル・クレイグ作品に出てきた人物名やイベントが話の中にちょいちょい挟まれるので、その辺がわかるようにものすごいざっくりと過去作のおさらいをしていきたいと思います。

007 カジノ・ロワイヤル』 2006年公開
ボンドが007になって初めての任務を描いた作品。
ル・シッフル(演:マッツ・ミケルセン)とカジノでポーカー対決したり金玉を殴られたりする。監視役の金融活動部(FATF)職員、ヴェスパー・リンド(演:エヴァ・グリーン)と本気で愛し合うも、ミスター・ホワイト(演:イェスパー・クリステンセン)に利用されていた彼女は最終的に裏切ってしまう。しかし最期は罪の意識からか、助けようとするボンドの手を放し、水死。ボンドの心に深い傷を残す。ラストはミスター・ホワイトの居場所を掴んで襲撃するところで映画は終わるのでした。

007 慰めの報酬』 2008年公開
前作『カジノ・ロワイヤル』の直後から始まります。
ミスター・ホワイトを連行するも、まんまと逃げられる。手がかりを追っていると、ドミニク・グリーン(演:マチュー・アマルリック)という男に辿り着く。表の顔は実業家だが、裏の顔はクアンタムという組織の幹部であり、ボリビアメドラーノ将軍(演:ホアキン・コシオ)のクーデターを支援しようとしていた。メドラーノに家族をなぶり殺しにされたカミーユ(演:オルガ・キュリレンコ)と共に、奴らのアジトをぶっ潰したボンド。ラストはヴェスパーを罠にハメた元恋人の男をギャフンと言わせて映画は終わってました。

007 スカイフォール』 2012年公開
列車の上で敵と格闘するボンド。新人エージェントのイヴマネーペニー(演:ナオミ・ハリス)が放った銃弾がボンドに当たってしまい、橋の上から落下。しかし流れ着いた海辺にいた女性とヤッたりしながら生きていた。MI6本部が爆破されたというニュースを見て、エージェントに復帰。新任の兵器開発課長、Q(演:ベン・ウィショー)と協力しながら、色々あって首謀者が元MI6エージェントのラウル・シルヴァ(演:ハビエル・バルデム)だと突き止める。シルヴァの彼女?っぽいセヴリン(演:ベレニス・マーロウ)とヤッたり殺られたりしながら、最後はボンドが幼少期を過ごしたスカイフォールという施設にて、MI6のボスであるM(演:ジュディ・デンチ)と共にシルヴァを迎撃、殺害。しかし、ボンドが母のように慕っていたMも銃弾を受けて死亡する、という衝撃的な展開で幕を閉じます。

007 スペクター』 2015年公開
好き勝手に暴れ回るボンドは、新たにMとなったギャレス・マロリー(演:レイフ・ファインズ)によって無期限の任務停止を言い渡される。しかし言う事を聞かないボンドは、これまで自分が対峙してきた敵はすべてスペクターという組織が裏で手を引いており(『慰めの報酬』に出てきたクアンタムはスペクターの下部組織)、そのボスがボンドの義理の兄であるフランツ・オーベルハウザー、またの名をエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(演:クリストフ・ヴァルツ)であることを突き止める。
ミスター・ホワイトの娘であるマドレーヌ・スワン(演:レア・セドゥ)と協力しながらアジトを爆破。前作で爆破されたMI6本部の跡地にマドレーヌが幽閉されたりなんやかんやありつつも、最後は追い詰めたブロフェルドに敢えてとどめを刺さずにMI6へ引き渡し、マドレーヌと共にロンドンの町へ消えていくボンドでした。

とまぁ、思ったより長くなってしまったけど、こんな感じでした。
どれもクールでスタイリッシュなスパイアクションで、非常に楽しめました。

 

余談ですが、以下の通り、いつの時代だよって感じのやらかしをしてしまいました。。

2回見ても楽しかったのでよかったんですが、時間とお金を無駄にしてしまった感。
昔から遅刻癖があるんですが、どうにも治らないなぁ…。気をつけねば。

 

はい、前置きが非常に長くなりましたが、本作の感想に参りたいと思います。
幾度かの延期を経てようやく公開された本作。これまでのダニエル・クレイグ作品の中ではハチャメチャ度が最も高いですが、裏を返すと興奮度も最も高い作品になっていると感じました。

 

始まりは、少し過去の話から。マドレーヌの過去が少し明かされます。
能面を被った謎の男、銃で撃たれて絶命したかと思いきや息を吹き返すさま、氷に塞がれて湖から出られなくなるなど、ホラー感が強くてやたらと怖いシーンの連続でした。マドレーヌのトラウマをうまく表現しているということでしょうか。

舞台は現代へ戻り、イタリア、マテーラのシーン。
ヴェスパーのお墓参りをするボンドですが、いきなりお墓が大爆発。率直に、お墓を爆破するなんてなんと罰当たりな…と思いました。こういうこと思うの日本人だけなんでしょうか?
それと、この場面で予告編で印象的だった橋から飛び降りるとこ、バイクで大ジャンプするとこ、ボンドカーの機関銃掃射などが見れます。見応え抜群でテンション爆上がりです。でも、マドレーヌの裏切りを疑ったボンドは彼女と別れちゃうのでテンション急降下。別れ際に意味ありげにお腹に手を当てるマドレーヌ。この意味は後半わかります(いやもう大体わかるけど)。

そこからいきなり5年後に飛び、ジャマイカで悠々自適な生活を送っていたボンド。僕もこんな朝から晩まで酒飲んで、昼はのんびり釣りしたり夜はクラブではしゃいだりする生活を送りたい。
そこへ、『カジノ・ロワイヤル』等で登場したCIA捜査官のフィリックス・ライター(演:ジェフリー・ライト)と、こちらは初登場のアメリ国防省ローガン・アッシュ(演:ビリー・マグヌッセン)が接触してきて、誘拐されたというロシアの細菌学者ヴァルド・オブルチェフ(演:デヴィッド・デンシック)を救出するのを手伝ってほしいと依頼してきます。フィリックス、とてもいいキャラだったのでまた出てくれてうれしい。でも死んじゃう。悲しい。あとアッシュという名前、これまでの敵キャラはホワイト、グリーン、シルヴァなど、名前に色が入っている奴が多かったのでもしや…と思ったらやっぱりそうだった。
ほどなくして、MI6のエージェントであるノーミ(演:ラシャーナ・リンチ)も接触してきます。要件はフィリックス達と同じ。でもCIAとMI6は協力関係にはないらしい。しかも彼女は現007だとか。「ただの数字だ」とか言いつつもなんか気にくわないボンドはCIAに協力することに。ノーミ、予告編見た限りでは事あるごとにドヤってて気色悪いな、と思ってたのですが、本編見たらボンドに対して見栄張ってただけだったので、かわいいヤツやん…と思いました。

キューバへ移動したボンドは、CIAのパロマ(演:アナ・デ・アルマス)という女性と合流。このパロマがとにかく滅茶苦茶かわいかったです。緊張して合言葉忘れちゃったり、「この日の為に3ヵ月訓練したのよ!」とニコニコ顔で話したり、緊張を紛らすためにカクテルを一気飲みしたり、なんやねん、かわいすぎか…となりました。それでいて「本当に(訓練期間)3ヵ月?」と言われるほど戦うと強いというね。最高かよ…。出番がここだけだったので、もっと活躍してほしかった。

スペクターの幹部たちが集まるパーティにて明らかになる細菌兵器、ヘラクレスの存在。コレによって手っ取り早くスペクターの幹部がブロフェルド以外全員死亡。正体はなかなかのトンデモ兵器でしたが、ウィルス的なものを扱うというのはなんというか時流に乗ってるなーと感じます。
ヘラクレスの開発者であるオブルチェフの身柄をCIAが確保することに成功しますが、アッシュの裏切りもあり結局逃げられ、さらにフィリックスが銃で撃たれ死亡。おのれアッシュめコンチクショウ。

お次はロンドン。
マドレーヌと再会してもどかしい感じになってる二人がなんだが微笑ましかったです。そして拘留中のブロフェルドと面会し、「マドレーヌは全然悪いことしとらんのやで。全部オレの仕業やで」と教えてもらう。あれ?コイツいい奴だったっけ?と一瞬錯覚しました。結局はブロフェルドもヘラクレスに感染して死亡。重要キャラがどんどん退場していくところも、物語が収束していく感じがしますね。
しっかしまぁ、今回事態を悪化させているのがことごとくMI6なのが笑えます。CIAと協力しないのは国際的な色々があると思うので仕方ないにしても、「ヘラクレス計画」はそもそも、犯罪者だけを確実に殺すことが出来る夢のシステムとしてMが進めていたもの。悪用される危険性とか考えなかったのか…。また、ブロフェルドは牢屋の中でも幹部の義眼を通して余裕で外とコンタクトを取れており、身体検査とかやってるのか?と疑ってしまいます。しまいにはまんまと死なせちゃうし…。管理体制がずさんにもほどがある。
Mがヘラクレス計画に関与していると知って裏切りを疑っていたボンドでしたが、ただアホなだけだったことがわかり、MI6へ戻ることに。ボンドを00エージェントに復帰させるとなったときにノーミが「00…何?」って何回も聞いてたのがすごい面白かったです。めっちゃ意識してるやん。

続いて、舞台はノルウェーへ。
マドレーヌが現在暮らしている家を訪れるボンド。そこには、彼女の娘マチルド(演:リサ=ドラ・ソネット)もいました。この子もまぁーかわいい。天使。
「え、まさか僕の…?」と驚くボンドに「あなたの子じゃない」とすぐさま否定するマドレーヌ。「いやでも、目青いけど?」「でもあなたの子じゃないの」と頑なに否定されます。真偽は結局最後まで明言はされませんでしたが、ボンドの弱点にしたくなかった、ということでしょう。これ以上の詮索は野暮ってもんですぜ。
ここで、ボンドとマドレーヌは無事に和解。本当ならイタリアで語るはずだった彼女の過去について全て明かされます。

今回の黒幕は、リューツィファー・サフィン(演:ラミ・マレック)という男。オブルチェフやアッシュを裏で操っている人物であり、マドレーヌの母を殺した能面の男でもあります。スペクターのメンバーだったホワイトに家族を殺された過去があり、それゆえにスペクターに関わっている人間全員絶対殺すマンになっていました。しかしなぜかマドレーヌだけは別。湖に落ちたところを助けて以来、よくわからない愛着の様なものを持っている様子。
マドレーヌを狙ってアッシュたちが家に向かってきていることを知らされ、霧の深い森に誘い込んで罠にハメまくるボンド。アッシュの車も盛大にひっくり返り、動けなくなって「助けてくれよ、フレンド」と胡散臭い笑顔で言うアッシュに、「僕の友達は、フィリックス・ライターだ」と言い捨てて車の下敷きにして殺害。溜飲が下がるとはまさにこの事。しかし、結局マドレーヌとマチルドは連れ去られてしまいます。

最終決戦の舞台は、とある島。
明確な言及は無いけど、場所は北方領土のどこかっぽい。元々ロシアだかの軍事基地だったのを、サフィンヘラクレスを培養する工場として使っている。日本庭園っぽい毒草の庭とか、畳敷いてたりとか、サフィンちゃんちゃんこみたいな服着てたりとか、和の要素がそこかしこにあって面白かったです。

ボンドはノーミと協力して、オブルチェフをぶん殴ったり爆薬を仕掛けたりするも、大量に培養されているヘラクレスを消し飛ばすには量が足りない。そこで、ボンドはMに潜水艦からミサイルで島を吹っ飛ばすように依頼。んな事したら国際的な大問題なので、最初は「無理に決まっとるやろ」って感じだったMも、最後は「ええぃもうどうにでもなれ」って感じでミサイルを発射。この後Mはどうするんすかね…クビでは済まされない気が…。
サフィンは最後の仕返しとばかりに、マドレーヌとその血族=マチルドだけに効くヘラクレスをボンドへ感染させる。これでは彼女に触れただけで命を奪ってしまう。しかもサフィンに撃たれて満足に動けず、脱出も間に合わなそう。きっちりとサフィンにとどめを刺した後、ボンドは屋上へ上がり、最期はマドレーヌと無線で話をしながら、ミサイルの爆撃によって死亡するのでした…。
ラスト、マチルドという“希望”を残してくれたことに感謝するボンド。「でも、青い目よ」と言うマドレーヌに対し、原語では「I know...I know.(わかってる…わかってるよ)」と言っているのですが、字幕では「わかってる…僕の目だ」となっていて、もしかすると蛇足と捉える人がいるかもしれませんが、僕はこの意訳すごくいいな、と思いました。上で書いた通り2回見たんですが、2回ともすごく感動しました。

エピローグではM達MI6の面々がボンドに献杯を捧げ、マドレーヌはマチルドと共にボンドカーに乗って走り去って、映画は終わるのでした。

 

ダニエル・クレイグの有終の美に相応しい、壮大でとても良い映画だったと思います。あんなに明確に死なせないと引退させられないのかとちょっと思ったけど、感動したのでヨシ。最初は非難轟々だった金髪碧眼を最後は讃えるようなラストになっているのもグッときました。エンドロール後「ジェームス・ボンドは帰ってくる」の文字が出てきて、次のボンド役は誰になるのかも大いに期待させる終わり方となっておりました。

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ダニエル・クレイグ、本当にお疲れさまでした。

非常に長い&読みづらい文章で申し訳ありません。もっと伝えたい事を端的に文章化出来るよう精進します…。

 

ということで、映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の感想でした。

ではまた。