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映画『アギト -超能力戦争-』感想(ネタバレ)

映画『アギト -超能力戦争-』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

仮面ライダーアギト』は、2001~2002年にかけてテレビ朝日系列で放送されていた、仮面ライダーシリーズの1作。

仮面ライダー30周年記念作品であり、いわゆる“平成仮面ライダー”の第2作目として製作されたこの作品は、神々と人類との戦いをテーマとしたシリアスな作風と、謎が謎を呼ぶストーリーで非常に好評を博しました。TVスペシャルや劇場版も製作されるなど、現在まで続くシリーズの礎を築いた作品と言えます。

 

そんな仮面ライダーアギトの、なんと25年ぶりの完全新作。

それが本作、アギト -超能力戦争-です。

現実と同じくTVシリーズから何十年も経過した世界で巻き起こる新たな戦いを描いた、アクション作品となっています。

 

もくじ

 

概要

2026年のはじめ、仮面ライダー生誕55周年を記念し、“仮面ライダームービープロジェクト”なるものが発表されました。

これは、平成仮面ライダーシリーズから新作と思しき11作品のタイトルのみが公開され、この中でどれが実際に公開されるのかをみんなで予想しよう!といった企画で、自分の予想をSNS等で公開して楽しむ、といったもの。まぁ、予想しているときは確かに楽しかったですが、結果によって公開される作品が決まるわけでもなく、予想が当たったからといって何かあるわけでもなく、結局この企画は何だったんだろう…というのが正直なところ。

ちなみに僕は『仮面ライダーゴースト』を予想していました。10周年という節目ですし、また見たいなという気持ちが一番大きかったので。アギトは時間が経ちすぎてるしメインキャストのひとりがアレしてるしまず無いだろうな、なんて考えていたんですけども。

結果として公開されるのは本作だったということでね。僕の予想は大外れでした。

 

本作はTVシリーズの主役である津上翔一ではなく、変身能力を持たない普通の人間でありながらアンノウンと戦い抜いた、氷川誠を主役に据えているのが特徴。

平和を取り戻したかに見えた世界で、新たに発生した不可能犯罪に氷川くんたちが立ち向かう、といったお話になっています。

 

監督を務めるのは、田崎竜太
アギトのTVシリーズを始め、数多くの作品で監督を務めている、特撮ファンは知らない人のいないお方。

脚本を執筆しているのは、井上敏樹
こちらも特撮ファンは知らない人のいないお方で、アギトのTVシリーズのほか数多くの作品でメインライターを務めています。

 

キャストもTVシリーズに出演した俳優陣が多数出演。
主演の要潤をはじめ、賀集利樹藤田瞳子山崎潤柴田明良などが続投しているほか、モデル・タレントとして大活躍中のゆうちゃみらが新キャストとして出演しています。

また、岩永洋昭青島心金子昇高岩成二といった、特撮ファンをニヤリとさせる配役も見どころのひとつとなっています。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

“アンノウン”たちとの戦いから、数十年。

平和を取り戻した世界で、未確認生命体対策特殊武装班、通称“Gユニット”はその存続を危ぶまれていました。

そんな中、人知を超えた“不可能犯罪”が頻発。それは、超能力に目覚め、さらに異形に進化した人間、ギル・アギトによるものでした。葵るり子仮面ライダーG6(演:ゆうちゃみ)を筆頭とした新生Gユニットが立ち向かうも、その強大な力の前に撤退をやむなくされます。

Gユニット管理官、小沢澄子(演:藤田瞳子)は、かつて仮面ライダーアギトとしてアンノウンと戦った、津上翔一(演:賀集利樹)に助けを求めます。しかし、彼の中にはもうアギトの力は残ってはいませんでした。

頼みの綱は、“ただの人間”ながら仮面ライダーG3・G3-Xとして戦った、氷川誠(演:要潤)のみ。しかし彼は、今は刑務所に収監されており――

というのがあらすじ。

 

感想

とても良いファンムービーでした。

 

僕は個人的に、歴代仮面ライダーの劇場版で一番好きなのが『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』でして。今でもたまに見返しては、ボロボロ泣いてしまうくらい大好きなんです。そして、歴代仮面ライダーの中でも特に好きなキャラクターが、氷川誠なんですよね。TVシリーズ最終回での「ただの…人間だ!」ってセリフは、全ての仮面ライダー作品で一番好きなセリフかもしれない。

そんなアギトの新作がまた見れる。しかも大好きな氷川くんが主役とは。嬉しいですよそりゃ。製作陣には本当に感謝しかない。

 

…とか言いつつ、いきなり悪いところから書き始めてしまうんですけども。

 

まず、TVシリーズにおけるアギトの物語って、“人間賛歌”だったと思うんです。

「人類は弱い。神に比べて力もないし、心も未熟なのでちょっと力を得たところでそれを使いこなせず、自分のためだけに使ったり、暴走したりする。それでも、もがき苦しみながらも前に進むことが出来る。それが人間という生き物であり、だからこそ素晴らしい」というお話だったと記憶していて、それが本当に良かったと僕は思っているんです。(間違ってたらすみません)

でも、本作にはそうしたものをあまり感じられませんでした。

「神になろうとする人間はいる。しかし、どうあがいても人は神にはなれない」って感じのお話だったと僕は解釈したんですが、それは人間賛歌とは真逆ではなかろうかと。ラスボスが“あの人”だったのも相まって、「結局、人間は愚か」みたいな風に思えるというか、もはやTVシリーズを否定しているかのように思えてきて、ちょっと寂しい気持ちになりました。

 

いやホント、こうして思い返しながら感想を書いてると、本作で“あの人”を雑に復活させたのは本当に許しがたいという気持ちが沸々と湧き上がってきますわ。最初はエゴ丸出しの人だったのが、翔一くんたちとの出会いを通して改心し、穏やかな最期を迎えた“あの人”を、無理矢理復活させただけでなくただのサイコな小悪党にしたのは、正直かなり罪深いと思います。“あの人”に瓜二つな赤の他人みたいな設定の方がずっと良かった。

ギル・アギトたちの選民思想とか、被害に遭った人は超能力を得るか体が壊死して死に至るかのどちらかとか、それもうアギトじゃなくてファイズでは?というのも引っかかったポイント。そのくせ氷川くんだけは壊死もしないし能力も発現しないしで、作劇上の都合みたいなのが見え見えだったのがもうなんかうーん…て感じでした。

 

作劇上の都合といえば、新生Gユニット。

ガードチェイサーが今のご時世的に公道を走れないから走行シーンが合成丸出し、というのはまだいいとして。G3とG3-Xを並び立たせるというロマン、あと何といっても新しいスーツを作る予算的な都合というのはわかるんですが、そこはTVシリーズ最終回で量産配備を進めていたG5を出して欲しかったところ。本作はかなりの数のスーツを新規で作っているようだったので、もうちょっと頑張って欲しかったなぁという、僕の勝手な願望。リデコに使えるスペアのスーツがもう現存してないのかな。

それと、小沢さんが新生Gユニットの面々を信用してなさすぎるのもなんだかなぁと。実戦経験がないとはいえ、「やっぱり氷川くんじゃないと…」みたいな態度を表に出し過ぎ。るり子が氷川くんのことを良く思わないのは当然だし、普通の人だったら「だったらもう氷川とかいう人と一生やってろよ」って思っちゃうよあれじゃ。

 

あとは、時折挟まれるよくわからないギャグも、らしいっちゃらしいけど悉くスベってたとか、特に小沢さんの、お偉いさんたちに向かって「私は23よ!」って叫ぶシーンは正気を疑うレベルだったとか、いつの時代のどこの国だよとツッコみたくなる刑務所の描写とか、超能力者とはいえ人間に対し躊躇なく銃ぶっぱなしまくるのどうなのとか、氷川くんはもう“ただの人間”とは言えないくらいに超然とし過ぎてるとか、アギト出てくれるのは嬉しいけど、やっぱり作劇上の都合しか感じないとか、ラスボスをああいった姿にしちゃうとすごく子供騙しに見えちゃうとか、そもそもアギト因子ってなんそれ…花粉…?とか、まぁいろいろと思うところはありました。

 

とまぁ、ここまで文句ばかりをつらつら書いてきたんですけども、良かった点もありました。

まず、仮面ライダーG7は文句なしにカッコよかった。武骨なG3系から一気にスタイリッシュになっていて、携行武器が日本刀のような武器のみってのもシンプルで好みでした。現行ライダーでもないのに完全新規でスーツを作ってくれるとは、ありがたい限りです。

G6もリデコながら、いい感じに差別化されていて良かったです。トリニティ・ギル・アギトも、不気味さと美しさを兼ね備えたデザインが良かったし、何よりこれも恐らく新規で作ってくれているのが最高。

敵キャラであるギル・アギトも、少なくとも3体以上はスーツを用意しているようでしたが、あれも新規ですかね?それともジオウ版アナアギのリデコとかかな。どちらにせよ、これだけしっかりスーツを作ってくれているのが本当に嬉しい。新レーベル『THE KAMENRIDER CHRONICLE』とやらの第1弾ということで、気合が入っていたんですかね。

 

新キャラも良かったです。

口が悪すぎるけどまっすぐで正義感が強いというるり子の性格は、演じるゆうちゃみに当て書きしたんだろうなというくらいキャラに合っていました。無理に標準語に寄せなくても、関西弁のままでも良かったんじゃないかな。

香川・杵島の2人は完全にやられ役でしたが、健気に頑張る姿は好感が持てたし、「○○だよね、杵島くん!」「そうだね、香川くん!」の掛け合いがいちいち面白かったです。

 

あとはなんといっても、四半世紀も前の作品の主要キャストがこれだけ揃うってのは、奇跡以外の何物でもないと思うんです。美杉家も全員揃っていて、レストランのシーンはなんだかジーンとくるものがありました。葦原さんも焼き肉屋に転生して出てくれたし(笑)

完全に僕の主観ですが、皆さんなんだか嬉しそうにのびのびと演技されているように見えて、僕もなんだかホッコリしました。本当に、皆さんお元気でいてくださってありがとうございますとしか言いようがないです。

 

おわりに

感想は以上です。

ひと言でまとめると、「脚本はのれなかったけど、それ以外は楽しめた」という感じです。

ただ、某アニメ映画監督とは違って、御大に脚本書くのやめろとは微塵も思わないのが不思議なところ。本作もそうなんですが、不満がありつつも、どこか魅力を感じてしまうというか…うまく言葉に出来ないんですけども。ともかく、これからも元気にその豪腕をふるっていただきたいです。

 

しっかし、我ながらブログサボり過ぎですね。

映画はちょこちょこ見ているし、感想書きたいという気持ちはあるんですけどね。今回久々にブログを書くにあたり、今までどんな風に書いてたっけ?となることが多かったので、いよいよヤバい気がします。家にいる間はボケーっとテレビかYouTube見てるだけの日々をまず改善しなきゃ。

ということで、映画『アギト -超能力戦争-』の感想でした。

ではまた。