GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

映画『アンチャーテッド』感想(ネタバレ)

映画『アンチャーテッド』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

2023/08/12:加筆修正と、もくじを付けました。

アンチャーテッド』は、PS3PS4などで発売されている、アクションアドベンチャーゲーム

題材としてはモロに『インディー・ジョーンズ』な謎解き冒険ものですが、ロード時間を挟まずにシームレスに繋がるフィールドや、アクション映画さながらのド派手な演出など、独自の魅力もたくさんあります。その特徴から「プレイする映画」と呼ばれ、ゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したりと、世界中のゲーマーから高い評価を獲得しているシリーズです。

ちなみに、「Un-Charted」(直訳:地図に無い)は、日本語で「未知の領域」という意味なんだとか。カックイー

 

開発元はノーティードッグという会社で、僕は過去に同社が開発した『ジャック×ダクスター』というゲームに一時期ハマっていました。『スーパーマリオ64』や『クラッシュバンディクー』みたいな、各ステージに隠されているキーアイテムを集めることで次のエリアに進めるようになるタイプの箱庭系アクションゲームですが、割と古いゲームにもかかわらず2では疑似オープンワールド的なゲーム性を実現していて、非常に面白いです。今だとDL版が各機種で購入可能なので、興味があれば是非。(3だけなぜか海外版しかないですが…)

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やりたくなった方はこちらからどうぞ!

アンチャーテッドに関しても前々からプレイしている…んですが、まだ3作目の途中までしか進んでない…。本作を見る前にせめて3作目まではクリアしてから臨もうと思っていたのですが、間に合いませんでした。

基本は謎を解きながら探索するアクションアドベンチャーなのですが、地味にTPS(三人称視点のシューティング)としてもかなり出来の良いゲームなのではないかと思っています。一度やりだすとやめ時がわからなくなるくらいしか欠点の見当たらない、非常に完成度の高いゲームだと思います。僕がこういうゲームをやると、休日丸ごと潰れたり寝不足になったりして日常生活に深刻な影響を及ぼすので、ちょっと控えている面があったり。

↓最初、股間に弾を当てるのが「歴史的シューター!」の条件なのかと思った…。

 

もくじ

 

概要

そんな「プレイする映画」が本当に実写映画となったのが、本作。

しかも主演は、MCU版『スパイダーマン』ですっかりお馴染みの、トム・ホランド
更に、実写版『トランスフォーマー』シリーズなどに出演している、マーク・ウォールバーグが相棒役で出演しています。

ゲームも好き、出演している俳優も好き、となれば、最早見ない手は無し。トムホもマークもゲーム版のキャラと比べて若すぎる感はありますが、本作は主人公がトレジャーハンターになるまでのオリジン、つまり前日譚を描いているほか、ゲームのような生きてるのが不思議レベルの超人的なアクションをこなすとなれば、アレくらい若くなきゃ厳しいだろうな…と納得。

余談ですが、トムホよりもマークがネイト役やった方がゲーム版のイメージに近いのになー、と思ったら、最初はその予定だったようですね。紆余曲折あってトムホが起用されることになり、それに伴って主人公たちの若かりし頃を描くストーリーになったんだとか。どのような事情があったのかはわかりませんが、ぶっちゃけトムホの方が若くて華があって集客も見込めそうなので、英断ではないかと。

そのほかのキャスト陣は、『マスク・オブ・ゾロ』などのアントニオ・バンデラス、『トゥルース・オア・デア~殺人ゲーム~』などのソフィア・アリ、『絵文字の国のジー』などのタティ・ガブリエル、といった俳優陣が出演しております。

 

本作で監督を務めるのは、同じソニー作品である『ヴェノム』も手掛けた、ルーベン・フライシャー
『ヴェノム』はホラーテイストを入れようとして結局どっちつかずになっていたように思うので、終始明るいテイストの本作の方が、かえってこの監督に合っているような気がしました。

脚本は、『エージェント・オブ・シールド』などのレイフ・リー・ジャトキンス、『アイアンマン』や『トランスフォーマー/最後の騎士王』、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』などのアート・マーカムと、マット・ホロウェイが執筆しています。ちなみにゲームとは異なる、オリジナルストーリーだそうです。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

アメリカ、ニューヨーク。

ここで暮らすネイトことネイサン・ドレイク(演:トム・ホランド)は、幼少期に唯一の肉親である兄、サムことサミュエル・ドレイク(演:ルディ・パンコウ)と生き別れとなり、ずっと手掛かりを探していました。

ネイトはバーテンダーとして働きながら、金持ちそうな客から金品をスッたりしながら生活しており、それを見抜かれたトレジャーハンターのサリーことビクター・サリバン(演:マーク・ウォールバーグ)に、一緒に宝探しをしないかとスカウトされます。
サリーを一切信用しないネイトですが、財宝を追っていけば兄の手掛かりも見つかるかもしれないと言われ、協力することに。サリーと顔見知りだというトレジャーハンター、クロエ・フレイザー(演:ソフィア・アリ)とも協力しながら、500年前に失われた海賊船と、そこに積まれた黄金の行方を追っていきます。

しかし、大富豪のサンティアゴ・モンカーダ(演:アントニオ・バンデラス)もその財宝を狙っているようで、手下のジョー・ブラドック(演:タティ・ガブリエル)らの妨害を受けることに。

最後に財宝を手に入れるのは、一体誰なのか――。

というのがあらすじ。

 

本編感想

超人的なアクション

まず特筆すべきは、本作のアクション。ものすごい見応えがありました。

特に主演のトムホのアクションは、マジで放射能浴びたクモに噛まれたんじゃないかってくらいに超人的。上でも書いている通り、ゲームでは生きているのが不思議レベルの大スペクタクルの連続で超楽しいのですが、本作でもそれをかなり忠実に再現していると思いました。『インディー・ジョーンズ』や『ナショナル・トレジャー』等、謎解き冒険ものの映画は好きでよく見ていますが、アクション面に関しては本作が一番なんじゃないかと。

 

序盤でネイトのトレーニングシーンが出てきますが、そこで拝めるトムホのマッスルが仕上がりまくりで、大変眼福でございました。本来マークがネイトを演じる予定だったというのは上で書いた通りですが、マークも演じるにあたってかなり体を鍛え上げたそうで、結局準主役とはなったものの、相当体を仕上げていたんだそうです。で、自分もそれに見合う体にしなきゃダメだと、トムホもトレーニングを積んであの見事なボディを作りあげた、とかなんとか。もちろん見た目だけでなく、あれだけのアクションをこなすとなれば、それ相応の筋肉は必要でしょう。まぁ、全部トムホがやってるわけではないと思いますけど。

こういうひたむきなところが、トムホが起用される理由なのかなー、とか思ってみたり。

 

しっかりとツボを押さえたストーリー

お話も、ライバルより先にお宝を見つけ出せ!ってだけの、至極シンプルなものです。だが、それでいい。むしろ、それがいい。

クロエとのちょっとしたロマンスや、悪いヤツはすぐに裏切るとことか、良くも悪くもテンプレ通りって感じの、間違いないヤーツでした。まぁ、モンカーダがあっさりと死んだのはちょっと驚きましたけど。きっとあの人も自分の資産や功績を増やしたい、あとは父をギャフンと言わせたいという一心で、それ以外のオツムは少々弱かったんでしょう。

 

宝探し系の醍醐味ともいえる謎解きに関しては、しっかりとゲームとは異なるものを用意していて、好感が持てました(僕が覚えてないだけかもですが)。難易度とか現実的かどうかとかは、基本脳死で見ているのでよくわかりません(爆)

ちょっと細かいところで言うと、海賊であり冒険家でもあるフランシス・ドレイクの子孫を自称していることもあり、サムとネイトは幼少期からずっとお宝への探求心を持っていていろいろ勉強してたとか、火であぶることで隠されたメッセージが浮かび上がるという、アバンでのシーンが謎を解くカギになっていたりとか、意外と伏線回収や細かいところの説得力がちゃんとしていたように思います。よく考えれば「いやそうはならんやろ」と思うとこもあるような気がしますが(主にアクション面)、僕はよく考えない人間なので、楽しく見れました。

 

魅力的なキャラクター

ネイトは決して善良な人間という訳ではありませんが、息をするように女性からブレスレットを盗む姿とか、なんか良かったです。

“トレジャーハンター”なんてカッコいい肩書きを名乗っていても、所詮は泥棒なんだよなぁ、という見方も出来ますが、それくらいしたたかじゃないと生き残れないような世界で、そしてそんなネイトを見たからこそ、サリーはスカウトすることを決めたのかなとか、NYでは普通に働くだけじゃ生計を立てていけないのか…と世知辛い気持ちになったりとか、色々と思うところがありました。

別の映画のネタバレをぶっ込んで大変申し訳ないですが、マンハッタンで勤務する警官は物価が高すぎて給料だけではとても生活出来ない、だから警察署全体がグルになって裏で麻薬の取引をして生計を立てていた、という、チャドウィック・ボーズマン最後の主演作『21ブリッジ』を連想しました。

あ、ネイトの見た目でいうと、革ジャン→黒シャツ→白シャツ→ホルスター装備と、映画が進むごとにネイトの服装がゲーム版の姿に近づいていくところも、オリジン!って感じがしてすごく良かったです。

 

サリーも、お宝至上主義ではあるものの、サムを見殺しにしたと責め立てられても、そこに至るまでに恐らくいろいろあったはずなのにその辺は特に言及せずに素直に認めるところとか、いざお宝を前にしても、決して「じゃ、お前はもう用済みだアバヨ」とか言わずに、「俺たちやったぜ!」って言うところとか、頭のネジぶっ飛んでるところもあるけど決して悪いヤツではない、というキャラクターをしっかり表現していたのではないかと。最後、お宝を取るかネイトを取るかで、お宝をぶん投げてネイトを助けるところとかも、予想通りではあれどグッときました。

 

クロエは、ゲームからそのまま飛び出してきたかのようなルックスがすごい良かったです。見た目の再現度は間違いなくナンバーワンかと。キャラクターとしては、裏切ったくせにシレっと戻ってきたり、お宝の在処を記したメモ(偽物)を見つけて、こっそり抜け出して独り占めしようとしたりと、なかなかのクズでしたね。なので、全然別の座標に向かわせられて「サイッテー!」と捨て台詞吐くところも、「テメェの蒔いた種やろがい(*´з`)ププーッ」と溜飲の下がる思いでした。

あ、別に嫌いというわけではなく、むしろゲームの雰囲気を良く再現していてめっちゃ良かったと思っています。

 

ド迫力のアトラクションムービー

飛んでいる飛行機から落ちてきた積荷を飛び移って機内へ向かうシーンや、ヘリで吊り上げられた海賊船2隻の上でのラストバトルは、ハラハラドキドキの連続で、素晴らしいアトラクションムービーっぷりでした。トムホのアクションもキレッキレの最高潮。

500年前の船がほぼそのままの形で残ってるって相当歴史的価値の高いもので、だからこそヘリで吊り上げてなるべく傷付けないように運んでいたと思うんですが、終盤に向かうにつれてどんどん扱いが雑になっていくのには笑いました。ブンブン揺らして岩や船同士でぶつけたり、しまいには真っ二つにして海に墜としちゃってましたもんね。ジョーに「(船の中で銃撃って)穴開けたりしたら、お前の体に風穴開けるぞ」とか言われてたのに、みんな普通にバンバン銃撃ってて爆笑しました。まぁ、船に積まれていた黄金こそがお目当てだった、ということにしておきましょう。それもサリーに奪われましたけど。

 

最後は船と共にお宝も全て海に沈んだ…と思いきや、ネイトがいくつかくすねており、サリーとキャッキャウフフして幕を下ろします。始めは渋々協力していたネイトも、最後はすっかりいっぱしのトレジャーハンターになっているのが微笑ましい。

ミッドクレジットでは、どうやらサムの形見の指輪はとんでもないお宝の手がかりだったらしく、悪そうな人たちにそれを譲る代わりに古代ナチス(?)の地図を入手してました。指輪もちゃっかり取り戻し、サリーと共に新たな冒険の旅へ…てな感じで映画は終了。よくある続編匂わせオチでした。

 

追記:ソニーのゲーム映画化について

ソニーは現在、PlayStationのゲームを続々映像化していこうという計画を立てているようで、本作はその先陣を切った形になります。『THE LAST OF US』はドラマが配信され好評だったようですし、もうすぐ映画『グランツーリスモ』も公開になるなど、着々と計画は進んでいる様子。

今後も、『Horizon Zero Dawn』や『God of War』など、計10作の映像化が予定されているんだとか。いうなれば、“プレステバース”といったところでしょうかね。流石にクロスオーバーはしないと思いますが、どこまで実現するのか、今後の展開が楽しみです。

 

おわりに

感想は以上になります。
なんだか見出しが公式サイトのそれっぽくなってしまいましたが、まぁいいや。

正直、突き抜けた面白さは無いし、大体が過去の映画で見たようなシーンばかりではありますが、見応え抜群のアクションなど、見て損はない作品だと思います。謎解き冒険ものが好きな方、トムホが好きな方は、きっと楽しめるのではないでしょうか。

興行収入も結構良かったらしく、続編も検討されているとのことなので、公開される日を楽しみに待ちたいと思います。

という事で、映画『アンチャーテッド』の感想でした。

ではまた。