GORGOM NO SHIWAZAKA

ゴルゴムのしわざか!

映画『モータルコンバット』感想(ネタバレ)

映画『モータルコンバット』の感想になります。
ネタバレを含みますので、お読みになる際はご注意ください。

2022/10/31:ほぼ書き直し、目次を付けました。

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モータルコンバット』は、アメリカ発の2D対戦型格闘ゲーム(略称:格ゲー)。
1992年に第1作目がアーケードで稼働開始し、現在も続編が作り続けられている、大人気ゲームです。

その特徴は、実写取り込みのキャラクターが登場する点と、FATALITYと呼ばれるとどめの演出。
手足を切断するのはもはや当たり前で、頭を脊髄ごと引き抜いたり、心臓を握り潰したりと、もはや悪趣味ともいえる容赦ない残虐描写の数々は賛否両論を呼びました。なんでも、このゲームの登場がレイティング審査機関設立のきっかけになったと言われるほどだそうで。当然、そのあまりにショッキングな描写から稼働停止を求める声も出たそうですが、同時にその尖り過ぎたゲーム性はカルト的な人気を獲得することとなりました。初期作は操作性も悪く、格ゲーとしての出来はお察しという感じでしたが、シリーズを重ねていくにつれ完成度も高くなっていき、今ではしっかりとした大会が開かれるほどになっているそうです。

あ、ちなみにコレ、北米をはじめとした海外での話です。日本では始めの数作は発売されたもののあまりヒットせず、以降はターゲットとして見られていないのか、国内での販売は無し(通称:おま国)。一部のマニアの間で「モーコン」の愛称で親しまれている感じです。まぁ、日本にはストⅡとかあったしね…。

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これが初期のゲーム画像。嫌いじゃない。

僕は格ゲーが大好きで、一時期ゲーセンに入り浸るほどハマっていました。メインでやってるのは鉄拳ですが、メジャーどころは大体触ってます。といってもセンスは欠片ほどもなくて激弱なんですけどね…。対戦動画を見るのも好きで、モーコンはやったことないけど対戦動画やFATALITYを集めた動画なんかをよく見ていました。

 

そんなモーコン、1995年に映画化されていたそうで。しかも監督は『バイオハザード』シリーズや、最近では実写版『モンスターハンター』などでおなじみの、ポール・W・S・アンダーソン。しかし、レイティングへの配慮の為か残虐描写がほぼ無く、評価も散々だったとか。1997年に続編も公開されましたが、監督も違うし、キャストもほぼ総取っ替えと、ほとんど別物と化しているらしいですね…。見たことないので、いずれ見たい(見るとは言っていない)

 

目次

 

概要

さて、長ったらしい前置きはこの辺にして、本作。
以前の映画とは完全に切り離された、リブート作品となっています。特筆すべき点は、『SAW』シリーズや『死霊館』ユニバース、『アクアマン』等でおなじみのジェームズ・ワンが製作に携わっていること。そのため、ゴア描写モリモリでしっかりと作品の特徴をおさえています。なので当然R指定
さらに、日本から我らが真田広之我らの浅野忠信がメインキャラクターとして出演しているとなれば、もはや見ないという選択肢は無し。

僕は格ゲー好き、かつB級アクション映画も大好物なので、非常にワクワクしていました。と同時に、グロは得意ではないので途中気持ち悪くなったりしないかな…とちょっと不安な気持ちもありつつの鑑賞となりました。結果、全然大丈夫どころか、「いいぞもっとやれ!」と思うほどに楽しんでしまいました。あと意外と「友情!努力!勝利!」って感じの映画だったのも、個人的に高評価ポイント。(このネタわかる人、絶対30代以上だよなぁ…)

 

というわけで、感想を書いていきたいと思います。

 

予告編


www.youtube.com

 

あらすじ

数世紀前の日本。
白井流の優秀な忍であるハサシ・ハンゾウ(演:真田広之)は、凍結能力を持つ中華忍者のビ・ハン(演:ジョー・タスリム)によって、妻子もろとも殺害されてしまいます。しかし、産まれたばかりのもう1人の子供は雷神ライデン(演:浅野忠信)によって匿われ、ハンゾウは冥界で地獄の業火に焼かれながらも、復讐の時を待っていたのでした。

時は流れ、現代。アメリカ。
総合格闘家コール・ヤング(演:ルイス・タン)は、妻子を養うために小規模な地下格闘技の大会へ出場するものの、連戦連敗の毎日。彼の胸には、生まれつき龍の形をしたあざがありました。
ある日、家族で食事をしようとしていると、氷を操る謎の暗殺者、サブ・ゼロ(演:ジョー・タスリム)が襲い掛かってきます。彼はかつてのビ・ハンであり、今は魔界に仕える殺戮マシンとなっていました。米特殊部隊の隊員であるジャックス・ブリッグス(演:メカッド・ブルックス)が助太刀に入るも、サブ・ゼロは彼の両腕を凍らせ、粉々に砕いてしまいます。

コールはジャックスの言葉に従い、彼の同僚であるソニア・ブレイド(演:ジェシカ・マクナミー)と合流。そこには傭兵集団黒龍のリーダー、カノウ(演:ジョシュ・ローソン)もいました。
ソニアによると、コールの胸のあざは、モータルコンバットと呼ばれる闘いへ参加する資格を持つ戦士(チャンピオン)の証なのだとか。通常、あざを持つ者を殺すことで、殺した者にあざが移る=より強い者へと受け継がれるそうで、ジャックスとカノウも同様の経緯であざを持っていました。しかし、コールだけは生まれつきあざを持っており、それが何を意味するのかはわかりません。

そこで彼らは、不死身のエルダー神ライデンがいる、砂漠の中に隠された寺院を訪ねます。
ライデンより、モータルコンバットとは、魔界と人間界との間で遥か昔より繰り広げられてきた闘いであること、人間界はあと一度負けてしまうと敗北が決定してしまうことなどを聞かされます。

シャン・ツン(演:チン・ハン)率いる魔界の軍勢に勝利するためには、チャンピオンのみが使える秘術(特殊能力)を使いこなさなければなりません。そのため一行は、ライデンの弟子であるリュウ・カン(演:ルディ・リン)、クン・ラオ(演:マックス・ファン)と共に、来るべき闘いに向け、修行することに。

世界の命運を懸けた闘いが、いま始まる――。

というのがあらすじ。

 

主役は我らが真田広之 ※個人的主観

もうね、最初っから我らが真田広之の良さが全開で最高です。還暦とは思えないキレッキレのアクションを魅せてくれます。変に英語使うんじゃなくて、ちゃんと日本語で喋るのも良い。妻の形見のクナイに紐を付けた武器(バトルハープーンというらしい)で戦うのがまた良い。あと、冒頭の日本のシーンでは、洋画特有のコレジャナイジャパニーズ描写が割と控えめだったのも素晴らしいと思いました。我らが真田が監修したんですかね。

そこから彼はしばらく出てきませんが、終盤でスコーピオとして現世へと復活し、サブ・ゼロと激闘を繰り広げます。ゲームでの彼の象徴的なセリフである、「GET OVER HERE!」(たぶん「これで終わりだ!」的な意味)と共に登場するスコーピオンには痺れました。物語の始まりを担うキーパーソンであり、勝負を決める切り札的な存在でもあるという…。これ完全に我らが真田が主役ってことですよね?そうですよね?

 

影の薄い(一応)主人公、コール

この映画においては、主人公はコールということになっています。彼はゲームには登場しない、映画オリジナルのキャラクターなんだとか。そのせいなのかわかりませんが、とにかく彼は終始影が薄い…。他のキャラに比べてあまり強くないというのも、地味さに拍車をかけている気がします。でもまぁ、物語をまわしていく為の存在、つまりはゲームのプレイヤーである僕らの姿を投影していると思えば、ある程度納得は出来る…かな?

コールは後半、家族を守りたいという思いから、遂に秘術を会得します。それは体が鎧のようなものに覆われ、更にトンファー状の武器が生成される、というもの。他の人がビーム出したり炎出したりメカメカしいゴツい腕になったりしてるので、、それらと比べると秘術もやっぱり地味…。鎧に関しては、攻撃を受けた箇所が赤く光ってたので、ブラックパンサーよろしく受けた衝撃を相手にはね返す能力があるのかと思ったら、特にそういったことは無し。ただ衝撃を吸収するだけなんすかね。なんか肩透かしを食らった気分…。まぁ仮にそうだったとしたらブラパンのパクリやん、と思うだけですが…。

 

魔界のリーダー、シャン・ツン

魔界の精鋭たちを率いている魔術師、シャン・ツン。他者の魂を吸い取って殺害する能力を持っています。ゲーム版の初代ラスボスとして登場し、1995年の映画でもメインヴィランとして登場したそうで、作品を象徴する悪役といえます。ゲームでは他の戦士に変身する能力も持っているらしいですが、本作ではその能力は登場しませんでした。続編あるのかわかりませんが、変身能力も今後出てきたりするんですかね。「んんんもう我慢出来ないぃぃ!」って感じでクン・ラオの魂吸うのには笑いました。

モーコンにおいて、魔界は現在9連勝中。あと一度勝利すれば魔界の勝利が決まるという状況らしい。しかし、ソース不明の「ハンゾウの子孫によって人間界が勝利する」という預言を真に受けちゃう可愛らしいシャン・ツンは、本戦が始まる前に人間界のチャンピオンを殺し、勝利を確実なものにしようとします。リスクマネジメントがしっかりしてる、まさに上司の鑑ですねw

しかし、名前といい、格好といい、彼があの国の人をモデルにしている事は明らか。つまり魔界とは、あの国のことなのだろうか…。
…おや、誰か来たようだ。

 

無能?な神様、ライデン

我らの浅野忠信が演じるライデンは、神様なので当然めちゃくちゃ強いのですが、モータルコンバットでは戦ってはいけないというルールがあるらしく、チャンピオンに修行を付けるという役割になっています。ドラゴンボール超ウイス様みたいな感じ。

しかしまぁ、割と抜けてるところの多い神様だったような気がします。カノウの裏切りがあったとはいえ、あっさりとバリア解除されちゃうし。「お前だけいつまでたっても秘術使えるようにならんなぁ。もういいやお前ウチ帰れ。」って感じでコールを退場させようとするし。コールは誰かを守ろうとするときに最も力を発揮するから、あえて一旦家族のところへ帰らせた…ってことなんだと思いたい。いやでも、下手すりゃ家族みんな殺されてたよ…?

 

爽快感すら覚えるバイオレンス

本作では、ゲームのアイデンティティともいえるゴア描写がしっかりと再現されています。腕がもげたり、心臓を抜き取ったり、回転のこぎりのようなもので体を縦に真っ二つにしたり、内臓がずり落ちたり、その他諸々。
上述の通り僕はグロいのとか結構苦手な方なんですが、本作に関してはあまり気持ち悪さは感じず、むしろちょっと爽快感さえ感じてしまいました。なんでだろう。基本そういう目に遭うのが魔界の悪いヤツらってのと、若干人から外れたフォルムしてたから、とかなのかな。自分でもよくわからん。とにかく楽しめたので良かったです。

 

ストーリーは意外と少年漫画的

本作のストーリーは、悪いヤツらを倒すために、仲間と一緒に修行して強くなってがんばる、という、割と王道なものになっています。何も考えずに楽しめる、僕のような大きなお子ちゃまにピッタリな作品になっていました。上でジャンプ3大原則を引き合いに出したのも、この辺から来ています。

しかし、『モータルコンバット』というタイトルなのに、まさかモータルコンバットが開かれる前に終わるとは思わなかった…。シャン・ツンが差し向けた刺客たちがチャンピオンを殺しに来るのを返り討ちにする、ってだけで映画終わっちゃいますからね。続編を意識しての構成なのかな。まぁ十分面白かったのでいいですけど。

 

結末

コール達は、攻めてくる魔界の奴らに対し、ライデンの電撃テレポートでひとりひとりを様々なバトルフィールドに飛ばして1対1の状況を作り出し、各個撃破していきます。ここはいかにも格ゲーっぽくて、テンション上がりました。
ソニアは裏切ったカノウを殺したことで龍のあざが移り、腕からリング状の光弾を発射する秘術を会得します。ひとりだけ覚醒するの早すぎィ!

最後はコールとハンゾウスコーピオンがサブ・ゼロをヌッコロして、魔界の刺客は全滅。
「代わりはいくらでもいる、次は軍隊を引き連れてきてやるぞ」とのたまうシャン・ツンに対し、「ええ加減にせえやワレコラ」と言わんばかりにライデンが電撃を放ち、おめおめと魔界へ逃げ帰るシャン・ツンなのでした。

 

おわりに

てな感じで、個人的には非常に楽しむことが出来ました。
真田に始まり真田で終わる、最高というほかない作品です。まさかこんな作品が見れる日が来るとは…(涙)

よくある続編匂わせエンドだったので、続編あるといいなぁ。

ということで、映画『モータルコンバット』の感想でした。

ではまた。